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TOEIC Part5は短文内の空白に、文法・意味的に最も適した語句を入れるリーディング問題である。
中でも、each, some, any, a few等の用法について問われるのが数量詞問題だ。
当エントリーでは、Part5 数量詞問題に特化し対策を解説していきたい。
*目次
1. 数量詞問題の解き方
まずは、数量詞問題を解く5つのステップを紹介しよう。
使用する例題はこちら。
This apartment does not allow _____ pets except guide dogs.
- (A) much
- (B) many
- (C) some
- (D) any
(トイグルオリジナル問題)
ステップ1: 4つの選択肢を1〜2秒程度で把握
はじめに、4つの選択肢を1〜2秒程度で眺める。
- (A) much
- (B) many
- (C) some
- (D) any
選択肢には異なる4つの語句が並んでいることから、語彙問題であると判断できる。
より詳細に見れば、4つの選択肢は数量詞と呼ばれる語句である。そこから、数量詞問題と言うこともできる。
ステップ2: 設問文を読む
次に、空白を含む設問文全体を読む。
この時、文中の語句を意味のまとまりで分け、それを英語の語順のまま頭から理解すると良い。
先の例文は次のように解釈できる。
- This apartment / does not allow / _____ pets / except / guide dogs.
- 「このアパートは、許可しない、◯◯なペットを、〜を除いて、盲導犬」
空白は名詞の直前にあることがわかった。
ステップ3: 明らかに不正解な選択肢を除外する
この時点で、明らかに不正解と思われる選択肢を除外する。
空白と対応する名詞pets(ペット)は、数えられる名詞の複数形である。ここから、数えられない名詞と共に使う(A)muchは除外できる。
(A) much- (B) many
- (C) some
- (D) any
3つの選択肢が残った。
ステップ4: 文法的に入りうる選択肢を選ぶ
Part5は文法と意味の両面からアプローチする。まずは、文法的に使用可能な選択肢を選ぶ。
3つの選択肢のうち、(C)someは否定形の文と相性が悪い。いったん正解候補から外してしまおう。
(A) much- (B) many
(C) some- (D) any
2つの選択肢が残った。
ステップ5: 意味で選択肢を絞り込む
最後に、意味から正解の選択肢を絞り込む。
- This apartment / does not allow / _____ pets / except / guide dogs.
- 「このアパートは、許可しない、◯◯なペットを、〜を除いて、盲導犬」
(A) much- (B) many→たくさんの
(C) some- (D) any→何も
(B)manyは文脈に合わない。
(D)anyは、否定の語句と共に「どの〜も」のようなニュアンスで使う。よって、(D)anyが正解だ。
「このアパートは、盲導犬を除いてペットを許可しない」の意味となる。
2. 数量詞一覧
TOEIC Part5の数量詞問題では、基本的な用法から、普段はあまり見かけない応用的な用法まで、幅広い知識が問われる。
以下、基本的な数量詞一覧を見てみよう。
- 数量詞とは、その語句が名詞の数・量を指定する用法。many studentsは「たくさんの学生」の意味。
- 代名詞とは、その語句自体が名詞句として使われる用法。many of the studentsは「その学生たちのたくさん(の人)」の意味。
3. 数量詞問題 出題パターン一覧
先に紹介した『2. 数量詞一覧』の表を使い、TOEIC Part5での出題パターンを紹介していこう。
18の数量詞すべて取り上げるため、辞書のようなイメージで、必要な箇所から読んでいただきたい。
3-1. all
allは「すべて」を意味する。
Part5では、「the+名詞」の直前にallを入れる用法が問われやすい。
- Thank you so much for all the work that you did. (あなたが行ったすべての仕事に大変感謝します)
通常、名詞を修飾する語句はtheと名詞の間に使用される。しかし、allはtheの前に使われる点に注意しよう。
3-2. every
everyは「どの…も皆」を意味する。
3つ以上のモノに1つずつ焦点を当て、結果そのすべてに言及するイメージだ。
everyは単数形の名詞と共に使われる。
- I dog-eared almost every page. (私は、ほとんどのページの隅を折った)
Part5では、複数形の数詞と共に使われるeveryが問われることがある。
- every four days (4日ごとに)
この用法では、four days(4日間)を1つのカタマリと捉え、それをeveryで区分していると考えられる。
3-3. each
eachは「それぞれ」を意味する。
2つ以上のモノについて、個別的に言及するイメージだ。
eachは単数形の名詞と共に使われる。
- Each book is… (それぞれの本は…)
Part5では、単数形の名詞の前に空白があり、選択肢にeach, all, someなどの語句が並ぶ設問が頻出する。
名詞が単数形ならeveryやeach、複数形ならallやsomeの可能性を検討しよう。
3-4. both
bothは「両方」を意味する。
both単体を主語や目的語として使うこともできる。
- I took both. (私は両方を取った)
Part5ではboth A and B (AとBの両方)のように、接続詞として出題されることが多い。
- both football and baseball (サッカーと野球の両方)
3-5. half
halfは「半分」を意味する。
Part5ではあまり問われないが、念のためhalf ofの用法に注意しよう。
- half of the revenue (売上の半分)
3-6. some
someは漠然とした数量が「ある」ことを示す語句である。
例えば、テーブルの上に何かが「ある」ことは確かだが、その具体的なモノがわからない時、someのイメージがぴったりだ。
- There is something on the table. (そのテーブルの上に何かがある)
Part5では、some単体だけでなく、somebody、somethingなど、漠然としたヒト・モノ・コトを表す語句でも出題される。
以下、覚えておこう。
- 数量詞: I have some money. (私はいくらかのお金を持っている)
- 代名詞: We need more water. Could you get some? (もっと水が必要だ。いくらか(水を)持ってきてくれないか?)
