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英語のwillは「…しよう」や「…だろう」の意味で使われる助動詞である。
英語を学習中のあなたは次のような疑問を持っていないだろうか?
- willとはそもそも何…?
- willの使い方がわからない…
- willの応用的な使い方を知りたい…
そこでトイグルでは、英語の助動詞willについて、詳細を解説していく。
この記事を読めばwillの使い方がわかる。正確な解釈ができるので、あなたの英語力が一歩向上するに違いない。ぜひ最後まで読んでほしい。
1. willの中心的な意味は「意志×習性×未来」
私たち学習者の多くは、助動詞willをいわゆる”未来時制”として学習する。
「willを含む文は未来のことをあらわす」とか、「未来のことを言いたければwillを使う」と覚えている方が多いだろう。
たしかに、willの典型的な用法は未来である。例えば、次の文は未来に関する客観的な状況を示している。
- (1) I will graduate next month. (私は来月卒業します)
また、次の文は話し手の意志をあらわす。こちらもやはり未来のwillである。
- (2) I will text you. (あなたにテキストメッセージを送ります)
しかし、次の文はどうだろうか?
- (3) Oil will float on water. (油は水に浮く)
この文で述べられているのは、「油は水に浮く」という一般的な真理である。「油は水に浮くだろう」といった”未来”の意味ではない。
このように、willは典型的には未来のことを示すことが多いが、一方、常に未来の意味とは限らない。仮に未来について述べるにしても、(1)と(2)に見たように、そのニュアンスは一様ではない。
そこでトイグルでは、willの用法を精緻に判断するため、用法を以下の3つに分けた。
こうした細かな用法を知れば、willを正確に話したり聞いたりできるに違いない。
2. 助動詞willの使い方
「1. willの中心的な意味は『意志×習性×未来』」で示したように、willには大きく意志、習性、単純未来の3つの用法がある。
トイグルでは、これらをさらに細かく分類して、willの用法を9つに分けた。
意志 | 意志、指示・依頼、固執・拒否 |
習性 | 現在の習慣、一般的な真理、潜在的能力 |
単純未来 | 単純未来、推量・予測、命令 |
以下、1つずつ説明していこう。
2-1. 意志
- (4) I‘ll call you tonight. (今晩電話します)
- (5) I won’t forget it. (忘れませんよ)
- (6) I’ll hit you if you do that again. (今度やったら叩きますよ)
- (7) We will begin today’s lesson by reviewing vocabulary. (今日のレッスンでは、まず語彙を見直します)
助動詞willは意志を示す際に使われる。
(4)は「(私が)…しよう」の意味で、1人称主語の意志を示している。(5)は否定文の例。
(6)のように相手の不利益になる行為では、<脅迫>のニュアンスになることがある。
(7)のように1人称の複数形を主語にすれば、「…しよう」の意味で<共同の意志>を示せる。
2-2. 指示・依頼
- (8) Will you do that again? (またやってくれるかな?)
- (9) Will you please tell me what happened? (何が起きたか教えて下さい)
- (10) Won’t you tell me what happened? (何が起きたか教えてくれませんか)
- (11) Will you have another cookie? (追加のクッキーはいかがですか)
- (12) Be quick, won’t you? (早くしてくださいね)
助動詞willは指示や依頼を示す際にも使われる。
(8)はWill you…?が指示の意味で用いられている例である。Will you…?は上司が部下に指示するような、命令的なニュアンスがある。
(9)はWill you…?が依頼の意味で用いられている例である。この意味ではしばしばpleaseを伴う。
(10)のWon’t you…?のように否定の疑問文にすると、相手が当然してくれることを期待したようなニュアンスになる。
(11)の指示というより勧誘と解釈すると良い場合もある。
(12)のwon’t you…?のように、付加疑問で使われることもある。
2-3. 固執・拒否
- (13) He will go swimming in dangerous waters. (彼は危険な水域に泳ぎに行くといって聞かない)
- (14) He won’t listen to me. (彼はどうしても私の言うことを聞こうとしない)
- (15) This window won’t open. (窓がどうしても開かないんだ)
(13: Meaning and the English Verb)
助動詞willは固執・拒否の意味でも使われる。
(13)は「どうしても…したがる」の意味で、willが固執をあらわす例である。
(14)のように否定文では、「どうしても…しない」の意味で拒否になる。
(15)のように物が主語で使われることがある。物が人のように意志を持っているかのように、擬人化して使われる用法である。
2-4. 現在の習慣
- (16) She’ll listen to music, alone in her room, for hours. (彼女は何時間も部屋で一人で音楽を聞いていることがある)
- (17) She will fall in love with the wrong people. (彼女は得てして間違った人と恋に落ちる)
