英語の使役動詞とは?一覧と使い方をわかりやすく説明

英語の使役動詞

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英語の使役動詞とは、「…に〜させる」の意味を持つ動詞である。代表的な使役動詞にmake、let、haveがある。

使役動詞は英文法の中でも難易度の高いものとして知られている。英語を学習中のあなたはこんな悩みを持っていないだろうか?

  • 使役動詞とはそもそも何…?
  • 使役動詞の使い方がわからない…
  • 使役動詞が出ると文が読めなくなる…

そこでトイグルでは、英語の使役動詞について詳細を解説していきたい。学習の参考になるはずだ。

*英語の使役動詞一覧と覚え方

使役動詞

本記事で扱う使役動詞はmake、let、have、get、helpの5つである。どれも「誰かに何かをさせる」の意味で共通しているが、ニュアンスが異なる。

使役動詞について理解するには、実際の例を用いるのがよい。makeを用いた例文を見てみよう。

  • (1) I made her cook pasta. (私は彼女にパスタを調理させた)

(1)のmakeは「作る」が中心的な意味だが、ここでは「彼女がパスタを調理する」という出来事がその対象である。ここから「私は彼女にパスタを調理させた」の意味になる。

このように「誰かに何かをさせる」の意味を持つ動詞を使役動詞と呼ぶ。使役動詞は次のような文構造を取る。

主語+使役動詞+[目的語+原形不定詞/to不定詞等…]

例文の文構造を表すと、次のようになる。

  • (1′) I made [her cook pasta].

使役動詞といってもmakeの中心的な意味は変わらない。この文は[her cook pasta]という状況を「作った」と解釈すればよい。

以下、使役動詞ごとの詳しい用法を見ていこう。

長文で使役動詞を読むポイント
TOEIC等の資格で使役動詞が長文に出現することがある。読解のポイントは「主語+使役動詞+[目的語+原形不定詞]」の構造を見抜くことで、主語が[目的語が原形不定詞する]という状況をさせると解釈しよう。

原形不定詞とは?
原形不定詞とは動詞の前にtoがつかず、動詞の原形のまま使われる形を言う。学習上は取り急ぎ「動詞の原形」と認識しておけばよい。

注1: 厳密な意味で使役動詞と呼べるのはmake、let、haveだけだが、本記事では使役的な意味で使えるgetおよびhelpも使役動詞に含める。

注2: 厳密な意味で使役構文と呼べるのは「主語+使役動詞+[目的語+原形不定詞…]」だけだが、本記事では原形不定詞の代わりにto不定詞、現在分詞、過去分詞を取るものも使役動詞に含める。

1. 使役動詞make

makeはもともと「作る」の意味をもつ動詞である。makeが使役動詞として使われる場合、たとえ相手の抵抗があってもその状況を作り出すことから、「強制的に〜させる」の意味で解釈される。

1-1. make+目的語+原形不定詞

  • (2) My mother made me clean my room. (母は私に部屋を掃除させた)
  • (3) I was made to clean my room by my mother. (私は母に部屋を掃除させられた)

(2)は「母は私に部屋を掃除させた」の意味。母親が子供に掃除をさせる場面は、往々にして強制力がはたらく。子供は掃除をしたくないと抵抗することもあるだろう。そうした状況を表現するには使役動詞makeが最適である。

(3)は使役動詞makeを受動態で用いた場合である。受動態の場合、原形不定詞を義務的にto不定詞に置き換える点に注意したい(I was made clean…は不可。)

1-2. make+目的語+過去分詞

  • (4) I will make my voice heard. (私は声を聞こえるようにします)

使役動詞は原形不定詞の代わりに過去分詞を取れる。過去分詞は「〜される」で受け身の意味を表す。

(4)は「私の声がよく聞かれる状況を作る」から、「私は声を聞こえるようにします」と解釈される。声は周囲の人々によって聞かれるものなので、過去分詞heardがよい(人々が声を聞く⇔声は人々に聞かれる。)

使役動詞makeの使用場面
前述のように使役動詞makeは強制力を持つ場面に使う。逆に言えば、強制が必要でない場面(例: 自然に何かが起こる、説得や指示などで状況が生まれる…)ではmake以外の使役動詞が好まれる。

2. 使役動詞let

使役動詞letは相手が希望したり、特段の労力なしに自然に起こる状況をつくる際に使われる。ここから、letは「自由に〜させる」の意味で解釈される。

2-1. let+目的語+原形不定詞

  • (5) Let me know in the comments section. (コメント欄で教えて下さい)
  • (6) Let’s get started. (はじめましょう)

(5)は使役動詞letの典型的な用法の例である。相手が私に何かを知らせるということは、強制せずとも自然に起こる(と期待される)ものである。

(6)はletが「一緒に〜しよう」と勧誘する際に使われる例である。Let’sはLet usの略。一緒に何かをすることは、強制や説得なしに起こる事象と考えられる。

使役動詞letの受動態
通例、使役動詞letは受動態で使われない。この意味の受動態を作りたい場合、be allowed toやbe permitted toなどの別の表現を用いる。

3. 使役動詞have

haveはもともと「…を持つ」の意味を持つ動詞である。haveが使役動詞として使われる場合、相手の抵抗のないことを当然させることから、「当然〜させる」の解釈になる。

3-1. have+目的語+原形不定詞

  • (7) I’ll have my secretary email you. (秘書にメールさせます)
  • (8) You need to have that happen 1000 times. (あなたはそれを1,000回起こす必要がある)

(7)は使役動詞haveの典型的な例である。秘書にメールをさせることは業務の範囲内であり、秘書の抵抗があることは考えられない。やるよう求めれば当然行われるので、使役動詞haveが最適だろう。