- ヒト: There might be somebody who is available. (手があいている誰かがいるかもしれない)
- ヒト: Someone is knocking the door. (誰かがドアをノックしている)
- モノ: There is something on the table. (テーブルの上に何かがある)
- 場所: We need somewhere to keep the inventories. (我々はその在庫を保管するどこかが必要だ)
3-7. any
anyは漠然とした数量が「不確か」なことを示す語句である。
例えば、テーブルの上にモノがあるかどうかわからないため、それを尋ねる際にanyを使うことができる。
- Is there anything on the table? (そのテーブルの上に何かありますか?)
Part5では、any単体だけでなく、anyone、anythingなど、漠然としたヒト・モノ・コトを表す語句で出題される。
以下、覚えておこう。
- 数量詞: I haven’t had any lunch. (私たちは昼食を取っていない)
- 代名詞: I don’t know any of your friends. (私はあなたの友達を誰も知らない)
- ヒト: I don’t think anybody is going to join us. (私たちに合流する人がいるとは思わない)
- ヒト: Anyone can attend the meeting. (そのミーティングには誰でも出席できる)
- モノ: I don’t want pizza, but anything else is OK. (私はピザが欲しくない、しかし他なら何でもOK)
- 場所: We’re not going anywhere. (私たちはどこにも行かない)
3-8. either
eitherは「どちらか一方の」を意味する。
Part5ではeither A or B (AかBの一方)のように、接続詞として出題されることが多い。
- You can choose either beer or wine. (あなたはビールとワインのどちらかを選べます)
3-9. many/much
manyおよびmuchは「たくさんの」を意味する。
Part5では、名詞部分が空白になっており、manyとmuchの使い分けが問われることがある。
manyは数えられる名詞、muchは数えられない名詞と共に使う点を覚えておこう。
- many books (たくさんの本)
- much information (たくさんの情報)
manyとmuchはそれぞれ、ofを伴うことで代名詞としても使用できる。
- many of these books (これらの本のうちのたくさん(の本)は)
- much of the time (その時間のうちのたくさん(の時間)は)
また、「たくさんの」を表す他の表現にa lot ofがある。これは対応する名詞が数えられる・数えられないに関係なく使用できる。
- a lot of books (たくさんの本)
- a lot of information (たくさんの情報)
ofのないa lot単体は、代名詞として用いる。
- We ate a lot. (私たちはたくさん食べた)
Part5でa lot ofは超頻出だ。正解になることも多いので、絶対に覚えておこう。
尚、稀に難問として、muchやa lotが比較級を強める語句として問われることがある。
- much more difficult (よりいっそう難しい)
- a lot quicker (よりいっそう素早い)
3-10. more
moreは「より多い/大きい」を意味する。
moreは数えられる名詞・数えられない名詞のどちらにも使うことができる。
- more books (より多くの本)
- more money (より大きなお金)
Part5では、moreは比較級問題で頻出する。この場合、moreは形容詞・副詞を修飾する。
- It is more expensive than I have expected. (それは私が期待していたより高額だ)
3-11. most
mostは「ほとんどの」や「大部分」を意味する。
mostは数えられる名詞・数えられない名詞のどちらにも使うことができる。
- most houses (ほとんどの家)
- most information (ほとんどの情報)
mostは代名詞として用いることができる。
- most of the houses (その家の大部分)
- most of the information (その情報の大部分)
Part5では、mostを使った熟語が出題されることがある。
- make the most of an opportunity (機会を最大限に活用する)
mostは比較級問題で頻出する。この場合、mostは最上級として、「最多の/最高の」の意味で形容詞・副詞を修飾する。
- This is the most expensive diamond in the world. (これは世界でもっとも高額なダイアモンドだ)
3-12. enough
enoughは「十分な」を意味する。
enoughは数えられる名詞・数えられない名詞のどちらにも使うことができる。
- enough books (十分な(数の)本)
- enough information (十分な(量の)情報)
enoughは代名詞として用いることができる。
- Although Ken says efforts are being made, he is not doing enough. (ケンは努力は行われていると言うが、彼は十分にそれをやっていない)
