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英語では、「be to + 不定詞」の形で、未来について述べる用法がある。
例えば、We are to be married soon.(私たちはもうすぐ結婚します)では、are to… の箇所が「…することになる」の意味で、未来をあらわしている。
この用法は英語で時折使用されるが、他の未来の表現に比べればマイナーなせいか、参考書で取り上げられることが少ない。英語を勉強しているあなたは、次のような疑問を持っていないだろうか?
- be to をどのように使えばいいかわからない…
- be to と他の未来との表現の違いは何…?
- be to が出たらどのように訳せばいいのだろうか…
そこでこの記事では、英語の be to について、詳細を解説していく。本記事を読めば、ライバルと差をつけ、一歩上の英語力を身につけられるに違いない。ぜひ最後まで読んでほしい
be to は実際の英語使用場面はもちろん、TOEIC® Listening and Reading Test でも時折、出題される。本記事は試験を受験予定の方にもぜひ読んでほしい。
1. be to は取り決められた未来をあらわす
英語で未来について述べる方法は様々あるが、be to はもっぱら、<取り決められた未来> をあらわす。
取り決められた未来とは、
- 未来に起こるとされている出来事が、主として第三者により立てられた
- 未来に起こるとされている出来事が、既に計画・手配されている
の2点に特徴づけられる。
このことを理解するため、次の3つの似た英文を比較してみよう。
- (1) The Minister is to meet union officials tomorrow.
- (2) The Minister is meeting union officials tomorrow.
- (3) The Minister meets union officials tomorrow.
(大臣は明日、組合幹部と会見する予定です)
出典: Meaning and the English Verb 2nd
(1)は be to(is to meet)を用いて未来のことをあらわしている。be to を用いた未来は <取り決められた未来> の意味がある。この会見は既に手配済みであり、かつ大臣そのものが設定したのではなく、官僚など、他の誰かが準備したと示唆される。
(2)は現在進行形(is meeting)を用いて未来のことをあらわしている。現在進行形を用いた未来は <確定的な未来の予定> の意味がある。会見は前もって計画され、それがほぼ確実に起こると思われる。
(3)は単純現在形(meets)を用いて未来のことをあらわしている。単純現在形を用いた未来は <変更がないと思われる確実な予定> の意味がある。会見はほぼ間違いなく、実施されるだろう。
このように、be to は <取り決められた未来> の性質を持つことから、新聞やニュース記事など、かたい文体で用いられる。
be to は「擬似的法助動詞」と呼ばれることもある。「be + to」と別々に捉えるのではなく、「be to」を一種のイディオムとして見るとよい。
2. be to の使い方
be toは <取り決められた未来> の意味を中心として、以下の5つの用法を持つ。
予定 | …することになっている |
命令 | …すべきである |
運命 | …する運命である |
不可能 | …できない |
目的・意図 | …のために |
1つずつ見ていこう。
2.1. 予定
- (4) The Prime Minister is to visit Ireland next week.
(首相は来週、アイルランドを訪問する予定です) - (5) The new play is to be staged at the Century Theatre next week.
(この新作は来週、センチュリーシアターで上演される予定です) - (6) The hotel is not to be opened until next year.
(そのホテルは来年まで開業されない予定です) - (7) I was to leave London at 2:15 p.m.
(私は午後2時15分にロンドンを出発する予定でした) - (8) Bill was to have left Vancouver last week.
(ビルは先週、バンクーバーを出発する予定でした)
5: Meaning and the English Verb 3rd
be toは「…することになっている」の意味で、<予定> をあらわす。
(4)は be to do の形で、将来の予定について述べている。(5)は be to be done の形で、to以下が受身形になっている。
(6)の be not to do のように、否定で用いることもできる。この場合、予定が中止または延期された含みもある。
(7)の was/were to do のように、過去時制の場合、その過去の時点からみた将来の予定をあらわす。
(8)の was/were to have done のように、完了不定詞をとる場合、通例、実現しなかった予定をあらわす。
He is to be arriving here around 5.(彼は5時頃こちらに到着する予定です)のように to be に進行相だ続く場合、<予定> 以外の解釈にはならない。
2.2. 命令
- (9) You are to do your homework before you watch TV.
