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英語の主格とは、主に主語の名詞に対して付与される格である。
英語を勉強しているあなたは、次のような疑問を持っていないだろうか?
- 主格とはそもそも何…?
- 主格はどのような場面で使う…?
- 主格を学ぶ際の注意点とは…?
そこでトイグルでは、英語の主格について詳細を解説していく。学習の参考になるはずだ。
1. 主格は主に主語に使われる格
英語の格とは、名詞や代名詞の語形が、文中での使われ方によって変化することである。
学習英文法では一般に、主語に用いられる格を主格、目的語に用いられる格を目的格、所有をあらわす格を所有格として区別する。例を見てみよう。
- (1) Ken loves Mary. (ケンはメアリーを愛している)
- (2) Mary loves Ken. (メアリーはケンを愛している)
- (3) Ken’s smartphone (ケンのスマートフォン)
(1)において、主語Ken(ケン)は主格を与えられている。また、(2)において目的語Ken(ケン)は目的格を与えられている。(3)のように所有格では、名詞の語尾に「’s」をつけることが多い。
現代英語において、主格と目的格の語形は変わらない。そのため、(1)のKen(ケン/主格)と(3)のKen(ケン/目的格)の語形は同じである。
同じKenにもかかわらず、異なる格が与えられていると判断するのは、Kenを代名詞にした時、異なる格の語を使うからである。
- (1′) He loves Mary. (彼はメアリーを愛している)
- (2′) Mary loves him. (メアリーは彼を愛している)
- (3′) his smartphone (彼のスマートフォン)
主格が用いられるのは必ずしも主語だけとは限らない。例えば、SVCのCに該当する、いわゆる「主語補語(主格補語)」の名詞は主格である。
- (4) Kim is a scientist. (キムは科学者です)
場合によって、主語の位置に目的格が使われることがある。たとえば、不定詞の意味上の主語が目的格なのは、それを代名詞にしたとき、目的格の語が選択されることからも明らかである。
- (5) George believes Emma to be honest. (ジョージはエマが正直だと思っている)
- (5′) George believes her to be honest. (ジョージは彼女が正直だと思っている)
細かい分類はさておき、学習上は「主格は主に主語の名詞に使われるが、時に主語以外の位置に用いられることもある」と知っておけば十分だろう。
以下、主格の詳細について説明していく。
2. 主格の使い方
主格は主語のほか、主語補語(主格補語)、呼びかけ、主格の同格語、独立分詞構文の主語などに使う。以下、これら用法を詳しく見ていく。
2-1. 主語
- (6) Susan got up early today. (スーザンは今日早く起きた)
- (7) Cheese is made from milk. (チーズはミルクからできている)
文の主語となる名詞に与えられる格は、主格である。
(6)はSusan(スーザン)、(7)はCheese(チーズ)が主格の名詞である。
2-2. 主語補語
- (8) She became a doctor. (彼女は医者になった)
- (9) He was elected chairman. (彼は議長に選出された)
主語補語(あるいは主格補語)の名詞に与えられる格もまた、主格である。
主語補語はSVCの文型におけるCのことで、(8)はa doctor(医者)、(9)はchairman(議長)に該当する。
2-3. 呼びかけ
- (10) Susan, can you give me a hand? (スーザン、手を貸してくれないか)
- (11) Could I start writing, professor? (執筆を始めてもいいですか、教授)
呼びかけに使う名詞は主格である。(10)は人名、(11)は役職名で呼びかけている例である。
尚、人をあらわす名詞がすべて呼びかけに使えるわけではない。例えば、Professor(教授)と呼ぶのは自然だが、Assistnat prosessor(助教授)と呼ぶのは不自然である。
以下、呼びかけ語になれる名詞の例をあげる。
professor (教授) | doctor (先生) |
driver (運転手) | bartender (バーテンダー) |
conductor (指揮者) | porter (ポーター) |
uncle (おじさん) | mommy (ママ) |
lady (お嬢さん) | sir (だんな) |
miss (お嬢さん) | gentleman (だんな) |
boy (きみ) | girl (きみ) |
man (きみ) | woman (きみ) |
father (お父さん) | mother (お母さん) |
(出典: 講座・学校英文法の基礎 第二巻)
2-4. 主格の同格語
- (12) Mr. Jones, chairman of the committee, rejected the proposal. (委員会の議長であるジョーンズ氏は提案を拒絶した)
主格の名詞の同格語になる要素も主格である。(12)では、chairman of the committee(委員会の議長)がMr. Jones(ジョーンズ氏)と同格の関係になっている。
2-5. 独立分詞構文の主語
- (13) Work is expected to be done by Friday, weather permitting. (天候がよければ、仕事は金曜日までに終わる見込みです)
独立分詞構文の主語になる名詞は主格である。(13)はweather(天気)が独立分詞構文の主語として使われている。
3. まとめ
この記事では、英語の主格について詳細を解説してきた。
内容をまとめると次のようになる:
- 主格は主に主語に付与される格
- 現代英語で主格と目的格の語形は変わらない
- 主格は主語補語や呼びかけ語にも使われる
トイグルでは他にも、英文法に関する記事を執筆している。興味のある方はぜひご覧いただきたい。
Good luck!