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TOEICリーディングセクションは難関として知られている。
あなたは次のようなお悩みを抱えていないだろうか?
- 「TOEICリーディングを最後まで解き終えられない…」
- 「リスニングは目標レベルだが、リーディングスコアが低い…」
TOEICリーディングを勉強してもスコアが上がらない理由は「速読力」が足りないからである。TOEICは限られた時間内に大量の英文を読むので、読解スピードが遅いとたちまち時間切れになってしまう。
そこでトイグルでは、TOEICリーディングセクションで成果を出す勉強法を紹介しよう。読解力を上げる「スラッシュリーディング」、正答率を上げる「不正解分析」、そして解答速度を上げる「時間配分」のやり方を説明する。
筆者はTOEICスクールを運営しているが、この方法を用いた指導を行ったところ、TOEIC経験ゼロの社会人学習者がPart7を最後まで解き終えられるようになり、目標スコアを達成した。
すぐにTOEICリーディングのスコアを上げるコツも取り上げるので、試験直前にも役立つ。この記事を読めば、TOEICリーディングセクションでスコアを上げる明確なイメージができるようになるだろう。
*筆者はTOEIC公開テストを毎回受験し最新の傾向を研究しています。当エントリーは筆者の受験経験および指導経験を踏まえ、2018年4月にリリースしました。
1. TOEICリーディングが苦手なのは「速読力」が足りないから
TOEICリーディングセクションはPart5(短文穴埋め問題)、Part6(長文穴埋め問題)、Part7(長文読解問題)の3パートで構成される。100の設問を75分間の制限時間で解く。
Part5 | 短文穴埋め問題 | 30問 |
Part6 | 長文穴埋め問題 | 16問 |
Part7 | 長文読解問題 | 54問 |
合計 | 100問 |
筆者はTOEICスクールを運営しているが、多くの生徒さまから「TOEICリーディングセクションを時間内に解き終えられない」との声を聞く。本番試験におけるリーディングの失敗例は次のようになるだろう:
- リスニングセクションがようやく終わった。リーディングをがんばろう。
- Part5(短文穴埋め問題)は英文が短くスコアを稼げるから、丁寧に解こう。
- Part6(長文穴埋め問題)はあまり勉強しなかったが、普通に解こう。
- Part7(長文読解)を解いている途中だが、だんだん面倒になってきた。文章量が多すぎて集中力が続かない。
- しまった、気がついたら残り時間が10分を切っている。まだQ168だから30問以上残っている。急いで解かなければ。
- ダメだ、残り時間が3分しかない。このままでは解き終わらないから、残り20問を適当に色塗りしよう。
- 終了時刻になってしまった。時間内に解き終わればもっとスコアは上がっていたのに…
このように、TOEICリーディングセクションを制限時間内に解き終えられない人は多い。普段の練習では正答率が良くても、本番でスコアが上がらないのは、TOEICが要求する解答スピードに追いついていないからである。
そこで、リーディングセクションでスコアを上げるには「速読力」が必要となる。TOEICにおける速読とは、英文の読解スピードを上げることだけではなく、出題傾向をよく知り、反射的に解答できる設問を増やすことである。
それでは、速読力を鍛えるにはどうすればいいのだろうか? 以下、具体的な勉強法を紹介しよう。
筆者の試算では、TOEICリーディングセクションで処理する語彙数は約6,100語(Tokens)。制限時間が75分間だから単純計算で1分辺り81.3語。読むだけではなく設問を解いてマークシートを塗る時間も必要。
2. TOEICリーディングを時間内に解き終える3つの勉強法
トイグルでは、TOEICリーディングでスコアを上げる3つの勉強法を提唱している。
スラッシュリーディング | 英文を速く読めるようになる |
不正解分析 | 正しい選択肢を選べるようになる |
時間配分 | 時間内に解き終えられるようになる |
1つずつ説明しよう。
1. スラッシュリーディングで英語の語順のまま解釈する
TOEICリーディングに時間のかかる最大の原因が、英文を綺麗な日本語に翻訳しようとする読み方である。
例を見てみよう。
- All information you provide will only be used for research purposes.
