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英語の ever は「これまでに」や「いったい」を意味する副詞である。
everは英語の様々な場面で使われる。映画やドラマ、あるいはメールやチャット内で使われているのを見た方も多いだろう。
ただ、ever は文法性が強く、用法を正しく理解するのは難しい。英語を学習しているあなたは、次のような疑問を持っていないだろうか?
- ever の使い方がよくわからない…
- ever はいつもなんとなく訳して誤魔化している…
- ever の正確な用法を知りたい…
そこでトイグルでは、英語の ever について、その詳細な使い方を解説していく。構文別の ever の用法や、never ever のような慣用表現について、網羅的に説明したい。
本記事を読めば、ever に関する理解が深まり、英語を正確に読んだり、話したりできるに違いない。ぜひ最後までご覧いただきた
本記事は ever について網羅的に書いているため長文です。初心者の方は『1. everの中核的な意味は「任意の1回×強調×恒常性」』だけ読めば、ever の大意が理解できるでしょう。中級者の方は『2. everの使い方』を読めば、ever の詳しい使い方がわかります。上級者の方は本記事全体、あるいはいま疑問に思っている点を目次から探して読むと効果的でしょう。
1. everの中核的な意味は「任意の1回×強調×恒常性」
ever には様々な使い方があるが、トイグルでは、その中核的な用法を「任意の1回×強調×恒常性」という3点にまとめた。
<任意の1回> は「ある時」の意味で、出来事がいずれかの時点において起こる(あるいは起きた、起きるだろう)と述べたものである。
例を見てみよう。
- (1) Have you ever seen a rainbow?
(虹を見たことはありますか)
この例文では、聞き手が虹を見たことがあるかと尋ねられている。
虹を見たのは昨日でも、先週であっても、あるいは先月であっても構わない。いずれにせよ、ever があらわすのは「任意の1点」についてである。
次に、<強調> は「絶対に」の意味で、文の意味を強める用法がある。
例を見てみよう。
- (2) That’s the best movie I’ve ever watched.
(それは私が観た中で最高の映画です)
この例文では、話し手がある映画を最高のものだったと評価している。
ever は映画が最高という意味を強調するために使われている。
最後に、<恒常性> は「いつでも」の意味で、あることがおおむね常に成り立っているような出来事をあらわす。
例を見てみよう。
- (3) Nothing lasts for ever. (永遠に続くものはない)
この例文では、永遠に続くものはないという真理について述べられている。
ever は「いつでも」や「ずっと」の意味をあらわしていることがわかる。
このように、ever には「任意の1回×強調×恒常性」が中核的な意味として存在する。上記の点を抑えておけば、ever の用法を正しく見極められるに違いない。
ever は古英語に起源を持つと言われる。ただ、正確な語源は明らかになっていない。
筆者注: Who ever told you that? (いったい誰があなたにそれを言ったの?) のように、ever は <驚き>をあらわす第4の用法もある。
2. everの使い方
ever は疑問文、否定文、条件文など、様々な文の中で使われる。
ここでは、構文の面から詳しく使い方を見ていきたい。
2.1. 疑問文の中で用いられる ever
- (4) Have you ever been to Los Angels?
(ロサンゼルスに行ったことはありますか) - (5) Do you ever go to Tokyo by train?
(いつも東京へは電車で行きますか) - (6) Will you ever forgive me?
(私を許してくれますか) - (7) Don’t you ever stop talking?
(おしゃべりが止まらないのかい?)
ever を疑問文の中で用いる場合、過去については「これまでに」、現在については「いつも」、未来については「いつか」の意味になる。
(4)は現在完了形を用いているが、過去の経験について尋ねている。(5)は現在のこと、(6)は未来のことを尋ねている。
(7)のように、everは否定の疑問文の中で使われることもある。
Have you ever fallen off a horse?(落馬したことはありますか)といえば、これまでの落馬経験の有無について聞いている。
一方、Did you ever fallen off a horse?(落馬しましたか)といえば、数日馬に乗った後、その数日間の出来事について聞いている違いがある。
注: オックスフォード現代英英辞典(第10版)では、Did you ever …?を old-fashioned(古風な表現)としている。
2.2. 否定的な文の中で用いられる ever
- (8) We hardly ever go to the movies.
(私たちはほとんど映画を観に行きません) - (9) I have only ever lived in one country.
(私は1つの国に住んだことがあるだけです) - (10) I don’t think I have ever been asked my zip code.
