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英語のいわゆる未来進行形とは、will be -doingの形で表されるものである。
例えば、By this time tomorrow, I’ll be relaxing on the beach.(明日の今ごろは海岸でくつろいでいるだろう)では、will be relaxingが未来進行形に相当する。
未来進行形は英語の話し言葉、書き言葉を問わず、様々な場面で出現する。しかし、市販の文法書で取り上げられることは少ない。
英語を学習しているあなたは、次のような疑問を持っていないだろうか?
- 未来進行形とは何なのかわからない…
- 未来進行形は適当に訳している…
- 未来進行形の正しい使い方を知りたい…
そこでトイグルでは、英語の未来進行形について、詳細を解説していく。他のどの文法書より詳しく説明するため、参考になると思う。
本記事を読めば未来進行形に関する疑問は解決する。そして、英文をより正確に、読んだり聞いたりできるに違いない。
1. 未来進行形の3つの用法
英語の未来進行形は will の解釈と、出来事が進行しているかどうかによって、大きく3つの用法に分けられる。
1つ目は未来における進行中の動作である。これは「単純未来のwill × 進行している」と言ってもよい。
冒頭の例をもう一度見てみよう。
- (1) By this time tomorrow, I’ll be relaxing on the beach.
(明日の今ごろは海岸でくつろいでいるだろう)
この例では、話し手は明日の今ごろ(= 未来の時点)、海岸でくつろいでいる(= 進行している)という動作をあらわす。
2つ目は自然のなりゆきで起こる出来事である。これは「単純未来のwill × 進行していない」と言ってもよい。
例を見てみよう。
- (2) My father bought a new car, so he will be driving to work.
(父は新車を買ったので、車で通勤することになるでしょう)
この例では、父親が車を購入し、そのため車で通勤するだろうと述べられている。
未来についての話だが、父親は車を運転している最中ではなく、これから車を運転することになると述べられている点に注意したい。
3つ目は発話時における推量である。これは「推量のwill × 進行している」と言ってもよい。
例を見てみよう。
- (3) It will be snowing in Nagano now. (長野ではいま雪が降っているだろう)
now(いま)という語からわかるように、雪が降っていると言われているのは、明らかに現在である。willは未来をあらわすのではなく、「…だろう」と推測の意味で使われている。
これまでの話をまとめると、未来進行形は「willの用法 × 進行しているか」で、次のように区別できる。
進行している | 進行していない | |
---|---|---|
単純未来のwill | (1) | (2) |
推量のwill | (3) | ✕ |
私たち学習者にとって、未来進行形を正しく読む鍵は、こうした用法の違いにある。
(1)のような未来における進行中の動作は、will be -doing の形と合致するので、直感的にわかりやすい。
(2)のような自然のなりゆきで起こる出来事は、進行していないという点で直感に反するので、わかりにくい。
(3)のような発話時における推量は、進行しているという点は良いが、willの解釈を誤るおそれがある。
以下、これら3つの用法を基準として、未来進行形の使い方をさらに詳しく解説していこう。
上記の説明のように、未来進行形が「未来に進行している」のは用法の1つに過ぎない。つまり、この形を「未来進行形」と呼ぶのは適切ではない。より厳密には “will/shall be -doing 構文” などの名称が適切だろう。ただ、本記事では学習におけるわかりやすさを重視し、この形を未来進行形として呼んでいく。
2. 未来進行形の使い方
未来進行形のより細分化された使い方を見ていこう。
2.1. 未来の基準時における動作の進行
- (4) Don’t phone me at 7 o’clock ― I’ll be watching my favourite TV programme.