この文を正しく訳せば「あなたが提供するすべての情報は、研究目的のためにだけ使われるでしょう」となる。
しかし、英語と日本語は語順の異なる言語である。あなたは綺麗な翻訳を作るため、無意識に英語を日本語の構造に変化させていないだろうか?
- All information you provide will only be used for research purposes.
- → *you provide all information, for research purposes, will only be used.
- → あなたが提供するすべての情報は、研究目的のためだけに使われるでしょう
「英文を読む→文構造を変化させる→日本語に訳す」の3ステップをすれば、読解にかかる時間は多くなる。TOEICは英文処理能力が重視される試験なので、翻訳しながら読むと時間内に解けない。
そこで、TOEICでは翻訳の癖を止め、英語を英語の語順のまま理解する。文を意味の切れ目に分け、頭の中でスラッシュ(/)を入れながら、直訳で読み進める。
先ほどの例文は次のように解釈しよう。
- All information / you provide / will only be used / for research purposes.
- → すべての情報、あなたが提供する、だけに使われるでしょう、研究目的のために
この方法を使うと、リーディングを「英文を読む→理解する」の2ステップに短縮できるので、読解速度の向上が期待できる。スラッシュを入れる位置に厳密になりすぎる必要はなく、文構造が大まかに理解できれば大丈夫だ。
スラッシュリーディングは問題集を使って練習できる。市販のTOEIC問題集を用意し、設問を解いて丸つけを行ったら、鉛筆で英文にスラッシュを入れていく。この時、単なる作業にならないよう、常に文構造を意識して読むようにしよう。
最初は時間がかかるが、練習をすれば驚くほど直感的に読めるようになる。TOEIC初心者の方は、英語に慣れる機会にもなるだろう。ぜひやってみてほしい。
TOEIC本番試験では、問題用紙への書き込みは禁止されている。スラッシュを入れるのは練習時だけにしよう。
2. 「設問解答→丸つけ→不正解の分析」を丁寧に行う
TOEIC勉強法の王道は、問題集を使った「設問解答→丸つけ→不正解の分析」である。
- 市販のTOEIC問題集を解く。
- 解答編を見て丸つけを行う。
- 不正解だった問題の理由を分析する。
ここで重要なのは、問題集を解きっぱなしで終えないことだ。設問を解いた後、不正解だった問題、あるいは正解だったが自信のなかった問題を丁寧に復習する。
Part7(長文読解問題)であれば、答えには必ず根拠があるから、英文を読み返し、ヒントを探す。先ほど紹介したスラッシュリーディングはこのタイミングで行うと良い。知らない単語は辞書で意味を調べ、キーワードは印をつけて目立たせる。
例を見てみよう。
設問分析が効果的な理由は、TOEICの出題傾向を理解できるからである。TOEICは毎回似たようなパターンで出題されるから、設問に慣れておくだけで解答速度は上がる。
この「設問解答→丸つけ→不正解の分析」は学習の基本なので、Part5(短文穴埋め問題)、Part6(長文穴埋め問題)、Part7(長文読解問題)の全パートで実施しよう。
学習時間に余裕があれば、正解の問題も含め、解いたすべての設問を分析するとより効果的である。
3. 時間制限を測ってパートごとに解く
TOEIC本番試験では、リーディングセクションを75分の制限時間で解く。本番の3〜4週間前に必ず行いたいのが時間配分の練習である。
市販の問題集を使い、時間制限を設けて各パートを解こう。時間配分の目安は次のとおり。
- TOEIC Part5&Part6: 20分
- TOEIC Part7 シングルパッセージ: 25分
- TOEIC Part7 ダブル&トリプルパッセージ: 30分
Part5(短文穴埋め問題)とPart6(長文穴埋め問題)の2パートを合わせて20分で解く。かなり急ぎになるので、Part5なら接続詞問題、Part6なら文章挿入問題など、文の読み込みが必要な問題は飛ばしても良い。
Part7(長文読解問題)のシングルパッセージ(1文章を読んで2〜4問の設問に答える形式)は25分で解く。これもタイトな時間配分なので、読んでもいまいちピンとこない文章は思い切って飛ばしても良い。
Part7(長文読解問題)のダブルパッセージ(2文章を読んで5問の設問に答える形式)とトリプルパッセージ(3文章を読んで5問の設問に答える形式)は30分で解く。複数の文章を参照する設問が出るので、ヒントがすぐに見つからなければ、思い切って次の問に移る。
はじめての時間配分で成功する人は少ない。最初は時間内に解き終わらなくても構わない。大切なのはTOEICが要求するスピード感を事前に知り、本番で大失敗しないようにすることである。