(郵便番号を尋ねられるとは思いません)
ever を否定文、あるいは否定を表す語句を含む文中で用いる場合、過去については「これまで(…ない)」、現在については「いつも(…ない)」、未来については「これから先(…ない)」の意味になる。
(8)のように、rarely、seldom、hardlyなど、否定をあらわす語と共に用いられることもある。(9)のような only も使用可能。
(10)は I don’t think… で導かれる節の中に ever が使われている例である。
Nothing ever changes.(何1つ変わらない)のように、ever が「強調」の用法で用いられることもある。
avoid(…を避ける)、deny(…を否定する)、stop(…をやめる)など、否定的な意味を持つ動詞を使った文においても、「強調」の意味で ever を使用できる。
2.3. if節の中で用いられる ever
- (11) If you are ever in Japan, come and see me.
(もし東京へおいでの際は立ち寄ってくださいね) - (12) I seldom, if ever, have any issues with game play.
(ゲームのプレイに問題があることはほとんどありません) - (13) I wondered if he would ever have a friend.
(彼に友だちができるのだろうかと思いました) - (14) It’s a bargain if ever there was one.
(これは確かに掘り出し物です)
if節で用いられる ever は、「もしも…するようなことがあれば」の意味になる。
(11)は ever がif節の中で用いられている場合である。(12)のように seldom(rarely), if ever の形で使われると「ほとんど(…ない)」の意味になる。
(13)のように、名詞節の中で使われることもある。(14)の if ever there was one は「確かに」の意味のイディオムである。
2.4. 比較級と共に用いられる ever
- (15) They’re stronger than ever.
(彼らは今まで以上に強くなった) - (16) It’s easier to track the results than ever before.
(今まで以上に成果を追いやすくなっています) - (17) You’ll get more than you ever dreamed of.
(あなたは夢見た以上のものを手に入れられるのです)
ever は比較級と共に用いられることがある。
(15)の than ever は「今まで」や「以前にもまして」の意味になる。
(16)のように than ever before とすることもある。(17)はthan節の中で ever が用いられている例である。
Email is an ever more important way of communicating.(Eメールがコミュニケーションでますます重要な方法になっている)のように、ever が「ますます」の意味になることがある。この場合、<恒常性>をあらわす。
More women than ever before have full-time jobs.(以前より多くの女性が正社員として働いています)のように、than ever (before) が文頭の位置に置かれることがある。
2.5. 最上級と共に用いられる ever
- (18) It was the hottest summer ever.
(これまででもっとも暑い夏だった) - (19) This is the best novel I’ve ever read.
(これは今までに読んだ中で最高の小説です) - (20) He was the first person ever to produce a color photograph.
(彼はカラー写真を発明した最初の人でした)
最上級と共に用いられる ever は、「今までに一番…」の意味になる。
(18)のように the hottest summer ever の形で用いられることが多い。イギリス英語では the hottest ever summer のように言う。
(19)は最上級の後、関係詞節の中で ever が用いられている例である。
(20)のように、最上級の代わりに、the first、the last、the onlyが用いられることがある。
2.6. 感嘆文の中で用いられる ever
- (21) ‘You must have been upset by that.’ ‘Was I ever!’
(「そのことに動揺したに違いありません」「とっても!」)
ever は感嘆文の中で用いられることがある。この場合「たいそう」の意味で、驚きなどの感情をあらわす。
2.7. 疑問詞+ever
- (22) Who ever said relationships are easy?
(人間関係が簡単なんていったい誰が言った) - (23) What ever happened to her?
(彼女にいったい何が起こった) - (24) Where ever have you been?
(いったいどこに行ってたんだい) - (25) Why ever did that not happen earlier?
(いったいなぜもっと早くにそれをしなかったのか) - (26) When ever did you leave home?
(いったいいつ家を出たんだい) - (27) How ever will you remember?
(いったいどうやって覚えるんだい)
everは疑問詞と共に用いられ、「いったい」のような、驚きの感情をあらわす。
(22)はwho、(23)はwhat、(24)はwhere、(25)はwhy、(26)はwhen、(27)はhow と共に用いられている例である。
whoever、whatever、wherever など、1語でつづる場合もある。ただし、whyever は不可。
2.8. ever+形容詞/名詞
- (28) Ever optimistic, she thought she would survive.
(いつもながら楽観的な彼女は、生き残れると思っていた) - (29) John – ever the optimist – is always trying out new ideas.
(いつもながら楽観的なジョンは、新しい案を試している)
ever は形容詞あるいは名詞の前で、「いつもながら」の意味で使われることがある。
(28)は ever+形容詞、(29)は ever+名詞(句)の形で使用されている例である。
ever はかつて、He is ever ready to help.(彼はいつも喜んで人助けをします)のように、肯定文に用いる用法があった。これは現代では古風であり、always が用いられることが多い。「ever+形容詞/名詞」は肯定文のeverから、主語とbe動詞を省略した形と考えられる。
3. everを用いる慣用表現
ever を用いた慣用表現について、紹介していきたい。
3.1. never ever
- (30) I will never ever use this product again.
(もう2度とこの製品を使うことはないでしょう) - (31) Never ever give up.
