フレーズ暗記に頼らない英語商談の進め方!4つの実例で全体像をつかみ不安を解消

はじめての英語の商談で「うまく伝えられるだろうか」「言葉が出てこずフリーズしてしまったらどうしよう」と不安に感じていませんか。

そういった悩みを抱える方の中には、商談でよく使われる英語フレーズを丸暗記したり、文法や言い回しを必死に確認したりする方もいるでしょう。

しかし、実際の商談では「今この場面で、どのフレーズを使えばいいのか分からない」「考えているうちに話題が進んでしまう」といったケースも少なくありません。

英語の商談で話せなくなってしまう大きな原因として、「今日の商談のゴールはどこなのか」「そのゴールに向かって、どのような流れで会話が進むのか」を理解しないまま臨んでしまうことが挙げられます。

この記事では、海外の大学院で経営学修士号(MBA)を取得し、アメリカ企業でのインターンシップを経験した筆者が、英語の商談で押さえておきたい基本的な流れを、実例を交えながらわかりやすく解説します。

最後まで読むと、「どの段階で何を伝えればいいのか」がはっきりと分かるようになり、英語の商談に対する不安がぐっと小さくなるはずです。

海外商談の基本的な流れ

海外商談の進め方には、厳密なルールはありませんが、多くの商談で共通して意識されている流れがあります。

この流れを知っておくことで、「どのタイミングで何を話せばいいのか」が分かり、英語での商談も進めやすくなります。

1. 雑談・空気づくり(Icebreaking)

商談ではいきなり本題に入るより、まずは軽い雑談から入ることが一般的です。

長い雑談やプライベートな話題は必要ありません。

話しやすい空気を作ることを意識しましょう。

\会話の例/

あなた
あなた

How are things going on your side today?

(今日はそちらの調子はいかがですか?)

取引先の相手
取引先の相手

I’m doing well, thank you. How about you?

(順調です、ありがとうございます。そちらはいかがですか?)

\音声を聞く/

2. 商談の目的を共有(Purpose)

雑談の後は、「今日は何の話をする場なのか」を早めに共有しましょう。

目的を最初に伝えておくことで、相手は話の全体像をつかみやすくなり、その後のやり取りもスムーズになります。

\会話の例/

あなた
あなた

Today, I’d like to talk about a possible partnership. We’re looking for a distributor in your region.

(本日は、パートナーシップの可能性についてお話ししたいと思います。御社の地域で代理店を探しています。)

取引先の相手
取引先の相手

That sounds interesting. Could you tell us more about your product?

(興味深いですね。製品についてもう少し教えていただけますか?)

\音声を聞く/

3. 前提条件(Background / Context)

提案に入る前に、前提条件や現在の状況を共有しましょう。

ここでいう前提条件とは、商談の土台になる情報のことです。たとえば、次のような内容が含まれます。

  • 製品の立ち位置(どの価格帯・どんな顧客を想定しているか)
  • 市場の状況(どの地域・どの分野を想定しているか)
  • 現在のフェーズ(すでに販売しているのか、これから展開するのか)

こうした前提を先に共有しておくことで、後から認識のズレが生じるのを防げます。

\会話の例/

あなた
あなた

We currently sell our products mainly in Asia. We’re now looking to expand into your market.

(当社製品は主にアジアで販売しています。現在、御社の市場への展開を検討しています。)

取引先の相手
取引先の相手

I see. What type of customers are you targeting?

(なるほど。どのような顧客層を想定していますか?)

\音声を聞く/

4. 提案(Proposal)

提案する時は完璧に企画した案を「売り込む」のではなく、相手に議論を始めるための「たたき台」として提示することを意識しましょう。

提案内容をもとに意見や質問を交わしながら、条件や進め方をすり合わせていく流れが一般的です。

\会話の例/

あなた
あなた

We believe your company would be a good fit for our products. We’d like to explore working with you as our distributor.

(御社は当社製品に適したパートナーだと考えています。代理店としてご一緒できる可能性を検討したいと考えています。)

取引先の相手
取引先の相手

That makes sense. Could you explain how the partnership would work?

(なるほど。そのパートナーシップの進め方を教えてもらえますか?)

