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英語の目的語とは「AがBをXする」の「Bを」に該当する語である。
例えば、I bought a new computer.(私は新しいパソコンを購入した)であれば、a new computer(新しいパソコン)が目的語に該当する。
英語を学習していると、目的語という用語が頻繁に出てくるが、詳しい使い方が説明されることは少ない。
そこでトイグルでは、英語の目的語について詳細を解説していく。目的語と補語の違いや、間接目的語の用法についても述べていきたい。
この記事を読めば目的語の使い方がわかる。学習中に目的語について悩むことがなくなるはずだ。
1.目的語とは「…を」に該当する語句
英語では、ある語句が文中でどのような使われ方をするかによって、それを主語や目的語といった異なる機能に分類する。
いまここに、次の2つの例文があるとしよう。どちらもJohn, love, Maryの3単語で構成されるが、その意味が異なる。
- John loves Mary. (ジョンはメアリーを愛している)
- Mary loves John. (メアリーはジョンを愛している)
1の例文では、主語がJohn(ジョン)、動詞がloves(愛している)、その対象がMary(メアリー)である。この時、Maryを動詞loveの目的語と言う。
2の例文では逆に、主語がMary(メアリー)、動詞がloves(愛している)、目的語がJohn(ジョン)である。同じMaryやJohnといった語が、位置によって主語になったり目的語になったりと、別の使われ方をしているのがわかる。
主語 | 述語動詞 | 目的語 |
John (ジョンが) | loves (愛する) | Mary (メアリーを) |
Mary (メアリーが) | loves (愛する) | John (ジョンを) |
目的語として使える要素は名詞が圧倒的に多い。他にも代名詞、動名詞、that節などを目的語として使える。
*様々な要素を使った目的語の例文
- We teach students to read critically. (名詞: 私たちは生徒に批判的に読めるよう教える)
- Put it on the shelf above. (代名詞: それを上の棚に置いてください)
- I enjoy playing basketball. (動名詞: バスケットボールをするのを楽しんでいる)
- Do you think that they’ll come? (that節: 彼らが来ると思いますか?)
(Oxford Advanced Learner’s Dictionary)
以下、目的語のさらに詳しい使い方を見ていこう。
ほとんどの場合, 目的語は述語動詞の直後に置かれる.
2. 目的語の使い方
英語では、目的語が文の必須要素になるかどうかは、動詞の表す意味による。
一部の動詞は目的語を必要としないので、目的語なしで文が容認される。一方、多くの動詞は義務的に目的語を必要とするので、目的語なしには意味のある文を作れない。
目的語を取らない文、目的語を1つ取る文、目的語を2つ取る文の3パターンを見ていこう。
2-1. 目的語を取らない文
- The baby is crying. (赤ちゃんが泣いている)
- The party is on Friday evening. (パーティーは金曜の夜にある)
(Oxford Advanced Learner’s Dictionary)
上の例文は「赤ちゃんが泣いている」の意味。登場人物はThe baby(赤ちゃん)だけであり、cry(泣く)という動作は本人だけで完結する。目的語は不要なので「主語+動詞」で文が成立する。
下の例文は「パーティーは金曜の夜にある」の意味。is(…がある)も主語だけが関与することなので目的語はいらない。on Friday evening(金曜の夜)は目的語ではなく、その他情報(厳密には副詞語句)である。
英語では、目的語を取らない動詞を自動詞と呼ぶ。代表的な自動詞一覧は次の通り。
arrive (着く) | cry (泣く) |
disappear (見えなくなる) | exist (存在する) |
fall (落ちる) | laugh (笑う) |
sleep (眠る) | speak (話す) |
swim (泳ぐ) | wait (待つ) |
- Jane moved the chair. (ジェーンは椅子を動かした)
- Jane moved. (ジェーンは引っ越した)
2-2. 目的語を1つ取る文
- Susan closed the door. (スーザンはドアを閉めた)
例文の動詞はclose(閉める)。閉めるという動作には、閉める人(主語)とその対象(目的語)が必要なので、the door(ドア)が目的語として使われている。
仮に、この文で目的語が存在しなければ、文法的に不可と判断される。
- 誤: Susan closed.