- (18) Dogs will eat almost anything. (犬はほとんどなんでも食べる)
(16: OALD10, 17: Practical English Usage)
助動詞willは現在の習慣の意味でも使われる。
(16)は「…してばかりいる」の意味で現在の習慣をあらわす例である。主として3人称の主語に用いられる。
(17)のように、その習慣に対して非難のニュアンスを伴うこともある。
(18)のように動物が主語の場合、その習性をあらわす。
2-5. 一般的な真理
- (19) Accidents will happen. (事故は起こるものだ)
- (20) A drowning man will catch at a straw. (溺れる者は藁をもつかむ)
助動詞willは一般的な真理をあらわす際にも使われる。
(19)はwillが「…するものだ」の意味で、一般論を示している。(20)は有名なことわざである。
2-6. 潜在的能力
- (21) This hall will hold four thousand people. (このホールは4,000人を収容できる)
- (22) Those buildings won’t last very long. (そのような建物は長持ちしない)
助動詞willは潜在的能力をあらわすことがある。主として主語は無生物で、その物の能力や包容力などをあらわす。
(21)は潜在的能力のwillが肯定文、(22)は否定文で使われている例である。
2-7. 単純未来
- (23) I will be 37 years old next year. (私は来年37歳になる)
- (24) They will be here in a moment. (彼らは間もなくここに来ます)
- (25) Will you be at home tonight? (今夜ご在宅ですか)
助動詞willは単純未来をあらわす。いわゆる「未来時制」と呼ばれるwillである。
単純未来のwillには2つの用法がある。
1つは(23)のように、時間の経過と共に不可避的に発生する事柄である。来年、一定の年齢になることは、それ事態が外れることはない。
もう1つは(24)のように、話し手の判断を含む未来の事柄である。彼らが間もなくここに来るという予想は、万が一、外れることもある。
(25)のように疑問文で使えば、相手の予定を尋ねることになる。
2-8. 推量・予測
- (26) Ring his home number. He’ll be at home now. (彼の家に電話しなさい. もう家にいるだろう)
- (27) I think they will probably just ignore it. (彼らはおそらく無視したんだと思う)
- (28) Tony won’t be at home now. (トニーはきっと今家にいないだろう)
- (29) It will be snowing in Sendai now. (仙台ではいま雪が降っているだろう)
- (30) They will have left yesterday. (彼らは昨日出発しただろう)
(26: 実例英文法)
助動詞willは推量や予測をあらわす際にも使われる。
(26)は「きっと…だろう」の意味で推量をあらわすwillである。
この用法では、(27)のように、I think(私は…と思う)やprobably(おそらく)のような、確信度を弱める表現が使われる。
(28)は推量のwillが否定文で使われている例である。
推量のwillは(29)のような進行形、(30)のような完了形でも使用できる。
2-9. 命令
- (31) You will do whatever you are told. (言われたことは何でもしなさい)
- (32) All the staff will attend the meeting. (すべてのスタッフは会議に出席するように)
助動詞のwillは命令をあらわすこともある。
(31)のように2人称を主語にすれば、「あなたは…することになる(必ずせよ)」のような強いニュアンスで命令する解釈になる。意味はmustよりも強い。
(32)のように3人称が主語の場合もある。掲示やアナウンスでも用いられる。
willとbe going toの違い!使い方のポイントは予測や意図を理解すること
参考: 助動詞willの肯定・否定・疑問
肯定 | 否定 | 疑問 |
---|---|---|
I will | I will not | Will I…? |
you will | you will not | Will you…? |
he will | he will not | Will he…? |
she will | she will not | Will she…? |
they will | they will not | Will they…? |
we will | we will not | Will we…? |
you will | you will not | Will you…? |
they will | they will not | Will they…? |
willは短縮形でも用いられる。肯定の場合I willがI’ll、you willがyou’llと短縮されることもある。
否定の短縮形はwon’tとなる点に注意したい。
まとめ: willを正確に使う
この記事では、英語のwillについて詳細を解説してきた。
内容をまとめると次のようになる:
- willの中心的な意味は「意志×習性×未来」
- 意志のwillは話し手や第三者の意志をあらわす
- 主に疑問文で指示・依頼をあらわすことがある
- willは現在の習慣をあらわすことがある
- 単純未来のwillには2つのニュアンスがある
トイグルでは他にも、英文法に関する記事を執筆している。興味のある方はぜひご覧いただきたい。
Good luck!