(7時に電話をかけてこないでね。好きなテレビ番組を見ているところだから)
出典: Meaning and the English Verb
未来進行形の典型的な用法は、未来の基準時における動作の進行である。
これは、「…しているだろう」の意味で、単純未来をあらわすwillに、進行をあらわすbe -doingを、そのまま足し合わせたものと解釈してよい。
例文では、未来の基準となる点は「7時」である。その時間、話し手はテレビ番組を見ている最中であると述べている。
この用法は、一般的な進行相と同様に、未来のある時点における「時間の枠」の中で、その動作が進行する。
2.2. 自然のなりゆきで起こる出来事
- (5) It’s holiday tomorrow. Everybody will be going to the seaside.
(明日は祝日です。誰もが海辺に行くことでしょう)
出典: 現代英文法総論
未来進行形の特徴的な用法に、自然の成りゆきで起こる出来事がある。
これは「…することになるだろう」の意味で、時間が経てば自然にそうなる様子を示す。
例文は、明日は祝日という事実から、自然に、誰もが海辺に行くことになるだろうと述べている。
この用法に「進行」の意味は含まれないことに注意したい。例文は「行くことになるでしょう」であり、「行こうとしている最中でしょう」ではない。
2.3. 日常的に行われていること
- (6) I’ll be working on Sundays as usual.
(いつもどおり日曜日も出勤していることでしょう)
未来進行形は日常的に行われていることを示すことがある。
例文は、話し手が日曜日も出勤している様子を示している。
「自然のなりゆき」の一種だが、as usual(いつもどおり)という表現が象徴するように、それが日常的に行われていることがわかる。
同様の例に I’ll be meeting him next week.(来週、彼に会うことになるでしょう)がある。この文も、話し手が日常的(= 定期的)に会っていることが示唆される。
2.4. あらかじめ決められた未来の予定
- (7) We‘ll be stopping at Kyoto, Nagoya, Shin-Yokohama and Shinagawa stations before arriving at Tokyo terminal.
(東京駅に到着する前に、京都駅、名古屋駅、新横浜駅、品川駅に停まります。)
未来進行形は他者によって決められた未来の予定をあらわすことがある。
例文は、東海道新幹線で実際に放送されている、英語のナレーションである。乗客たちは京都駅、名古屋駅、新横浜駅、品川駅に停車した後、東京駅に到着する。
これらの駅に到着するのは、話し手たちの意志とは無関係に行われることなので、やはり「自然のなりゆきで起こる出来事」である。
ただ、列車の運行予定は予め決まっているという点から、本記事では「他者によって決められた未来の予定」として扱った。
この用法を理解するための別の例として、Attention guests: the store will be closing at 11 PM.(お客様へご案内: お店は11時に閉店します)がある。閉店時間は店側が決めたことであり、その時間になれば自然に閉店する。「閉店している最中でしょう」と述べてるわけではない。
2.5. 未来の反復的な動作
- (8) We‘ll be meeting every day in the year.
(今年は毎日お目にかかることになりましょう)
every dayなどの語句が加われば、未来における反復的な動作を示す。
例文では、話し手たちはこの年、会うという動作を毎日、反復的に行う。
2.6. 丁寧用法
- (9) Will you be using your ladder this afternoon? If not, could I borrow it?
(午後、はしごをお使いになりますか。もしそうでなければ、お借りしてもよろしいでしょうか)
出典: 現代英文法総論
これまで述べてきたように、未来進行形には「自然のなりゆきで起こる出来事」の意味がある。
自然に何かが起こるということは、話し手による「こうあってほしい」といった気持ちが含まれず、いわば丁寧に物事を伝えられることになる。
2.7. 発話時における推量
- (10) Don’t phone them now ― they’ll be having dinner.
(彼らに電話しないでね。夕食を食べているところだろうから)
未来進行形は、「いま…していることだろう」の意味で、発話時における推量をあらわすことがある。
例文は「彼らは今現在、夕食を食べているところだろう」と、話者が現在の状況を推測している。
この用法は進行の意味はもつが、述べているのは未来ではなく、現在のことである。
この用法におけるwillは、「推量のwill」であり、単純未来ではない。
3. willとwill be -doingの違い
willは話し手の <意志> を含むのに対し、will be -doingは <自然のなりゆき> を示すので、話し手の意志は含まれない。
ここから、状況に応じて、will と will be -doing には、様々な意味の違いが生じる。
以下、5つのポイントを見てみよう。
3.1. 丁寧な表現
- (11) When will you come to Tokyo?
