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「疑問文って色々あるけど、使い分けがよくわからない…」
このようなお悩みを持った方は多い。
そこでトイグルでは、英語の疑問文全6種類の用法を丁寧に解説していこう。
時間のない方は『1. 疑問文とは』だけ読めば概要が理解できる。詳細を知りたい方は全体を読むことで、疑問文の奥深さを味わっていただけると思う。
*当エントリーは2017年11月に全面改訂されました。
*目次
1. 疑問文とは
英語の疑問文とは、話し手が聞き手に質問する際に使う文構造を指す。文脈によって、質問だけでなく提案や依頼を表すこともある。
疑問文で使用頻度が高いのがYes-No疑問文とWH疑問文である。他にも付加疑問文や間接疑問文など、様々な用法が用いられる。
これらの使い分けは様々な要因が絡み合った結果だが、大きな影響を及ぼすのが話し手の「知りたい!」という気持ちの度合いである。
ニュアンスの強さで疑問文を並べてみよう。
レベル1とレベル2は、語句や平叙文(普通の文)のイントネーションを上げるだけである。シンプルな文構造ゆえ、内容を確認したり、聞き返すなど、ソフトな質問が多い。
レベル3はいわゆる付加疑問文である。語順は途中まで普通の文と同じだが、語尾にdon’t you?などのパーツをつけ、同意や確認を求める。
レベル4とレベル5は一般に疑問文と呼ばれる文体である。話者の「知りたい」という気持ちの高まりから、文構造が複雑化している。
このように、求める答えの度合いが深くなるほど、複雑な文構造が使われる傾向にある。疑問文の違いとは、コミュニケーションの目的が反映されたものなのである。
以下、それぞれの用法を見ていこう。
2. 語尾を上げる
会話では、語句の語尾を上げることで、聞き返しをすることができる。
- A: I visited Tokyo last week. (先週、東京に行ったんだよ)
- B: Last week? (先週に?)
平叙文(=普通の文)においても、語尾のイントネーションを上げることで、質問のニュアンスに変化する。
- You need help? (お手伝いが必要?)
これら語尾を上げる形は、聞き返しや確認など、ソフトな質問機能を持つ。
簡単に使える一方、フォーマルさには欠ける表現だ。相手の関係性など、使用場面には注意したい。
3. 付加疑問文
付加疑問文とは、文の語尾にisn’t it?などを付け加えることで、同意や確認を求める用法である。
文の内容を相手に同意してほしい時は、語尾のイントネーションを下げて発音する。
- It is quite cold, isn’t it? (寒いですよね)
- The exam was not that easy, was it? (その試験は簡単ではなかったですよね)
文の内容について確認を求める際は、語尾のイントネーションを上げて発音する。
- You bought that book, didn’t you? (あなたはあの本を買いましたよね?)
- She hasn’t bought the ticket, has she? (彼女はチケットを買っていませんよね?)
このように、付加疑問文は語順に大きな変化を加えないことから、疑問としてのニュアンスはさほど強くない。
4. 間接疑問文
間接疑問文とは、平叙文(普通の文)の中に疑問文を埋め込む用法である。
- Tell me who is involved in the training program. (トレーニングプログラムに誰が含まれるのか教えて下さい)
- Do you have any idea why the sales have increased by 10 percent? (なぜ売上が10%増加していると思いますか?)
Yes-No疑問文やWH疑問文と異なり、間接疑問文は主語・動詞の倒置が起こらない。
次の文を比較してみよう。
- Why is she absent today? (直接疑問文: 彼女はなぜ今日休みなのですか?)
- I’m wondering why she is absent today. (間接疑問文: 彼女はなぜ休みなのかと考えています)
間接疑問文は疑問詞を使うが、必ずしも明確な答えを期待しているとは限らない。
丁寧さ、距離感、不確かな気持ちなど、Yes-No疑問文/WH疑問文より控えめなニュアンスが感じられる。
5. Yes-No 疑問文
Yes-No疑問文とは、YesあるいはNoで答えられるタイプの質問である。
Are you…?、Did you…?のように、主語と動詞の位置を倒置させることで、聞き手に対し直接的に疑問を投げかける。
多くの場合、Yes-No疑問文は内容の真偽について尋ねる。
- Have you finished your report? (レポートは終わりましたか?)
