英語の能格動詞とは、他動詞の目的語を自動詞の主語としても使える動詞を言います。
この記事では能格動詞について詳細を解説していきます。学習の参考になるはずです。
1. 能格動詞は自他両用で使える動詞
能格動詞について知るには例を見るのがよいです。次の2つの文を比べてみましょう。
- (1) Joe opened the door. (ジョーはドアを開けた)
- (2) The door opened. (ドアが開いた)
(1)は他動詞構文だが、その目的語が(2)の自動詞構文において、主語として使われています。このように他動詞・自動詞の交替が起こりうるものを能格動詞と呼びます。
英語学習の観点から言うと、私たちは能格動詞の自動詞用法を苦手とする場合が多いです。
例えば、窓ガラス(window)は生き物ではないので、自らの意思で何かを壊す能力はありません。そこで「窓が割れた」を英語にするとき、受動態の文を作りがちです。
- (3) The window was broken. (窓ガラスが割られた)
(3)の受動態は、窓が何かによって壊された出来事に焦点を置きます。一方、(4)の自動詞用法は、原因や行為者を示さず「窓が割れた」という変化を述べます。どちらが自然かは文脈によって異なります。
- (4) The window broke. (窓ガラスが割れた)
2. 英語の能格動詞一覧
能格動詞の数は多く、英語では600を超えると言われています(参考:『英文法総覧』。)
本記事では、英語でよく使われる能格動詞を種類別に紹介します。
2-1. 変化に関する能格動詞
- (5) Sales increased by 600 percent in two months. (売上は2ヶ月間で600%増加した)
- (6) We have increased the number of blog posts. (私たちはブログの投稿数を増やした)
多くの能格動詞は変化をあらわします。例えば、increaseは自動詞用法では「増える」、他動詞用法では「増やす」の意味です。
以下、変化に関する能格動詞の例を挙げます(意味は自動詞用法-他動詞用法の順。)
| age (年を取る/…を老けさせる) | begin (始まる/…し始める) |
| bend (曲がる/…を曲げる) | bleach (色あせる/…を漂白する) |
| break (壊れる/…を壊す) | burn (燃える/…を燃やす) |
| burst (破裂する/…を破裂させる) | change (変わる/…を変える) |
| close (閉まる/…を閉じる) | continue (続く/…を続ける) |
| crack (ひびが入る/…にひびを入れる) | darken (暗くなる/…を暗くする) |
| decrease (減少する/…を減少させる) | diminish (減少する/…を減らす) |
| disperse (分散する/…を分散させる) | double (2倍になる/…を2倍にする) |
| drown (溺死する/…を溺死させる) | dry (乾く/…を乾かす) |
| empty (からになる/…をからにする) | end (終わる/…を終える) |
| fade (薄くなる/…の色をあせさせる) | finish (終わる/…を終える) |
| grow (成長する/…を栽培する) | improve (良くなる/…を改善する) |
| increase (増える/…を増やす) | open (開く/…を開ける) |
| quicken (速くなる/…を速める) | rot (腐る/…を腐らせる) |
| shatter (粉々に割れる/…を粉々に割る) | shrink (縮む/…を縮ませる) |
| shut (閉まる/…を閉める) | slow (速度を落とす/…の速度を落とす) |
| split (分裂する/…を分裂させる) | spread (広がる/…を広げる) |
| start (始まる/…を始める) | stick (くっつく/…を貼り付ける) |
| stop (止まる/…を止める) | stretch (伸びる/…を引き伸ばす) |
| tear (裂ける/…を引き裂く) | thicken (濃くなる/…を濃くする) |
| widen (広がる/…を広げる) | worsen (悪化する/…を悪化させる) |
(Collins Cobuild English Grammarより筆者作成)
2-2. 動きに関する能格動詞
- (7) The elevator began to move. (エレベーターは動き始めた)
- (8) I moved the bottle to the fridge. (私はボトルを冷蔵庫に移動させた)
いくつかの能格動詞は動きを表します。例えば、moveは自動詞用法では「移動する(動く)」、他動詞用法では「移動させる」の意味です。
以下、移動に関する能格動詞の例を挙げます(意味は自動詞用法-他動詞用法の順。)
| balance (バランスをとる/…のバランスをとる) | drop (落下する/…を落とす) |
| move (移動する/…を移動させる) | rest (もたれかかる/…をよりかからせる) |
| rock (揺れる/…を揺り動かす) | shake (揺れる/…を揺さぶる) |
| spin (回転する/…を回す) | stand (立っている/…を立てる) |
| steady (安定する/…を安定させる) | swing (揺れ動く/…を振り動かす) |
| turn (向く/…の向きを変える) |
(Collins Cobuild English Grammarより筆者作成)
2-3. 料理に関する能格動詞
- (9) Water boils at 100C. (水は100度で沸騰する)
- (10) Boil the water for 15 minutes. (水を15分間沸騰させてください)
いくつかの能格動詞は料理に関する場面で使われます。例えば、boilは自動詞用法では「沸騰する」、他動詞用法では「沸騰させる」の意味です。
以下、料理に関する能格動詞の例を挙げます(意味は自動詞用法-他動詞用法の順。)
| bake (焼ける/…を焼く) | boil (沸騰する/…を沸騰させる) |
| brown (きつね色に焼ける/…をきつね色に焼く) | cook (調理される/…を調理する) |
| freeze (冷凍保存が可能である/…を凍らせる) | marinate (マリネード漬けになる/…をマリネード漬けにする) |
| melt (融ける/…を融かす) | simmer (ことこと煮える/…をことこと煮る) |
| steam (蒸される/…を蒸す) | thaw (解凍される/…を解凍する) |
(Collins Cobuild English Usageより筆者作成)
2-4. 交通に関する能格動詞
- (11) The plane flew over the city. (飛行機が街の上空を飛んだ)
- (12) The pilot flew the plane over the city. (パイロットが飛行機を操縦して街の上空を飛んだ)
交通に関する動詞にも、自動詞の主語が他動詞の目的語に対応するものがあります。(11)と(12)では、飛ぶものはどちらも the plane です。
以下に交通に関する自他両用の動詞を挙げます(意味は自動詞用法-他動詞用法の順)。ただし、I drive. / I drive a car. や I park here. / I park my car here. のような対は、目的語を省略しても主語が同じであり、(11)・(12)のような能格的な交替とは区別します。
| back (バックする/…をバックさせる) | crash (衝突する/…を衝突させる) |
| drive (車を運転する/…を運転する) | fly (飛ぶ/…を飛行機で運ぶ) |
| park (駐車する/…を駐車する) | reverse (バックする/…をバックさせる) |
| run (疾走する/…を走らせる) | sail (航行する/…を航行する) |
(Collins Cobuild English Grammarより筆者作成)
3. まとめ
この記事では、英語の能格動詞について詳細を解説してきました。
内容をまとめると次のようになります:
- 能格動詞は他動詞の目的語を自動詞の主語として使える動詞です
- 英語には少なくとも600を超える能格動詞があります
- 変化、移動、料理、車両などに関する能格動詞があります
トイグルでは他にも、英文法に関する記事を執筆しています。興味のある方はぜひご覧ください。
Good luck!