(いつ東京に来るつもりですか) - (12) When will you be coming to Tokyo?
(いつ東京に来ることになりそうですか)
will be -doing は<自然のなりゆき> をあらわす結果、表現をより丁寧にすることができる。
(11)はwillを用いている例である。決して失礼な言い方ではないが、場合によって、早く来てきてほしいとか、あるいは来てきてほしくないなど、話し手の意志が含まれることがある。
一方、(12)のように will be -doing を使えば、「(状況的に)いつ来ることになりそうですか」と聞いているだけなので、話し手の意志は含まれない。結果、相手にとっては丁寧に響くのである。
When will you be paying back the money?(いつお金を返してくれることになっているのでしょうか)のような話題であれば、なおさら、will be -doingを使った形が望ましい。
3.2. 意志または日常的に起こっていること
- (13) We’ll fly at 30,000 feet.
(高度を3万フィートにとることにする) - (14) We’ll be flying at 30,000 feet.
(高度3万フィートに達しているでしょう)
出典: A Comprehensive Grammar of the English Language
(13)と(14)はいずれも飛行機のパイロットによるアナウンスだが、意味の違いがある。
(13)は will が使われている例である。willには <意志> が含まれるから、「(何かしらの事情が生じたので)高度3万フィートで飛ぶことにする」のニュアンスになる。乗客は多少の不安を感じるかもしれない。
(14)は will be -doing が使われている例である。will be -doingは自然のなりゆき、言い換えれば日常的に行われていることである。高度3万フィートに達するのは予定通りなので、乗客は安心して旅を続けられるだろう。
3.3. 勧誘または単なる質問
- (15) Will you join us for dinner?
(夕食をご一緒にいかがですか) - (16) Will you be joining us for dinner?
(夕食を一緒に食べることになっていますか)
出典: ロングマン アレクサンダー英文法
will の持つ <意志> の意味から、疑問文では、相手を勧誘するニュアンスになることがある。
(15)は「夕食をご一緒にいかがですか」と、相手を勧誘(または招待)している。
一方、will be -doing は <自然のなりゆき> なので、勧誘のニュアンスはなくなる。
(16)は単なる未来の予定として、「夕食を一緒に食べることになっていますか」と尋ねている場面である。
3.4. 拒絶と純粋未来
- (17) We won’t pay your expenses.
(経費は払いません) - (18) We won’t be paying your expenses.
(経費はお支払いしないでしょう)
出典: 現代英文法総論
willは <意志> の意味から、場合によって拒絶をあらわすことがある。
(17)は単に「払わない」と述べているか、場合によって「払いたくない」と拒絶しているとも取れる。
一方、(18)は「お支払いしないでしょう」と、未来の出来事の予測をしているだけである。
3.5. 意味の差があまりない場合
- (19) The sun will set in a minute.
(もうじき陽が沈みます) - (20) The sun will be setting in a minute.
(もうじき陽が沈むことでしょう)
出典: Meaning and the English Verb
場合によって、will と will be -doing の意味の差があまり生じないことがある。
これはとりわけ、主語が生物でない(= 生物でないので意志が生まれない)場合に、顕著である。
(19)と(20)は、日本語訳こそ多少異なるものの、いずれも「もうじき陽が沈む」という場面をあらわすものに他ならない。
参考: 近い未来と遠い未来
- (21) I am meeting him tomorrow.
(明日彼に会うことになっています) - (22) I‘ll be meeting him.
(彼に会うことになるでしょう) - (23) I‘ll be meeting him tomorrow / next year / some time.