- 正: Susan closed the door.
英語では、目的語を取る動詞を他動詞と呼ぶ。代表的な他動詞一覧は次の通り。
build (建てる) | create (創造する) |
cut (切る) | discuss (議論する) |
get (得る) | have (持っている) |
like (好きである) | make (作る) |
use (使う) | want (望む) |
2-3. 目的語を2つ取る文
- Sue gave Max the photo. (スーはマックスに写真をあげた)
- I bought them some shoes. (私は彼らに靴を買ってあげた)
(A Student’s Introduction to English Grammar)
動詞によっては、目的語を2つ必要とするものがある。上の例文の動詞give(与える)は、与える人、与える先、与えるものが必要なので、ここではMaxとthe photoの2つの目的語が使われている。
下の例文の動詞buy(買う)も同様に、買う人、買ったものを与える先、買ったものの3つが必要なので、ここではthemとsome shoesの2つの目的語が使われている。
このように目的語が2つ使われる二重目的語構文では、1つ目の目的語を間接目的語、2つ目の目的語を直接目的語と呼ぶ。
主語 | 動詞 | 間接目的語 | 直接目的語 |
Sue | gave | Max | the photo |
I | bought | them | some shoes |
ここで、述語動詞の直後に現れるのが「間接」目的語であることに注意しよう。動作の直接の対象となるのは直接目的語であるが、二重目的語構文での語順は「動詞→間接目的語→直接目的語」である。
これまでの議論をまとめると、動詞と目的語の基本的なパターンは以下の3つとなる。
- 主語+動詞
- 主語+動詞+目的語
- 主語+動詞+間接目的語+直接目的語
参考: 目的語と補語の見分け方
目的語と似た使われ方をするものに補語がある。
原則的に、補語は主語の性質を説明する役割を持つ。そのため、補語が使われる文は「主語(S) = 補語(C)」の関係が成り立つ。
- I became a doctor. (私は医者になった)
- → [I = a doctor]
いわゆるSVOCの文でも同様に、補語は目的語の性質を説明するので、「目的語(O) = 補語(C)」の関係が成り立つ。
- I got Smith angry. (私はスミスを怒らせた)
- → [Smith = angry]
一方、目的語は主語の動作の影響が及ぶ対象なので、主語と目的語はイコールの関係にならない。
- I bought a table. (私はテーブルを買った)
- → [I ≠ a table]
間接目的語と直接目的語も同様に、これらはイコールの関係にならない。
- I’ll send you a link. (私はあなたにリンクを送ります)
- → [you ≠ a link]
3. 間接目的語の使い方
間接目的語とは、二重目的語構文(主語+動詞+間接目的語+直接目的語)に出現する目的語である。
間接目的語を含んだ文は、場合によってtoやforを使った文で表現されることがある。
- 主語 + 動詞 + 間接目的語 + 直接目的語
- → 主語 + 動詞 + 目的語 + to…
- → 主語 + 動詞 + 目的語 + for…
二重目的語とto/forの文は何が違うのだろうか? これらの文は単に「書き換え」ができるだけで、同一の意味を表すのだろうか?