(絶対に諦めないで) - (32) Never ever ever ever ever store passwords in plain text.
(パスワードは絶対に平文で保存しないでください)
never ever は「絶対…しない」の意味を持つ。ever は never の意味を強調する役割がある。
(30)は never ever が平叙文で用いられている例である。(31)は never ever が疑問文で用いられている。
くだけた会話では、(32)のように ever を複数回、繰り返して使用することがある。
書き言葉では、NEVER EVER CLICK THIS BUTTON.(このボタンを絶対にクリックしないこと)のように、大文字で強調することがある。
3.2. ever since
- (33) We’ve been friends ever since.
(私たちはそれ以来、友人です) - (34) Ever since high school I’ve loved writing.
(高校時代からずっと、私は書くことが大好きです) - (35) I’ve been doing that ever since I started playing guitar.
(ギターをはじめて以来、ずっとそれをやってます)
ever since は「…からずっと」の意味を持つ。since だけでも「…から」の意味があるが、ever があることで、より強調された言い方になる。
(33)は ever since が副詞的に、単体で使われている例である。
(34)は ever since が前置詞的に、名詞の前で使われている。
(35)は ever since が接続詞的に、節の前で使われている。
3.3. ever after
- (36) Next day, they were married, and lived happily ever after.
(翌日、二人は結婚し、末永く幸せに暮らしましたとさ)
ever after は「それ以後、ずっと」の意味がある。おとぎ話などの締めくくりでよく使われる。
3.4. ever so (such)
- (37) That’s ever so nice.
(それはとても素敵ですね) - (38) I read your blog ever so often.
(ブログはよく読ませてもらっています) - (39) Thank you ever so much.
(本当にありがとう) - (40) She is ever such a nice lady.
(彼女はとても素敵な女性です)
ever so は「とても」の意味で、形容詞や副詞の前に用いられる。
(37)は形容詞の前、(38)は副詞の前に使われている例である。
(39)の ever so much は very much とほぼ同義になる。
(40)のように、ever such の形で使われることもある。
3.5. as ever
- (41) As ever, feel free to ask questions.
(いつもどおり、遠慮なく質問してください) - (42) The food was as bad as ever!
(料理は相変わらずまずかったです) - (43) He was as good an American as ever lived.
(彼は並外れて優れたアメリカ人でした)
as ever は「いつもどおり」や「相変わらず」の意味で用いられる。
(41)は as ever が単独で用いられている例である。
(42)のように as X as ever の形になることもある。
(43)の as X as ever lived は「並外れた」の意味で使われる。
Yours ever や Ever yours は、手紙などの締めくくりの部分に使われる。
4. everに導かれる複合語のリスト
ever は形容詞などと結びつくことで、複合語としても使われる。
ever に導かれる複合語のリストを紹介したい。
筆者注: 以下のリストは “Word Formation (Collins Cobuild English guides)” を参照した。
4.1. 「いつも」の意味
ever-available | ever-changing |
ever-decreasing | ever-diminishing |
ever-efficient | ever-expanding |
ever-faithful | ever-growing |
ever-helpful | ever-increasing |
everlasting | ever-lengthening |
ever-moving | ever-narrowing |
ever-open | ever-popular |
ever-present | ever-rising |
ever-shrinking | ever-smiling |
ever-watchful | ever-widening |
ever-willing | ever-worsening |
出典: Word Formation (Collins Cobuild English Guides)
この種類において、ever は always(いつも)の意味で使われる。例えば、ever-open は「いつも開いている」という意味。everlasting(永久に続く, 常に繰り返される)だけ、ハイフン(-)がない。これはおそらく、この組み合わせが頻繁に使われるため、1語として定着したものと思われる。
4.2. 「ますます」の意味
ever-bolder | ever-briefer |
ever-closer | ever-faster |
ever-fiercer | ever-greater |
ever-higher | ever-larger |
ever-narrower | ever-scarcer |
ever-shorter | ever-smaller |
ever-stranger | ever-stronger |
ever-wider | – |
出典: Word Formation (Collins Cobuild English Guides)
この種類において、ever は increasingly(ますます)の意味で使われる。例えば、ever-faster(ますます速くなっている)という意味。
4.3. その他の意味
evergreen | evermore |
その他の意味として、evergreen(衰えを知らない)と evermore(未来永劫に)がある。
5. まとめ
この記事では、英語の ever について詳細を解説してきた。
内容をまとめると次のようになる:
- everの中核的な意味は「任意の1回×強調×恒常性」
- everは疑問文, 否定文, if節などで使われる
- everは比較級や最上級を強調する用法もある
- never ever などの慣用表現がある
- everに導かれる複合語がある
トイグルでは他にも、英文法に関する記事を執筆している。興味のある方はぜひご覧いただきたい。
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