(テレビを見る前に宿題をしなさい) - (10) No one is to leave this building without the permission of the police.
(警察の許可なしに建物を出ることはできません) - (11) Violence in all forms is to be avoided.
(あらゆる形式の暴力を避けるべきです)
9: Practical English Usage 4th
be to は「…すべきである」、あるいは「…しなければならない」の意味で、<命令> をあらわすことがある。
(9)は be to do の形で、相手に命令している。親が子供に宿題をするよう言っているような場面であろうか。
(10)の be not to do のように否定文で使えば、相手への禁止をあらわす。
(11)の be to be done のように受動不定詞を用いる場合、「…されるべきである」のような価値判断を示す。
2.3. 運命
- (12) She was to become the wife of a prominent attorney.
(彼女は著名な弁護士の妻になる運命だった) - (13) Louis and Eleanor were never to meet again.
(ルイスとエレノアは二度と会えない運命であった)
12: Modern English
be to は「…する運命である」の意味で、<運命> をあらわすことがある。
(12)は be to do、(13)は be never to do の形で使われている。
神または運命によって、一方的に決められた予定と考えればわかりやすい。
2.4. 不可能
- (14) Not a person was to be seen in the streets.
(街には人っ子一人いない) - (15) Margaret was nowhere to be found.
(マーガレットはどこにも見つからなかった)
be to は「…できない」の意味で、<不可能> をあらわすことがある。
(14)は be not to be done、(15)は be nowhere to be done の形で用いられている。
<不可能> の用法は、通例、否定文で使われる。また、受動不定詞が多い。
2.5. 目的・意図
- (16) If we are to win the competition, we must start training now.
(試合に勝ちたいと思うおなら、今から練習を始めなくてはならない) - (17) Were we to offer you more money, would you stay?
(もし我々がもっとお金を出すとしたら、ここに残りますか)
16:Meaning and the English Verb 2nd
17: オックスフォード現代英英辞典 第10版
be to はif節内で用いられる場合、<目的> あるいは <意図> をあらわす。
(16)の If we are to win the competition は、In order to win the competition(試合に勝つためには)の読みなら <目的>、If we are going to win the competition(もし試合に勝ちたいのであれば)の読みなら <意図> になる。
(17)のように、if節を省略し、wereと倒置させた場合も、同様の読みになる。
3. be to と他の類似表現の違い
be toと他の類似表現の違いについて述べていきたい。
3.1. 予定をあらわすbe toとto不定詞の名詞用法の違い
- (18) The committee is to find a solution.
(委員会は解決策を見つける予定です) - (19) The problem is to find a solution.
(問題は解決策を見つけることです)
出典: A Comprehensive Grammar of the English Language
予定をあらわす be to と、to不定詞の名詞用法は見た目が似ているが、異なるものとして区別しなければならない。
(18)は予定をあらわす be to の例である。委員会は解決策を見つける予定と述べている。
一方、(19)は to find a solution が名詞用法として、be動詞の補語の役割を果たしている。
違いがわかりにくければ、toの前にhowを挿入してみよう。The problem is how to find a solution. と言えても、The committee is how to find a solution. とは言えないことがわかる。
3.2. be to と be going to の違い
- (20) I’m to play tennis.
(テニスをするつもりです) - (21) I’m going to play tennis.