\音声を聞く/

We believe…” は、議論を始めるための前置きとして便利な表現です。「これは私たちの考えです」と、立場を明確にする役割も持っています。

5. 質疑・すり合わせ(Discussion / Questions)

このパートでは、商談の中でもっとも時間がかかりやすく、同時に相手の関心や懸念がはっきり表れます。

質問が出ることは、提案に興味を持ってもらえているサインでもあります。

条件面の話が出てきたら、商談は前向きに進んでいると捉えましょう。

\会話の例/

取引先の相手
取引先の相手

How do you usually support your distributors?

(通常、代理店に対してどのようなサポートを行っていますか?)

あなた
あなた

We provide marketing materials and product training.

(マーケティング資料や製品トレーニングを提供しています。)

\音声を聞く/

その場で答えられない質問が出たときは、”We’ll need to review this internally.”(社内で確認する必要があります。)と伝えましょう。

6. 合意 or 次のアクション(Agreement or Next Steps)

「商談では、その場で意思決定が行われるとは限りません。

ただし、「次に何をするのか」を明確にして終えることが商談の重要なゴールとされることが多くあります。

ここでは、日程や担当など、可能な範囲で決めれば十分です。

\会話の例/

取引先の相手
取引先の相手

What would be the next step?

(次はどのように進めましょうか?)

あなた
あなた

We can share more detailed information by email. Then we can discuss the terms in our next meeting.

(メールで、より詳しい情報を共有できます。そのうえで、次回のミーティングで条件を話し合えます。)

取引先の相手
取引先の相手

That sounds good. Let’s move forward with that.

(いいですね。その方向で進めましょう。)

\音声を聞く/

4つの実例で学ぶ英語の商談の仕方

ここでは、海外の取引先との間でよくある4つの商談タイプを取り上げ、それぞれの目的や確認されているポイントを、会話例を交えて紹介します。

商談の内容や立場によって、相手が確認したいポイントは大きく異なります

まずは、あなたの商談にもっとも近いタイプの例を参考に、全体の流れややり取りのイメージをつかみましょう

1. 自社の商品を海外代理店に扱ってもらう商談

このタイプの商談では、自社の製品がいかに魅力的なのかをアピールします。

会話の中では、次の点について積極的に伝えていきましょう。

  • 商品の価格帯とポジションが明確か
  • どんな顧客層を想定しているか
  • 代理店にとってどんなメリット(サポート・体制)があるか

その場で結論を出そうとせず、次のアクションにつなげることを意識しましょう。

\会話の例/

あなた
あなた

Today, I’d like to talk about a possible partnership. We’re looking for a distributor in your region.

(本日は、パートナーシップの可能性についてお話ししたいと思います。御社の地域で代理店を探しています。)

取引先の相手
取引先の相手

Okay. Could you tell us more about your product?

(分かりました。製品についてもう少し教えていただけますか?)

あなた
あなた

Our product is positioned in the mid-to-high price range. It’s known for its quality and reliability and targets professional users.

(当社製品は中〜高価格帯に位置づけられています。品質と信頼性に定評があり、主にプロ向けのユーザーを対象としています。)

取引先の相手
取引先の相手

That sounds interesting. How do you usually work with distributors?

(それは興味深いですね。通常、代理店とはどのように協業していますか?)

あなた
あなた

We provide marketing materials and product training. We also support our partners on a regular basis.

(マーケティング資料や製品トレーニングを提供しています。また、定期的にパートナーをサポートしています。)

取引先の相手
取引先の相手

What kind of margins are you considering?

(マージンはどの程度を想定していますか?)

あなた
あなた

It depends on the volume, but we’re flexible and open to discussion.

(数量によりますが、柔軟に対応可能で、協議の余地があります。)

取引先の相手
取引先の相手

I see. What would be the next step?

(なるほど。次のステップはどのようになりますか?)

あなた
あなた

We can share detailed product information. Then we can discuss the terms in our next meeting.

(詳細な製品情報を共有できます。そのうえで、次回のミーティングで条件を話し合えます。)

\音声を聞く/

2. 海外向けのOEM生産を受注する商談

OEM生産を受注するかについての商談では、現実的に受けられるかどうかが重視される傾向にあります。

このタイプの商談では、主に次の点を確認しましょう。

  • 生産能力(数量・スケジュール)
  • 技術的に対応可能か
  • 品質基準や要求レベル
  • 社内確認が必要なポイントはどこか

その場で即答できない場合は、持ち帰って検討する姿勢をはっきり示すことが大切です。

\会話の例/

取引先の相手
取引先の相手

Today, we’d like to discuss a possible OEM production. We’re looking for a manufacturing partner.