筆者の経験上、TOEICがはじめての方でも、3〜4回時間を測って解く練習をすれば、リーディングセクションに対する苦手意識がなくなる。一度でも時間配分に成功したら、その感覚を覚えておこう。本番で目に見える違いを実感いただけるはずだ。
TOEICはマークシート形式の試験である。本番で設問を飛ばす際は、マークシートを空白にせず、どれか1つに必ずマークしておくこと。
3. TOEICリーディングですぐに成果を出す3つのコツ
TOEICは設問形式が決まっているので、頻出問題を知れば短期間にスコアを上げられる。ここでは、TOEICリーディングですぐに成果を出す3つのコツを紹介しよう。
コツ1. Part5 品詞問題頻出パターンを知る
TOEIC Part5(短文穴埋め問題)に毎回5〜9問程度出題されるのが、品詞問題である。品詞問題とは、supply(動詞: 供給する)/supplier(名詞: 供給者)/supplement(名詞: 補充)のように、異なる品詞の中から適した設問を選ぶ問題だ。
品詞問題は頻出パターンを知れば解きやすい。以下、TOEICによく出る10の例を紹介しよう。
出題パターン | 例文 |
名詞単体 | The winner will be soon announced. |
所有格+名詞 | His proposal has been rejected. |
名詞+名詞 | We are late due to a traffic jam. |
形容詞+名詞 | There is no clear evidence. |
副詞+形容詞 | The new smartphone is absolutely incredible. |
動詞+名詞 | We appreciate the convenience of additional direct flights. |
前置詞+名詞+前置詞 | I’m writing in response to your questions. |
(一部の)動詞+形容詞 | The CEO is proud of his employees. |
副詞単体 | John is required to make his decision immediately. |
動詞+副詞 | The cost of oil has climbed rapidly. |
(例えば、The _____ will be soon announced. の問題で、選択肢にwin/winning/winnings/winnerがあれば、名詞winner(勝者)が入る。)
コツ2. Part6 文章挿入問題頻出フレーズ
TOEIC Part6(文章挿入問題)には、空白にもっとも適した文を入れる「文章挿入問題」が出題される。
文章挿入問題は文の読み込みが必要なので、時間配分のためには飛ばしても良い。ただし、文末に空白のある文章挿入問題は、定型文が正解になることがある。
よくあるフレーズ一覧を覚えておこう。
- We apologize for any inconvenience. (ご不便をおかけすることお詫び申し上げます)
- Again, I’m sorry for the inconvenience. (もう一度、ご不便をおかけすることお詫び申し上げます)
- Thank you for your cooperation. (あなたの協力に感謝します)
- Thanks for your understanding. (あなたのご理解に感謝します)
- If you have any questions, feel free to get in touch. (もし質問があれば、お気軽にご連絡ください)
- Should you have any questions, please do not hesitate to contact us. (もし質問があれば、遠慮なく我々に連絡してください)
コツ3. Part7は文章と設問の順番が概ね一致する
TOEIC Part7(長文読解問題)では、設問と本文の順番が概ね一致する。
例えば、設問が2つの文章なら、設問1は文章の上部、設問2は文章の下部にヒントがあることが多い。
TOEIC Part7を解く際は、文章を読む前に設問の数を把握する。ヒントの出る位置を予測した上で読み進めると、効率的に答えを発見できる。
これはダブルパッセージとトリプルパッセージも共通だ。ただし、ダブル&トリプルパッセージは複数の文章を参照する設問も出るため、注意が必要である。
4. まとめ
この記事では、TOEICリーディングセクションの勉強法を紹介した。スラッシュリーディング、不正解分析、時間配分の方法がお分かりいただけたと思う。
同時に、すぐにスコアを上げる3つのコツも説明した。本番直前の方はぜひとも試してみてほしい。
Good luck!