英語の短縮形とは、I am を I’m、do not を don’t のように短くまとめた形です。日常会話でよく使われ、もとの形と音の長さや音節数が変わることがあります。この記事では米国英語をモデルに、綴りと発音の対応を確認してから、短いまとまりと文で練習します。
音声はアメリカ英語をモデルにした学習用の合成音声です。各項目の後に、続けて発音する間があります。男性・女性のどちらかで練習し、慣れたらもう一方でも確認しましょう。
1. 仕組みと、間違えやすいポイント
短縮形は「文字を消せば同じ音になる」わけではありません
I am /aɪ æm/ と I’m /aɪm/ では、am の母音が独立した音節として現れるかどうかが違います。will not と won’t では、綴りだけでなく母音も変わります。アポストロフィーの位置を覚えると同時に、短縮形全体の発音を確かめることが大切です。
短縮形と弱形は関連しますが、同じものではありません
I’m のように綴りでも短くなる形が短縮形です。一方、I can swim. の can を /kən/ と弱く読むように、綴りを変えずに発音が弱くなるものを弱形と呼びます。どちらも会話の流れを理解する助けになりますが、区別して学びましょう。
場面と意味に合わせて使い分けます
短縮形は日常会話やくだけた文章でよく使います。改まった書面では、短縮しない形が選ばれることがあります。ただし、短縮しない発音が常に誤りというわけではありません。I am ready. の am を強調して「本当に準備ができています」と伝えることもできます。
同じ綴りでも、もとの語が異なる場合があります
’s は is または has、’d は would または had を表します。She’s busy. は She is busy.、She’s finished. は文脈により She has finished. などに対応します。I’d like some water. の ’d は would、I’d already left. の ’d は had です。音だけでなく、後ろに続く語と文脈を確認します。
肯定の短縮形を文末に置けない場合に注意します
「はい、そうです」は Yes, I am. といい、通常は Yes, I’m. とはいいません。be動詞や助動詞が後ろの内容を代表する位置では、短縮しない形を使うことがあります。一方、否定の No, I don’t. は自然です。肯定と否定を一律に扱わないようにしましょう。
2. 綴りと音のまとまりを対応させる
I + am → I’m
/aɪ æm/ → /aɪm/
二つの語を、一つの音節にまとめます。
do + not → don’t
/duː nɑːt/ → /doʊnt/
短縮形全体の母音を確かめます。
will + not → won’t
/wɪl nɑːt/ → /woʊnt/
will の母音をそのまま残すわけではありません。
矢印は音や文字の対応を示す学習用の図です。実際の発音には、話者・場面・前後の音による違いがあります。

I’m の後に ready を続けるときは、最後の /m/ で唇を閉じ、そのまま次の単語へ進むことを意識してください。「アイム」の「ム」に日本語の母音を付け足す必要はありません。
3. もとの形と短縮形を順に聞く
音声は「もとの形 → 短縮形」の順です。I am → I’m、you are → you’re、do not → don’t、will not → won’t を比べます。短縮形をさらに弱く読む場合もありますが、ここでは基本のまとまりを確認します。
音声の順序:I am → I’m → you are → you’re → do not → don’t → will not → won’t
男性音声
女性音声
4. 基本の形を練習する
音声は各項目を上から順に読みます。意味を確認してから、一つずつ声に出してください。発音記号は基本形の目安で、文中では弱くなる音もあります。
4-1. 肯定の短縮形
I’m /aɪm/
I am
練習のポイント:最後は唇を閉じる /m/ です。
you’re /jʊr/
you are
練習のポイント:米語ではRの響きが残ります。弱く /jər/ となることもあります。
he’s /hiːz/
he is / he has
練習のポイント:最後の /z/ に余分な母音を足しません。
I’ve /aɪv/
I have
練習のポイント:最後は上の前歯と下唇で作る /v/ です。
I’ll /aɪl/
I will
練習のポイント:最後に /l/ を残します。
男性音声
女性音声
4-2. 否定の短縮形
don’t /doʊnt/
do not
練習のポイント:/oʊ/ の母音を確認します。
can’t /kænt/
cannot
練習のポイント:米語の基本形では /æ/ を使います。
won’t /woʊnt/
will not
練習のポイント:/w/ から /oʊ/ へ続けます。
isn’t /ˈɪzənt/
is not
練習のポイント:後半の母音は弱くなります。
didn’t /ˈdɪdənt/
did not
練習のポイント:最初の音節を明確に言います。
男性音声
女性音声

can’t や don’t の否定を伝えたいときは、速さを優先して語尾を無理に消さないでください。まず否定形を明確に言い、その後に文全体の流れを整えると、意図が伝わりやすくなります。
5. フレーズで練習:短いまとまりを5つ
音声は1番から5番の順です。単語の間を必要以上に空けず、意味のまとまりとして読みます。
1. I’m ready
準備ができています
練習のポイント:I’m を一つの音節にまとめます。
2. you’re right
あなたの言うとおりです
練習のポイント:you’re と right をつなぎます。
3. I’ve got a question
質問があります
練習のポイント:I’ve の /v/ を残します。
4. I’ll call you
電話します
練習のポイント:I’ll の後に日本語の母音を足しません。
5. don’t worry
心配しないでください
練習のポイント:don’t の否定を明確にします。
男性音声
女性音声
6. 文で練習:会話で使える5文
まず内容を確かめ、次に音声に続いて読みます。速さだけをまねず、意味が伝わるまとまりを保ちましょう。
1. I’m ready to go.
出かける準備ができています。
練習のポイント:I’m と ready の間で止まらないようにします。
2. You’re in the right place.
こちらで合っています。
練習のポイント:you’re のRから次の母音へ続けます。
3. I’ve already sent the email.
メールはすでに送りました。
練習のポイント:I’ve の最後の /v/ を確認します。
4. I’ll call you tomorrow.
明日、電話します。
練習のポイント:I’ll を一つのまとまりにします。
5. I don’t know the answer.
答えが分かりません。
練習のポイント:don’t の母音と語末を確認します。
男性音声
女性音声
7. 仕上げの練習とセルフチェック
練習した文から2つを選び、音声を止めて発音してみましょう。録音できる場合は、お手本と自分の声を交互に聞きます。声の高さを似せる必要はありません。
- もとの形と短縮形を対応させられますか。
- 短縮形の最後に日本語の母音を足していませんか。
- 否定や強調など、伝えたい意味を保っていますか。
聞き取れなかった箇所は、綴りを確認してからもう一度聞きます。難しい場合は短いまとまりに戻り、最後に文全体へ戻してください。
関連する発音も学ぶ
弱形・リンキング・脱落と合わせて学ぶと、短縮形が文の中でどのように聞こえるかを理解しやすくなります。
母音・子音・音変化などの解説と練習記事は、英語の発音まとめに一覧で掲載しています。
参考資料