(本日は、OEM生産の可能性についてご相談したいと思います。製造パートナーを探しています。)

あなた
あなた

I see. Could you tell us more about your production capacity?

(なるほど。生産能力について教えていただけますか?)

取引先の相手
取引先の相手

We can handle small to mid-sized volumes. For larger volumes, we’d need to check internally.

(小〜中規模のロットであれば対応可能です。大きな数量については、社内確認が必要です。)

あなた
あなた

What about quality standards and lead time?

(品質基準や納期はいかがでしょうか?)

取引先の相手
取引先の相手

We meet international quality standards. The production timeline would depend on the specifications.

(国際的な品質基準には対応しています。生産スケジュールは仕様によって変わります。)

あなた
あなた

Understood. What would be the next step?

(分かりました。次のステップはどうなりますか?)

取引先の相手
取引先の相手

We’ll review the details and get back to you.

(詳細を確認のうえ、あらためてご連絡します。)

\音声を聞く/

OEM商談では、無理に前向きな姿勢を見せるより、「どこまでなら対応できるか」を整理して伝えることを意識しましょう。

3. 自社の自動車用部品を海外メーカーで使ってもらう商談

自社部品を相手のメーカーで使ってもらうための商談では、その部品が実際に使えるかどうかがシビアに判断されます

技術要件や安全基準、実績などについての情報を共有していきましょう。

\会話の例/

あなた
あなた

We’d like to discuss using our components in your vehicles.

(御社の車両で当社部品をご使用いただく可能性についてご相談したいです。)

取引先の相手
取引先の相手

Okay. What kind of application are you targeting?

(分かりました。どのような用途を想定していますか?)

あなた
あなた

This component is designed for braking systems. It meets international safety standards.

(この部品はブレーキシステム向けに設計されています。国際的な安全基準を満たしています。)

取引先の相手
取引先の相手

Have you supplied this part to other manufacturers?

(この部品を他のメーカーに供給した実績はありますか?)

あなた
あなた

Yes, it’s currently used by several manufacturers in Asia.

(はい。現在、アジアの複数メーカーで採用されています。)

取引先の相手
取引先の相手

I see. What would be the next step for evaluation?

(なるほど。評価の次のステップは何になりますか?)

あなた
あなた

We can provide samples and technical documentation. Then you can proceed with internal testing.

(サンプルや技術資料をご提供できます。その後、社内でのテストを進めていただけます。)

\音声を聞く/

4. 自社の品質管理システムを海外拠点に導入してもらう商談

品質管理システムの商談では、現地の拠点で無理なく運用できるかどうかが重視されます。

本社目線だけで説明すると、「現場では使いづらいのでは?」と懸念を持たれることがあります。

そのため商談では、現地の業務フローやスタッフの運用を想定しながら説明することを意識しましょう。

\会話の例/

あなた
あなた

Today, we’d like to discuss introducing our quality management system.

(本日は、当社の品質管理システム導入についてご相談したいです。)

取引先の相手
取引先の相手

Okay. How would this system fit into our current workflow?

(分かりました。このシステムは、現在の業務フローにどのように組み込まれますか?)

あなた
あなた

It’s designed to work with existing processes. Minimal changes are required for daily operations.

(既存のプロセスに沿って使える設計になっています。日常業務での変更は最小限です。)

取引先の相手
取引先の相手

What kind of support do you provide after implementation?

(導入後のサポート体制はどのようになっていますか?)

あなた
あなた

We offer training sessions and ongoing technical support.

(トレーニングと継続的な技術サポートを提供しています。)

取引先の相手
取引先の相手

I see. Would it be possible to run a pilot first?

(なるほど。まずは試験導入は可能でしょうか?)

あなた
あなた

Yes, we can start with a pilot at one site. Then we can review the results together.