間接目的語の発展的な用法を見ていこう。
3-1. 二重目的語構文は「所有」を表す
『2-3. 目的語を2つ取る文』で扱ったように、一部の動詞は目的語を2つ取る二重目的語構文として使われる。この時、2つの目的語の間には「所有」の関係が発生する。
例を見てみよう。
- I gave you specific instructions. (私はあなたに明確な指示を与えた)
- He cooked me lunch. (彼は私にランチを作ってくれた)
(Oxford Advanced Learner’s Dictionary)
上の例文で「私があなたに明確な指示を与えた」ことは、youが明確な指示を「所有」したことを示す。
下の例文も同様に、「彼は私にランチを作ってくれた」ことは、meがランチを「所有」した状態である。
このように、二重目的語構文では「動作の結果、間接目的語が直接目的語の所有者(あるいは受領者)になる」と覚えておこう。
3-2. 間接目的語のto構文は「移動」を表す
二重目的語構文を取る一部の動詞は、toを使った文に変換できる。
例を見てみよう。
- Bob sent Jennifer a letter. (ボブはジェニファーに手紙を送った)
- Bob sent a letter to Jennifer. (ボブはジェニファーに手紙を送った)
2つの文はそれぞれの表す事態は同一であるものの、ニュアンスが異なる。
上の例文は二重目的語構文なので、ボブが手紙を送った結果、ジェニファーがそれを「所有」したところに焦点が置かれる。
一方、下の例文のようにtoを使えば、手紙がボブからジェニファーに「移動」したところに焦点が置かれる。
これらの関係を図にすると、次のようになる(上が二重目的語構文、下がto構文)。
このように、toを用いた構文は「動作によって、直接目的語がto以下の対象に移動する」と覚えておこう。
二重目的語構文をtoに変換できるgive型動詞の例は次の通り。
bring (持ってくる) | give (与える) |
pass (渡す) | send (送る) |
teach (教える) | tell (伝える) |
3-3. 間接目的語のfor構文は「利益」を表す
二重目的語構文を取る一部の動詞は、forを使った文に変換できる。
例を見てみよう。
- He bought me a new coat. (彼は私に新しいコートを買ってくれた)
- He bought a new coat for me. (彼は私に新しいコートを買ってくれた)
(Oxford Advanced Learner’s Dictionary)
2つの文はそれぞれの表す事態は同一であるものの、ニュアンスが異なる。
上の例文は二重目的語構文なので、彼がコートを買った結果、私がそのコートを「所有」したことに焦点が置かれる。一方、下の例文のようにforを使えば、「私のために購入をしてくれた」といった「利益」に焦点が置かれる。
toを使った文とforを使った文の最大の違いは、動作の結果「所有」の関係が生まれたかどうかにある。forは「…のために」を表すから、結果としてそれを所有したかどうかはわからない。
先ほどの例文(コートを買ってくれた)であれば、「彼が私の代わりに買いに行ってくれた」と「彼が私のために買ってプレゼントしてくれた」のどちらのニュアンスになるかは、文脈のない限り正確には言えない。
もちろん、常識的に言えば、「私の代わりにコートを買いに行く」といった状況はやや不自然に感じられる。しかし、これが弁当や本のような日用品だったら、代わりに買いに行く状況は十分ありえるだろう。
どちらにしても、forを用いた構文は「動作によって、直接目的語がto以下の利益になる」となることに変わりない。
二重目的語構文をforに変換できるbuy型動詞の例は次の通り。
build (建てる) | buy (買う) |
cook (料理する) | get (手に入れる) |
make (作ってあげる) | order (注文する) |
例えば, The judge fined me ten dollars.(裁判官は私に10ドルの罰金を課した)なら, 罰金を支払う義務を所有したと考えよう.
まとめ: 目的語を使いこなそう
この記事では英語の目的語について詳細を解説してきた。
内容をまとめると次のようになる。
- 目的語は「…を」に該当する名詞
- 目的語を取る文と取らない文がある
- 二重目的語構文は「所有」を表す
- 間接目的語のto構文は「移動」を表す
- 間接目的語のfor構文は「利益」を表す
英語初心者の方は、目的語を確実に見抜くことから学習をはじめてみよう。中級者の方は目的語の有無による文構造の違いを意識できると良い。上級者の方は二重目的語構文についての理解を深めよう。
トイグルでは他にも、英文法に関する記事を執筆している。興味のある方はぜひご覧いただきたい。
Good luck!