(8)のように使役のニュアンスが薄れることによって、経験の意味になることがある。例文は聞き手がそのことを1,000回起こす経験をするよう求めている。

3-2. have+目的語+現在分詞

  • (9) My parents had me playing the violin. (両親が私にバイオリンを演奏させた)
  • (10) I had friends visiting this weekend. (週末に友人が訪れた)

使役動詞haveは原形不定詞の代わりに現在分詞を用いることがある。

(9)は両親が私に「演奏している」という状態を持たせたと解釈される。

(10)のように使役のニュアンスが薄れて、経験の意味になることがある。例文は友人が訪れる経験をしたこと。

3-3. have+目的語+過去分詞

  • (11) I had my smartphone repaired. (スマートフォンを修理してもらった)
  • (12) I had my wallet stolen. (財布を盗まれた)
  • (13) I generally have my work done by lunch. (普段は昼までに仕事を終える)

使役動詞haveは原形不定詞の代わりに過去分詞を用いることがある。

(11)は話し手がスマートフォンを修理してもらったことを示す。スマートフォンは修理されるものなので、受け身の意味の過去分詞が適切だろう。

(12)は話し手が財布を盗まれたことを示す。使役のニュアンスが薄れて、経験の意味で用いられている。

(13)は話し手が通常、昼までに仕事を終えることを示している。こちらは使役のニュアンスが薄れ、完了の意味で使われている。

参考: 使役動詞haveの意味まとめ

使役経験完了
have+目的語+原形不定詞×
have+目的語+現在分詞×
have+目的語+過去分詞

haveは使役・経験・完了と様々な意味があるが、いずれも「…を持つ」の共通したニュアンスで変わらない。

その出来事を「もたせる」の意味が強ければ使役、持った結果を強調するなら経験、持った完了地点に焦点を置くなら完了ということである。

4. 使役動詞get

getはもともと「手に入れる」の意味を持つ動詞である。getが使役動詞として使われる場合、説得などの苦労をすることで、その状況を手にすることを意味する。ここから使役動詞getは「〜してもらう」と解釈される。

4-1. get+目的語+to不定詞

  • (14) I got her to help me with my homework. (私は彼女に宿題を手伝ってもらった)

(14)は使役動詞getの典型的な用法。宿題を手伝ってもらうには、通常、説得やお願いが必要である。こうした働きかけによって得た状況なので、使役動詞getが最適。

尚、使役動詞getは目的語の後ろにto不定詞を伴う(原形不定詞は用いない。)

4-2. get+目的語+現在分詞

  • (15) You can get that computer working again. (あのコンピュータを再度動かせるようにできますよ)

使役動詞getはto不定詞の代わりに現在分詞を用いることもできる。(15)はコンピュータが再度動いている(working)ようにするの意味。

4-3. get+目的語+過去分詞

  • (16) I just got my hair cut yesterday. (私は昨日髪を切ってもらった)

使役動詞getはto不定詞の代わりに過去分詞を用いることもできる。(16)では、髪の毛は切られるものなので過去分詞がよい。

「髪を切った」を英語で言う方法
「髪を切った」をcut my hairと言うと「自分で自分の髪を切った」のニュアンスになる。「髪を切ってもらった」の意味ならget my hair cutのほうが自然。

5. 使役動詞help

helpはもともと「手助けする」の意味を持つ動詞である。使役動詞helpも同様に「手助けして〜させる」の意味がある。

5-1. help+目的語+原形不定詞/to不定詞

  • (17) He helped me carry the boxes. (彼は箱の運搬を手伝ってくれた)
  • (18) He helped me to carry the boxes. (彼は箱の運搬を手伝ってくれた)

例文はどちらも「彼が(私が)箱を運搬することを手伝ってくれた」の意味。

使役動詞helpは原形不定詞を取る場合(17)とto不定詞を取る場合(18)の両方がある。原形不定詞は直接的な関与、to不定詞は間接的な関与と言われることもあるが、実際はその区別なく使われることが多い。

尚、使役動詞helpは文脈的に自明な目的語を省略することもある。次の例文は一見すると動詞が2つ続くように見えるので注意。

  • (19) Walking helps relieve stress. (ウォーキングはストレスの軽減に役立つ)

その他の使役動詞
以上に紹介したもの以外にも、cause、force、persuadeなどが使役動詞として使われることがある。

まとめ: 使役動詞をマスターしよう

この記事では、英語の使役動詞について詳細を解説してきた。

内容をまとめると次のようになる:

  1. 使役動詞は「誰かに何かをさせる」をあらわす
  2. 使役動詞にはmake, let, have, get, helpなどがある
  3. 主語+使役動詞+[目的語+原形不定詞…]の形を取る
  4. それぞれの使役動詞は意味に違いがある
  5. 原形不定詞の代わりにto不定詞や分詞を使うことがある

トイグルでは他にも、英文法に関する記事を執筆している。興味のある方はぜひご覧いただきたい。

Good luck!

5 COMMENTS

津田智恵子

英語を話せるようになれば良いな…と数年前から 英語を勉強している もう 60歳手前の 主婦です。
テキストだけではわかりにくかった 使役動詞と知覚動詞 でしたが わかりやすく解説されてて
とても助けになりました!
ありがとうございます!

田邉竜彦

コメントありがとうございます。
お役に立てたようで光栄です。

英子

質問です。

(使役動詞の一覧と覚え方) の表の、〇✖の欄の一部に、不可解なところがあるのですが。
 haveの欄、
 原形不定詞は〇、to不定詞はX、現在分詞は〇 ではないでしょうか?

田邉竜彦

ご指摘のとおり、図に誤りがありました。
ただいま修正いたしました。

申し訳ありません。

英子

安心しました。
get の to不定詞も 訂正されていて、良かったです。

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