(はい。1拠点での試験導入から始められます。その結果を踏まえて、一緒に見直しを行えます。)

\音声を聞く/

英語の商談によくある3つの失敗とその回避法

ここでは、英語で商談を行う際につまずきやすいポイントと、その回避法を紹介します。

あらかじめポイントを押さえておけば、英語の商談でも必要以上に構えず、落ち着いてやり取りを進められるようになるはずです。

1. 聞き取れなかったのに適当に相づちを打ってしまう

英語の商談でよくある失敗の1つは、内容を十分に聞き取れていないのに、つい相づちを打ってしまうことです。

日本語でのやり取りでは、「はい。(Yes.)」「そうですね。(Right.)」と相づちを打つことが「話を聞いているサイン」として機能するケースが多く見られます。

しかし英語の商談では、このような相づちは「理解した」「同意した」と受け取られることがあるため、注意が必要です。

そこで、自然な相づちとしては、次の表現が便利です。

  • I see. (なるほど。)
  • I understand the idea. (大枠は理解しています。)

また、聞き取れなかった場合は分かったふりをせず、内容を確認することが大切です。

  • Sorry, could you say that again? (すみません、もう一度言っていただけますか?)
  • Could you clarify that point? (その点をもう少し詳しく教えていただけますか?)

聞き返すことは失礼ではありません。

むしろ、正しく理解しようとする姿勢は、英語の商談ではプラスに働くことが多く見られます。

2. 日本語と同じ感覚で「遠回し表現」を使ってしまう

日本の商談ではよく「No」ということを避けるために、「とても良い提案なのですが、タイミングが…」のような遠回しな表現を使ったり、あえて結論を言わずに相手に察してもらったりするケースがあります。

英語での商談で断る時にも、日本語と同じ感覚で、

  • It’s a very good proposal, but the timing is…

と伝えてしまうと、相手は「タイミング次第では可能なのか」「検討中なのか」と判断に迷うことがあります。

だからといって、断る時に”No, we can’t.” とダイレクトに伝えると、突き放した印象を与えてしまうでしょう。

「英語圏の人は結論からはっきり伝えるほうがよい」と考えている方も多いかもしれません。しかし、実際には英語圏の商談でも、遠回しな表現はよく使われます

ただし、英語の遠回し表現には、「伝えたいこと」を言葉として示したうえで和らげるといった特徴があります。

  • It might be difficult for us to meet that deadline.(その納期に対応するのは難しいかもしれません。)
  • At this stage, we don’t think it would be feasible.(現段階では、実現は難しいと考えています。)

上記の表現いずれも遠回しではありますが、「難しい」ことを明確に伝えています。

日本語と同じ感覚で「察してもらおう」とするのではなく、何が可能で、何が難しいのかを、短くても明確に伝えましょう

3. 英文を正しく作ろうとしすぎて発言が遅れる

英語の商談では、英文を正しく作ろうと意識しすぎて、発言のタイミングを逃してしまう方が多い傾向にあります。

英語での会話になると、「文法は合っているか」「単語の選び方は正しいか」と考えすぎてしまい、結果として黙ってしまうケースが少なくありません。

英語の商談では完璧な英文よりも、考えをその場で共有することが重視されます。

  • 何に賛成なのか
  • 何が懸念なのか
  • 何を提案したいのか

が伝われば、多少文法が間違っていたとしても、会話は前に進みます。

発言のタイミングを逃さないためにも、頭の中で完璧な英文を作ってから話すのではなく、短いかたまりで話し始めることを意識しましょう。

  • I think…(私は…だと思います)
  • From our side…(こちらとしては…)
  • At this stage…(現段階では…)

こうした表現を先に出し、考えながら発言を続ければ、会話の流れを止めずに自分の意見を伝えられます。

社会人になってから英語をやり直し、海外で英語の商談ができるようになった実例を知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
TOEIC®825点!スコアアップとビジネス英語を同時にマスターした驚きの勉強法とは!?

まとめ:商談の「目的」と「流れ」を意識しよう

英語の商談というと「どんなフレーズを使えばいいのか」「正しい英語を話せるか」に意識が向きがちです。

しかし英語の商談でつまずく原因の多くは、英語力そのものではなく、商談の流れをつかめていないことにあります。

以下を理解していれば、英語の商談は前に進みます。

  • 商談のゴールはどこにあるのか(目的)
  • そのゴールに向かってどのような流れで会話が進むのか
  • 遠回しな表現でも「伝えたいこと」を言葉として残せているか

まずは商談用のフレーズを覚える前に、商談全体の目的と流れを意識してみてください。

それだけでも、英語での商談に対するハードルは、ぐっと下がるはずです。

英語の会議で「聞き取れる」ようになりたい方は、以下の記事をご覧ください。
英語会議で話せない本当の原因とは?音声変化や文化の違いが生むリスニングの壁とその対処法を紹介

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です