この記事には広告を含む場合があります。
記事内で紹介する商品を購入することで、当サイトに売り上げの一部が還元されることがあります。
英語にはeach(それぞれ)とevery(どの…もみな)という語がある。これらは意味が似ているので違いがわかりにくい。
英語を勉強しているあなたは、次の疑問を持っていないだろうか?
- eachとeveryの違いがわからない…
- eachとeveryの使い分けが難しい…
- eachとeveryのどちらを選べばいいかわからない…
そこでトイグルでは、eachとeveryの違いについて詳細を解説していきたい。学習の参考になるはずだ。
1. eachとeveryの違い: 個別と集まりで見分ける
eachとeveryの違いを知るには、例文を見るのが良い。次の2つの文を比較してみよう。
- (1) Each student has a textbook. (それぞれの学生は教科書を持っている)
- (2) Every student has a textbook. (どの学生も皆、教科書を持っている)
(1)はeachが使われている例である。eachは「それぞれ」の意味で、対象となる人・物を個別的に指す際に使われる。例文は、それぞれの学生に視点を合わせ、その一人ひとりが教科書を持っている、というニュアンスとなる。
(2)はeveryが使われている例である。everyは「どの…もみな」の意味で、全体の集合を意識した上で、人・物を個別に指すものである。例文は、複数人の学生全体に視点を合わせ、その一人ひとりが教科書を持っている、というニュアンスとなる。
eachとeveryの違いをまとめると、次のようになる。
- each:「それぞれ」の意味で、対象となる人・物を個別的に指す
- every:「どの…もみな」の意味で、全体を意識した上で、人・物を個別に指す
ところで、eachは2つ以上の人・物があることを示唆するが、everyは3つ以上の人・物が前提である。この違いは次の文によくあらわれている。
- (3) He is holding a dumbbell in each hand. (彼はそれぞれの手にダンベルを握っている)
一般的に、人には手が3つ以上ない。そのため、「2つ以上」のeachは可能だが、「3つ以上」を含意するeveryは不可なのである。
2. eachの使い方
each | |
---|---|
代名詞用法 | ◯ |
形容詞用法 | ◯ |
副詞用法 | ◯ |
eachは代名詞用法、形容詞用法、副詞用法の3つがある。以下、eachの使い方を見ていこう。
2-1. 代名詞用法
- (4) Each of the students must read one essay. (学生たちの一人ひとりは小論文を読まなくてはならない)
- (5) We love each other. (私たちは互いに愛し合っている)
eachは代名詞として使われる。(4)のEach of the studentsは「その学生たちの一人ひとり」の意味である。
(5)のようにeach other(互いに)の形で用いられることもある。each otherは動詞や前置詞の目的語ほか、each other’sで所有格になる。主語としては使われない。
2-2. 形容詞用法
- (6) We have to install the software on each computer. (私たちはそれぞれのコンピュータにそのソフトウェアをインストールしなくてはならない)
eachは形容詞として使われる。(6)のeach computerは「それぞれのコンピュータ」の意味である。
筆者注: 形容詞用法のeachは、通例、単数可算名詞の前だけに使われる。他の典型的な形容詞のように、be動詞の補語として使うことはできない。例えば、He is happy. (彼は幸せだ)と言えるが、He is each.は不可。
2-3. 副詞用法
- (7) Peel your apples into 8 slices each. (りんごを1個につき8枚に剥いてください)
- (8) The students are each making great progress. (学生たちはそれぞれ、よく上達している)
eachは副詞として使われる。(7)のeachは「1個につき(=それぞれ)」を表す。
(8)はeachが本来存在する主語の位置から移動して、be動詞の直後に置かれている例。Each of the students are…と解釈するとよい。
3. everyの使い方
every | |
---|---|
代名詞用法 | × |
形容詞用法 | ◯ |
副詞用法 | × |
everyは形容詞用法のみで使用される。これは代名詞用法、形容詞用法、副詞用法の3つの機能があったeachとは対照的である。以下、everyの使い方を見ていこう。
3-1.「どの〜も」
- (9) Every child is special. (どの子供も特別な存在です)
- (10) Every one of the buildings was destroyed. (建物はどれもみな破壊された)
(9)のように、everyはもっぱら「どの〜も」の意味で使われる。everyの直後には可算名詞の単数形が使われる。
(10)のevery one of Aは「Aはどれでもみな」の意味。Every building…と言うのに比べて、より個々を強調したニュアンスになる。
3-2.「〜ごとに」
- (11) We help 2 million people every year. (私たちは毎年二百万人を助けている)
- (12) The meals rotate every two days. (食事は2日おきに入れ替わる)
everyは時間や期間をあらわす名詞と共にもちいて、「〜ごとに」の意味で使われることがある。(11)のevery yearは「毎年(= 1年ごとに)」の意味。
(12)のevery two days(2日おきに)のような用法もしばしば見られる。これは「2日間」を1つの単位とみなしているからであり、「everyの後には単数の名詞が使われる」の原則と何ら相違はない。
3-3.「もっともな/全面的な/あらゆる」
- (13) Mary has every reason to be proud of her grandson. (メアリーは孫息子を誇りに思うもっともな理由がある)
- (14) I have every confidence in the production team. (私は生産チームに全面的な自信がある)
- (15) I looked for every opportunity to get involved in public service. (私は公共サービスに参画するあらゆる機会を探していた)
everyの後に抽象名詞を伴うことで、「もっともな/全面的な/あらゆる」といった意味で使われることがある。
(13)のevery reasonは「もっともな理由」、(14)のevery confidenceは「全面的な自信」、(15)のevery opportunityは「あらゆる機会」の意味で使われている。
3-4.「すべてが〜というわけではない」
- (16) Not every phone is perfect. (すべての電話機が完璧というわけではない)
- (17) We can’t answer every e-mail. (私たちはすべてのEメールに答えられるわけではない)
everyは否定語を伴うことで、「すべてが〜というわけではない」の意味で、部分否定を表すことがある。
(16)のNot every phone is…は「すべての電話機が…というわけではない」、(17)の…cannot answer every e-mail.は「すべてのEメールに答えられるわけではない」の意味。
4. まとめ
この記事では、eachとeveryについて詳細を解説してきた。
内容をまとめると次のようになる:
- eachは個別的のニュアンスがある
- everyは個別の集まりのニュアンスがある
- eachは2つ以上, everyは3つ以上の人・物に用いられる
- eachは代名詞用法, 形容詞用法, 副詞用法がある
- everyは形容詞用法のみで使われる
トイグルでは他にも、英文法に関する記事を執筆している。興味のある方はぜひご覧いただきたい。
Good luck!