真偽について尋ねられた場合、多くは直接的にYes/Noで返答する。
- Yes, I have. (はい、終わりました)
- No, not yet. (いいえ、まだです)
Yes/Noを使わず、間接的に返答することもできる。
- I have already submitted it to the management team. (既にマネジメントチームに提出しましたよ)
Yes-No疑問文は、状況によって提案や依頼を意味する。
- Can we share the computer together? (提案: このパソコンを共有しませんか?)
- Could you please review my draft? (依頼: 私の原稿を精査していただけませんか?)
提案・依頼はYes/Noのほか、間接的に返答できる。
- Yes, of course. (はい、もちろん)
- Ah, I have something to do today. (私は今日やらなければならないことがある→だからできない)
Yes-No疑問文は、否定形にすることもできる。
- Isn’t that photocopier broken? (あのコピー機は壊れていませんよね?)
否定の疑問文を使う場合、話し手は否定的な回答を予測していることが多い。
次の例文を比較してみよう。
- Is that photocopier broken? (ニュアンス: 壊れているかわからない)
- Isn’t that photocopier broken? (ニュアンス: 当初は壊れていると思ったが、新事実によって壊れていない可能性が出てきた。そこで、壊れた事実はないものと考えながら質問している)
英語は疑問文が否定であっても、肯定的な内容を返答する場合はYes、否定的な内容を返答する場合はNoを使う。
- Yes, it is broken. (はい、それは壊れています)
- No, it isn’t broken. (いいえ、それは壊れていません)
ここで、日本語の「はい・いいえ」と英語のYes/Noは意味が異なることに注意しよう。
日本語の「はい・いいえ」は相手に対する同意を示す。
- コピー機は壊れていませんよね?
- はい、壊れていません。
- いいえ、壊れています。
この意味で、Yes-Noと「はい・いいえ」は同義ではない。英語は日本語訳と対で学ぶのではなく、英語固有の感覚を感じ取れるようになりたい。
6. 選択疑問文
選択疑問文とは、複数の選択肢を提示し、その中から1つ(あるいは2つ以上)を選ばせる用法である。
- Would you like coffee or tea? (コーヒーと紅茶のどちらがいいですか?)
- Shall we take a break, or do you want to finish it now? (休憩を取りますか? あるいはそれを今終えたいですか?)
選択疑問文は相手に「選択」をさせるから、Yes/Noでは答えられない。
- I’d like tea please. (私は紅茶がいいです)
- Either is fine with me. (私はどちらでも構いません)
7. WH疑問文
WH疑問文とは、What(何)、Which(どれ)、Why(なぜ)、Where(どこ)などに代表されるwh語、あるいはHow(どのように)を使った疑問文である。
人について尋ねる際はwhoを使う。
- Who made that decision? (その決定をしたのは誰ですか?)
- Who is Ronald Reagan? (ロナルド・レーガンとは誰ですか?)
- Who did you talk with? (あなたが話したのは誰?)
複数の中から特定のヒト・モノを尋ねる場合、whichを使う。
- Which is the best computer for me? (私にとってベストなコンピューターはどれですか?)
- Which movie do you want to watch? (どちらの映画をあなたは観たいですか?)
時について尋ねる場合、whenを使う。
- When will you take the exam? (その試験を受けるのはいつですか?)
- Since when did you drink coffee? (コーヒーを飲み始めたのはいつからですか?)
場所について尋ねる場合、whereを使う。
- Where is Ken? (ケンはどこにいるの?)
- Where are you going to meet him? (あなたは彼とどこで会うつもりですか?)
- Where are you from? (どちらの出身ですか?)
理由について尋ねる場合、whyを使う。
- Why did you take the exam? (なぜあなたはその試験を受けたのですか?)
Why not…?は提案をするのに使われる。これは「なぜ◯◯しないの?」と「◯◯したらいかがですか?」の両方の解釈がある。
- I can’t do my assignment now. – Why not? (私は課題を今できない。- なぜしないの?)
- We have some time. Why not go to the beach? (私たちは時間がある。ビーチに行かないか?)
方法について尋ねる場合、howを使う。
- How do I get to the train station? (駅にはどうやって行けばいいのですか?)
Howは形容詞や副詞と共に使うことで、程度について尋ねることができる。
- How many students are there? (何人の学生がそこにいますか?)
- How much exercise do you get each week? (どのくらいの運動を毎週行いますか?)
ヒトやモノに関する不特定の情報を尋ねる場合、whatを使う。
- What happened? (何が起こったの?)
- What is this? (これは何?)
- What do you usually do on weekends? (週末は何をしていますか?)