(明日/来年/いつか彼に会うことになるでしょう)
出典: 実例英文法
(21)のように現在進行形で未来をあらわす場合、近い将来にそれが起こることが前提となる。また、tomorrow(明日)のような、未来を表す語句が必須となる。
(22)のように、未来進行形で未来を表す場合、時を表す表現がなくてもよい。
(22)や(23)のように未来進行形で未来を表す場合、近い未来(tomorrow/明日)と遠い未来(next year/来年)のいずれにも使える。また、some time(いつか)も可能。
尚、現在進行形と未来進行形を比較すれば、未来進行形のほうが遠い未来を表すことが多い。
4. 未来進行形のつくり方
未来進行形: will + be -doing
I | will | be | doing X |
You | will | be | doing X |
He / She / It | will | be | doing X |
We | will | be | doing X |
You | will | be | doing X |
They | will | be | doing X |
未来進行形は、助動詞will(またはshall)に進行相不定詞を組み合わせた形をとる。
時や条件をあらわす副詞節の中では、以下のように、現在進行形(be -doing)で代用される。
- (24) I’ll telephone you this afternoon while I‘m waiting.
(私は今日の午後、待っている間に、あなたに電話をしましょう)
出典: A Reference Grammar for Students of English
また、次の例のように、be going to に be -doing を組み合わせる形も可能である。
- (25) I’m going to be working all day tomorrow, so I won’t have time to shop.
(明日は1日中仕事なので、買い物をする時間がありません。)
まとめ: 未来進行形をよく理解する
この記事では、英語の未来進行形について詳細を解説してきた。
内容をまとめると次のようになる:
- 未来進行形は will be -doing の形であらわされる
- 未来の基準時における動作の進行をあらわす
- 自然のなりゆきで起こる出来事をあらわす
- 発話時における推量をあらわす
- willとは丁寧さなどで違いがある
トイグルでは他にも、英文法に関する記事を執筆している。興味のある方はぜひご覧いただきたい。
Good luck!
We‘ll be stopping at Kyoto, Nagoya, Shin-Yokohama and Shinagawa stations before arriving at Tokyo terminal.
(東京駅に到着する前に、京都駅、名古屋駅、新横浜駅、品川駅に停まります。)
こちらに関しては、主語が we ですので、私たちの意思とは無関係に、自然の成り行きというのはわかります。
Attention guests: the store will be closing at 11 PM.(お客様へご案内: お店は11時に閉店します)
しかし、こちらに関しては、主語が the store であり、11時に閉店するのは、主語である the store の意思ではないのでしょうか?そうなると自然の成り行きではないように思うのです。
どちらかというと、以下のサイトにもある意思を弱める丁寧用法としての用法だと思うのですが、どうでしょうか。
参考 https://www.taishukan.co.jp/item/blog/?p=493 (丁寧表現としての未来進行形)
>蘭様
際どいところですが、話し手ではなく、聞き手にとっては、あらかじめ決められた未来の予定になるため、おそらくこちらの解釈で良いのではないかと考えます。
例えば、ウィズダム英和辞典は「…している(ことになる)だろう」の意味で、「話し手の意志と無関係な日常の決まった仕事や自然の成り行き, 他の誰かによって決められた予定を述べるときによく用いられる」と説明しつつ、同例文に近い用例(Attention shoppers, the store will be closing in five minutes.) を掲載しています。
尚、未来進行形の丁寧用法は、例えば以下のような場面で用います。
Will you be using your camera at the weekend? I wondered if I could borrow it.
(例文は『テンスとアスペクトの語法』p98より)
本書(引用されていたブログの柏野先生の御本)では、
————————————————
聞き手の決定に影響を与えたくないという話し手の気持ちが伝わり、進行形やbe going to を用いるよりも丁寧になる (p98)
この丁寧用法は、行為・出来事の先を見通して、自分が何かをしたいときや相手に何かをしてもらいたいときによく見られる (p98)
————————————————
のように説明されています。
Attention… の文に戻ると、丁寧用法とも言えなくはないですが、すでに取り決められた未来の計画のほうが優勢な解釈と思われます。