enoughは副詞として、形容詞の直後に使用することができる。
- I am old enough to work. (私は働くには十分年を取っている)
3-13. few/little
fewとlittleは「ほとんど〜ない」を意味する。
Part5では、名詞部分が空白になっており、fewとlittleの使い分けが問われることがある。
fewは数えられる名詞、littleは数えられない名詞と共に使う点を覚えておこう。
- Few people know the truth. (その真実を知っている人はほとんどいない)
- I have little money. (私はお金をほとんど持っていない)
また、few/littleが単体で使われる問題も出題される。
fewは数えられる名詞の複数扱いである。よって、空白直後の動詞に三人称単数の-sがつかない。
- Few work more than 16 hours a day. (1日16時間働く人はわずかである)
一方、littleは数えられない名詞扱いである。よって、空白直後の動詞に三人称単数の-sがつく。
- Little has been known in the field. (その分野で知られていることはわずかである)
few/littleの直後がbe動詞なら、それぞれに対応する形を取る。
- Few are/were
- Little is/was
3-14. a few/a little
a fewとa littleは「少し〜ある」を意味する。
Part5では、名詞部分が空白になっており、a fewとa littleの使い分けが問われることがある。
原則的に、a fewは数えられる名詞、a littleは数えられない名詞と共に使う点を覚えておこう。
- The meeting will begin in a few minutes. (ミーティングは数分以内に始まる)
- I took a little nap. (私は多少の仮眠を取った)
さて、『3-13. few/little』でも見たように、few/littleはaの有無によってニュアンスが変わる。
その違いを、water(水)を例にとって考えてみよう。
今ここに、3割くらい水が入ったコップがあるとする。その3割入った水の部分に注目し「3割も残っている」がa little、空になった7割の部分に注目し「7割も減った」がlittleの感覚である。
このように、a littleは肯定的なニュアンスで「少し〜ある」、littleは否定的なニュアンスで「ほとんど〜ない」の解釈となる。
言い換えれば、a little/littleの違いは、同じ対象物を異なる視点で見ているから生じると考えられる。
3-15. several
severalは「いくつかの」を意味する。
TOEIC初級者の方であれば、数量詞として名詞の前に使う用法を覚えることが多い。
- Several boxes are filled with books. (いくつかの箱が本でいっぱいだ)
一方、Part5ではseveralを代名詞として使う用法が、時折出題される。
- Several are well-known actors. (数人はよく知られた俳優です)
- Several of the members will receive the award. (メンバーのうちの数人が賞を受賞するでしょう)
3-16. one
oneは「1つのヒト・モノ」を意味する。
oneはone, two, threeと数字を表す際に使われるが、Part5では代名詞としての用法が問われる。
特に、one, another, other, othersなどの違いはわかりづらい。表を使って感覚的に覚えよう。
3-17. no/none
no/noneは「少しの〜もない」を意味する。
noは通常、名詞と共に使う。
- I have no friends. (私には友達がいない)
Part5では、no単体だけでなく、no one、nodobyなど、漠然としたヒト・モノ・コトを表す語句で出題される。
- ヒト: There is nobody in the gym. (ジムには誰もいない)
- ヒト: There is no one in the gym. (ジムには誰もいない)
- モノ: There is nothing in the room. (部屋の中にはなにもない)
no one, nobody, nothingは単数扱いとなる。よって、現在形なら動詞に三単現の-sをつける。
- No one wears a shirt and tie. (シャツとネクタイを着用している人はいない)
noneはそれ単体を代名詞として使う。
- None of my colleagues will attend the seminar. (私の同僚でそのセミナーに参加する人はいない)
noは名詞と共に使い、noneは代名詞として使う点を覚えておこう。
3-18. neither
neitherは「どちらも〜ない」を意味する。
Part5ではneither A nor B (AでもBでもない)のように、接続詞として出題されることが多い。
- The suggestion is neither practical nor possible. (その提案は実用的でも可能でもない)
4. まとめ
当エントリーでは、Part5数量詞問題の対策を解説してきた。
数量詞、あるいはその関連語句の種類は多い。しかし、Part5だけでなく他のパートでも頻出する語彙ばかりなので、確実に理解しておこう。
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