- What are you interested in? (あなたは何に興味があるの?)
所有者について尋ねる場合、whoseを使う。
- Whose bag is this? (このバッグは誰のものですか?)
8. まとめ
当エントリーでは、英語の疑問文の用法を説明してきた。
様々な疑問文はすべて異なる目的で使われることが、おわかりいただけたと思う。
最後に確認テストとして、3つの質問に◯×をつけてみよう。
- 疑問文は相手に質問をする時だけ使われる。
- 「語尾を上げる付加疑問文」と「Yes-No疑問文」は同じ意味なので、書き換え可能。
- 「語尾を上げる」は友達との会話向きであり、「WH疑問文」はビジネスシーンに適している。
これらはすべて間違いである。
確認テストの解説は、次のタブをタップしよう。
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[su_spoiler title=”確認テストの答え”]
1. 疑問文は質問以外にも、提案・依頼など、状況によって様々な意味で使われる。例えば、Can you email me?(メールを送れますか?)は「メールを送る能力がありますか?」と「メールを送ってくれませんか?」のどちらにも解釈できるが、後者の意味で使われることが多い。
2. 確かに、付加疑問文の語尾を上昇調にすれば、質問に近い確認を行っていると考えられる。それでも、あえて「付加疑問文」を使う(あるいは「Yes-No疑問文」を使う)のは、話し手に何らかの意図があっての行為である。異なるニュアンスの文を「書き換え」する必要はない。
3. たとえビジネスシーンでも、驚きを表現するなら「語尾を上げる疑問文」を使うのは可能だ。友人との会話でWH疑問文を使うのは一般的である。つまり文法とは「◯◯のシーンでは△△を使う」とルールが定められているわけではなく、状況に応じてダイナミックに変化するものである。
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英語の世界では、質問は相手への関心の高さを示す指標となる。
疑問文は「適切」に使うことで、良好なコミュニケーションを築けるようにしたい。
Good luck!
yes-no疑問文の、否定形を使った疑問文についてです。
否定的な回答を期待している、との説明で以下の例文がついています。
Isn’t that photocopier broken? (あのコピー機は壊れてませんか?=たぶん壊れているけど念のため)
ここで言う否定的とはNO….isn’t ということではないのでしょうか。だとすると、例文でが期待している回答は、NO, that photocopier ISN’T broken.
となり、多分壊れていないけど念のため、聞いている疑問文になるのでは?
>もへもへ様
コメントありがとうございます。
ご指摘の通り、否定の疑問文では「多分壊れていないけど念のため」のニュアンスが妥当かと思います。
該当箇所を修正しました。
質問させて頂きます。
選択疑問文(Would you like, A⤴ or B⤵?)とWH疑問文(Which would you like, A or B?)の違いについて教えてください。
意味的には「あなたはAとBのどちらが好きですか」となると思います。
Whichの有無でなにかニュアンスが変わったりするのでしょうか?
Whichを付けても付けなくても、選択肢(A or B)のどちらかを選ばなくてはいけないので、何が違うのかわかりませんでした。
以下のように考えましたがどうでしょうか
Would you like A or Bは、イントネーションによって意味が変わる。
1 like, A⤴ or B⤵?なら選択疑問文で、どちらかを選ぶ
2 like, A⤴ or B⤴?だと、AとBは例示なので、AとB以外でも答えられる
3 like A or B ⤴だと、基本疑問文なので、「AかBのどちらかは欲しいですか」となり、Yes/No で答える
⇒このようにイントネーションによって意味が変わってくる。
そのため、Whichをつけて、Which would you like, A⤴ or B⤵?とした方が選択疑問であることが初めから明確になり、AかBのどちらかを選ぶという意味がしっかりと伝わる。
Which無しの1の文(選択疑問文)と、意味的には殆ど変わらない。
>ヒナ様
イントネーションに関しては、当方はあまり詳しくないので、なんともわからないですね…
3つの点をお書きになられていますが、出典等あれば、教えてください。
Would you like と Which do you like については、言い方の違いというくらいで、あまり意味の差はないものと思います。
1.と2.はVision Quest 総合英語に、1と3.はロイヤル英文法に載っていましたので、合わせてこの分類になるのかと思いました。
>ヒナ様
承知いたしました。
Would you like と Which do you like については、文法的な違いと言うより言い方の違いであり、イントネーションによる意味の差などはあるものの、それによってこれらが何かしら、文法的に区別されるわけではないと思います。