英語の中間構文とは?使い方をわかりやすく説明します

中間構文

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英語の中間構文とは、能動態でありながら受動態の意味を持つ文を言う。

例えば、This computer sells well.(このコンピュータはよく売れる)は中間構文である。

この記事では中間構文について詳細を解説する。学習の役に立つはずだ。

1. 中間構文は「形は能動態、意味は受動態」の文

中間構文について知るには例を見るとよい。次の2つの文を比べてみよう。

  • (1) This book reads easily. (この本は簡単に読める)
  • (2) The car drives really well. (その車はとてもうまく運転できる)

(1)は「この本は簡単に読める」、(2)は「その車はとてもうまく運転できる」の意味。

どちらの例文も、形は能動態でありながら、意味は受動態(…される)である。このような用法の文を中間構文という。中間構文という名称は、能動態と受動態の中間のような役割を果たすことから来ている。

中間構文の文法的な特徴は、本来他動詞の語が、自動詞として使われる点にある。(1)のread(読む)、(2)のdrive(運転する)はどちらも他動詞だが、中間構文では自動詞的に用いられている。

中間構文として使える動詞には制約がある。中間構文は主語がその出来事を可能にする特性を持っていることが前提になる。したがって、次のよく似た2つの文は、文法的な適格性に違いがある。

  • (3) 正: That smartphone will sell well.
  • (4) 誤: That smartphone will buy well.

(3)は「あのスマートフォンはよく売れるだろう」の意味。この文が適格なのは、スマートフォンが売れるかどうかは、カメラが新しいとか、画面が大きいといったように、商品そのものに売れる特性が備わっているからである。

一方、(4)は文法的に不可とされる。スマートフォンが買えるかどうかは、買い手が十分な資金を持っているなど、スマートフォンの特性とは無関係だから(と、英語の世界では考えるから)である。

中間構文の適格性は意見が分かれる
ある中間構文の文を複数のネイティブ・スピーカーに見せると、ある人は適格、別の人は不適格といったように、判断が分かれることがある。

用語の解説
中間構文(middle construction)は中間態(middle voice)や能動受動態(activo-passive)と呼ばれることもある。本記事では中間構文の名称で統一する。

2. 中間構文と他の類似する構文の違い

中間構文には類似する構文が多い。それぞれの違いを比較していきたい。

2-1. 中間構文、他動詞文、能格構文、受動構文の違い

  • (5) The window breaks easily. (窓は簡単に割れる/中間構文)
  • (6) Ken broke the window. (ケンは窓を割った/他動詞文)
  • (7) The window broke. (窓は割れた/能格構文)
  • (8) The window was broken. (窓は割られた/受動構文)

(5)の中間構文と対比されるものに、(6)の他動詞文、(7)の能格構文、(8)の受動構文がある。

(6)の他動詞文と(8)の受動構文の違いは明白で、主語と目的語の位置が入れ替わるだけである。(8)はThe window was broken by Ken.(窓ガラスはケンによって割られた)と言ってもよい。

(5)の中間構文と(8)の受動構文は、どちらも受け身の意味で共通している。しかし、(8)の受動構文がThe window was broken by Ken.(窓ガラスはケンによって割られた)のように動作主を示せる一方、(5)の中間構文は動作主をbyによって表せられない。

(5)の中間構文と(7)の能格構文の違いについては、次の『2-2. 中間構文と能格構文の違い』で述べる。

中間構文と能格構文の混同
おそらく、私たち学習者にとって難易度が高いのは中間構文と能格構文であろう。他動詞文と受動構文は英文法の初期段階で習得するが、他の2つの構文は一見似ていて分かりづらい。

2-2. 中間構文と能格構文の違い

  • (9) The plate breaks easily. (その皿は簡単に割れる)
  • (10) The plate broke yesterday. (その皿は昨日割れた)

中間構文とよく似た構文に能格構文(とりわけ、自動詞構文)がある。上の例文は、(9)が中間構文、(10)が能格構文である。

中間構文と能格構文の違いは以下の3点に集約される。

a. 時制

中間構文は通例、現在形が使われる。これは、中間構文が主語の一般的な性質・属性を表すからである。

  • 正: The plate breaks easily. <現在形>
  • 誤: The plate broke easily. <過去形>

一方、能格構文の時制に制限はない。これは、能格構文が主語の出来事を記述するからである。

  • 正: The plate breaks. (その皿は割れやすい/現在形)
  • 正: The plate broke. (その皿は割れた/過去形)

b. 動作主の含意

中間構文と能格構文はどちらも、動作主がbyによって表されることはない。

  • 誤: The plate breaks easily by Tom.
  • 誤: The plate broke yesterday by Tom.

ただし、中間構文と能格構文は動作主の含意に関して違いがある。

中間構文は主語の一般的な性質・属性を表す「総称文」である。したがって、中間構文は非特定的な主語(例: People in general)に置き換えられる。

  • 正: People in general break the plate easily. (一般の人々は皿を簡単に割ってしまう)

一方、能格構文は動作主が含意されず、主語の自発的な出来事をあらわす。したがって、非特定的な主語(例: People in general)に置き換えられない。

  • 誤: People in general broke the plate yesterday.

c. 副詞の有無

中間構文は様態を表す副詞が必須である。これは、副詞が新情報として文の焦点になるからである。

  • 正: The plate breaks easily. <副詞あり>
  • 誤: The plate breaks. <副詞なし>

一方、能格構文では副詞の使用は随意的である。

  • 正: The plate broke yesterday. (その皿は昨日割れた)
  • 正: The plate broke. (その皿は割れた)

能格動詞の使い方
能格動詞の詳しい使い方は別記事で解説している。より深く知りたい方は参照いただきたい。

2-3. 受動構文と能格構文の違い

  • (11) The vase was broken. (花瓶は壊された/受動構文)
  • (12) The vase broke. (花瓶が壊れた/能格構文)

参考までに、受動構文と能格構文の違いについても述べたい。

2つの構文のもっとも顕著な違いは、受動構文がbyによって動作主を示せる一方、能格構文はそれができない点にある。

  • 正: The vase was broken by Mary.
  • 誤: The vase broke by Mary.

能格構文は動作主の介在が行われない点で、ミステリアスな雰囲気を出す際に使える。例えば、次の文はある小説の一コマである。

The door opened quietly, and Abby Carew slipped through. (ドアは静かに開いた、そしてアビー・カリューはこっそり通っていった)

Voyage of the Basilisk : a memoir by Lady Trent

また、能格構文は動作主が含意されないため、客観的な変化を示す場面でもよく用いられる。例えば、次の文はニュースレポートの一部である。

Our net revenues increased by 31.1% from RMB3.2 billion in 2016 to RMB4.2 billion in 2017. (私たちのネットの売上は2016年の3.2百万人民元から2017年の4.2百万人民元へと、31.1%増加した)

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3. まとめ

この記事では、英語の中間構文について詳細を解説してきた。

内容をまとめると次のようになる:

  1. 中間構文は「形は能動態、意味は受動態」の文
  2. 中間構文は他動詞の語が自動詞的に使われる
  3. 中間構文は通例、現在形
  4. 中間構文は動作主が含意される
  5. 中間構文は通例、副詞を伴う

トイグルでは他にも、英文法に関する記事を執筆している。興味のある方はぜひご覧いただきたい。

Good luck!

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