(テニスをするつもりです)
be to は、人間がコントロール可能な出来事をあらわす場合、be going to を省略した形として使われる。(20)の be to は、(21)の be going to の going を省略したものと考えて良い。
一方、人間がコントロールできない出来事の場合、be going to の省略としての be to は使用できない。例えば、I’m going to fait.(私は気を失いそうだ)と言うことはできるが、I’m to be faint. は不可と判断される。「気を失う」は、人間がコントロールできないからである。
3.3. be to と can の共通性
- (22) Nowadays no such concentrations of geese are to be found on Rockliffe Marsh.
(現在、ロックリフ・マーシュにこれほど多くのガチョウが集まることはない) - (23) Nowadays no such concentrations of geese can be found on Rockliffe Marsh.
(現在、ロックリフ・マーシュにこれほど多くのガチョウが集まることはない)
出典: Meaning and the English Verb 3rd
Leechによれば、be to が can などの法助動詞と、おおよそ似た意味にて、置き換えできることがあるという。
例えば、(22)の be to は(23)の can で言い換えられるという点において、ほぼ同義である。
Leechは他にも、What is to be done then? We must find some solution. において、is to be doneをshould be doneまたはhas to be doneに置き換えられるとしている。
4. be to に関する発展的な知識
be to に関して、さらに発展的な用法を見ていこう。
4.1. be yet/still to do
- (24) The best is yet to come.
(まだ最善の状態に達していません) - (25) Much work is still to be done.
(まだやるべきことはたくさんあります)
<予定> をあらわす be to は、yet や still と共に用いることで、「まだ…していない」の意味になる。
(24)と(25)はいずれも肯定文だが、否定の意味で解釈される点に注意しよう。
この用法の yet や still はTOEIC® Listening and Reading Test で問われることがある。受験予定の方はぜひ覚えておきたい。
4.2. 未来を表す副詞は必須ではない
- (26) All school-leavers are to have the chance to attend a university.
(すべての卒業予定者は大学に通うチャンスを得ることになるでしょう)
出典: Meaning and the English Verb 3rd
他の未来をあらわす表現と異なり、be to を用いる場合、未来をあらわす副詞語句は必須ではない。
4.3. 説明書等では「主語+be動詞」が省略されることがある
- (27) This cover is not to be removed.
(このカバーは開けないこと) - (28) To be taken three times a day after meals.
(1日3回食前に服用すること)
出典: Practical English Usage 4th
<命令> の意味を持つ be to do は、説明書などで用いられることが多い。説明書は行為をする主体が不明なので、通例、be to be done(受動不定詞)が用いられる。
(28)のように「主語+be動詞」が省略されることがある。省略があっても意味が通るのは、この表示が説明書等に貼られており、状況から主語が推測できるからである。
4.4. 新聞の見出しではbe動詞が省略されることがある
- (29) President Biden to visit Boston in September
(バイデン大統領が9月にボストンを訪問)
出典: CBS News
be to doが <予定> の意味で使われる際、新聞の見出し等では、be動詞が省略されることがある。
(29)は海外のニュースサイトで実際に使われた見出しだが、be動詞が省略されている。
4.5. to let や to blame
- (30) The house is to let.
(この家は賃貸です) - (31) He is to blame.
(彼が悪いんです)
出典: 英語動詞の言語学的研究
be to doにおいて、let(…を賃貸する)やblame(責めを負うべきである)が動詞の場合、形は能動態であっても、受動的な意味を持つ。
(30)は「…は貸し出されている」、(31)は「…が責任を負っている」の意味である。
尚、受動の意味になるのは、もっぱらこれら2つの動詞に限られている。したがって、The house is to paint. のように言うことはできない。
5. まとめ
この記事では、英語の be to について詳細を解説してきた。
内容をまとめると次のようになる:
- be to は取り決められた未来をあらわす
- 予定, 命令, 運命, 不可能, 目的などの解釈がある
- 未来をあらわす副詞語句は必須ではない
- 新聞やニュースなどかたい文体で好まれる
- 疑似法助動詞と呼ばれることがある
トイグルでは他にも、英文法に関する記事を執筆している。興味のある方はぜひご覧いただきたい。
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