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英語の比較級や最上級では、その意味を強調する語句が使われることがある。
例えば、much better(ずっと良く)では、much(ずっと)が比較級の副詞better(良く)の意味を強調している。
英語を学習中のあなたは、次のような疑問を持っていないだろうか?
- 比較級や最上級を強調する語句には何がある…?
- 比較級だけ(あるいは最上級だけ)を強調する語句とは…?
- 強調語句は比較級(最上級)の前後どちらにつく…?
市販の参考書では、比較級・最上級の強調語句は一覧が列挙されているだけで、詳しい使い方まで述べられたものは少ない。困っている方も多いと思う。
そこでトイグルでは、比較級・最上級の強調に関して詳細を解説していく。学習の参考になるはずだ。
1. 比較級を強調する語句
比較級を強調する語句について、例文と共に紹介していく。
1-1. a bit
- (1) It’s better to wait a bit longer. (もう少し待ったほうがいいですね)
a bitは「少し」の意味で比較級を強調する。
bit自体の品詞は名詞だが、a bitは副詞的に用いられる。
1-2. a good deal / a great deal
- (2) Mary is a good deal better. (メアリーのほうがいい)
- (3) There is still a great deal more work to do. (まだまだやるべきことがたくさんある)
a good dealとa great dealは「相当」や「はるかに」の意味で比較級を強調する。
deal自体の品詞は名詞だが、a good dealとa great dealはともに、副詞的に用いられる。
1-3. a little
- (4) I’m a little older than you. (私はあなたよりも少し年上です)
a littleは「少し」の意味で比較級を強調する。
1-4. a lot / lots
- (5) The first software sounds a lot better than the second one. (最初のソフトウェアは2つめのものよりずっと良いようだ)
- (6) There’s lots more to discover. (まだまだたくさんの発見がある)
a lotやlotsは「ずっと」の意味で比較級を強調する。
a lotとlotsでは、lotsのほうがよりくだけた言い方とされる。
1-5. considerably
- (7) The number is considerably higher than initially expected. (数字は当初の予想を大幅に上回っている)
considerablyは「かなり」の意味で比較級を強調する。
1-6. even
- (8) That’s an even better idea. (それはさらに良いアイディアです)
- (9) I can’t be even more happy. (これ以上の喜びはありません)
evenは「さらに」の意味で比較級を強調する。
evenで強調する場合、通常は-erをつけて比較級をつくる形容詞が、moreで容認されることがある。(9)はeven more happyとなっている点に注意したい。
1-7. far
- (10) The quality is far better. (品質ははるかに優れている)
farは「はるかに」の意味で比較級を強調する。
1-8. marginally
- (11) Monthly rents for houses were marginally lower. (住宅の月額の賃料はわずかに減少した)
marginallyは「わずかに」の意味で比較級を強調する。
1-9. no
- (12) There is no better answer. (これ以上の答えはない)
- (13) Please register no later than September 16th, 2025. (申込みは遅くとも2025年9月16日までにお願いします)
noは「少しも…ない」の意味で比較級を強調する。
(13)のno later than(遅くとも…までに)にようなイディオム的な表現もある。
1-10. rather
- (14) They started to speak rather faster than usual. (彼らはいつもよりかなり早く話し始めた)
ratherは「かなり」の意味で比較級を強調する。
1-11. slightly
- (15) Myanmar is slightly larger than Afghanistan. (ミャンマーはアフガニスタンより少し大きい)
slightlyは「わずかに」の意味で比較級を強調する。
1-12. somewhat
- (16) Today was somewhat better. (今日はいくぶんマシだった)
somewhatは「いくぶん」の意味で比較級を強調する。
1-13. still
- (17) I’ll show you a still more excellent way. (もっと優れた方法をお伝えしましょう)
- (18) The results are better still. (結果はもっと良いですよ)
stillは「(なお)いっそう」の意味で比較級を強調する。
(18)のように比較級の後ろに置かれることもある。
1-14. substantially
- (19) Rates are substantially higher for students from low-income. (低所得者の学生の割合がかなり高くなっている)
substantiallyは「かなり」の意味で比較級を強調する。
1-15. very much
- (20) We can do these things very much better. (我々はこれらのことを非常にうまくできますよ)
very muchは「とても」の意味で比較級を強調する。
1-16. 数量表現
- (21) Exports were 20 per cent higher than the same time last year. (輸出額は前年同期比で20%増加した)
20 per cent(20%)などの数量表現も比較級を強調できる。
2. 比較級・最上級の両方を強調する語句
比較級・最上級をともに強調する語句について、例文と共に紹介していく。
2-1. arguably
- (22) What’s arguably more interesting is the behaviour of consumers. (さらに興味深いのは消費者の行動です)
- (23) Kobe A5 is arguably the best beef in the world. (神戸A5牛はおそらく世界で一番の牛肉です)
arguablyは「きっと」や「おそらく」の意味で、比較級や最上級を強調する。
(22)は比較級、(23)は最上級を強調している例である。
2-2. by far
- (24) Netflix is better by far. (ネットフリックスがはるかに良い)
- (25) This is by far the better way. (こちらがはるかに良い方法です)
- (26) This is by far the best family vehicle. (こちらは断然、最高の家庭向け車両です)
- (27) Ana is the smartest by far. (圧倒的にアナが一番賢い)
by farは「はるかに」や「断然」の意味で、比較級や最上級を強調する。
比較級の強調で使われる場合、通常、(24)のように比較級の後ろに置かれる。(25)のように、比較級の前にtheがあれば、比較級の前も可能。
最上級の強調の場合、最上級の前後どちらでも可能。(26)は最上級の前、(27)は最上級の後ろに置かれている例である。
2-3. ever
- (28) Wealth today is more unequally distributed than ever. (現在、富はかつてないほど不平等に分配されている)
- (29) This was truly our best ever. (これは過去最高の出来だった)
everは「かつて」や「今までに」の意味で、比較級や最上級を強調する。
(28)は比較級、(29)は最上級を強調している例である。
2-4. far and away
- (30) He’s far and away the best technician. (彼は圧倒的に優れた技術者です)
- (31) I can say digital is far and away better than analog. (デジタルはアナログに比べて圧倒的に優れていると言えます)
far and awayは「圧倒的に」や「断然」の意味で、比較級や最上級を強調する。
(30)は比較級、(31)は最上級を強調している例である。
2-5. much
- (32) You’re doing much better than you think you are. (あなたは自分が思っているよりずっとうまくやっています)
- (33) This year is much the worst. (この年が一番ひどい)
muchは「ずっと」の意味で、比較級や最上級を強調する。
(32)は比較級、(33)は最上級を強調している例である。
2-6. quite
- (34) This is quite the best news. (これはかなり最高のニュースです)
- (35) I hope you are feeling quite a lot better. (かなり体調が良くなってきたのではないでしょうか)
quiteは「かなり」の意味で比較級や最上級を強調する。
(34)のように最上級を強調することが多く、(35)のような比較級の強調はまれ。
2-7. significantly
- (36) The cost is significantly higher. (コストは著しく高くなります)
- (37) Most significantly, the film has no dialogue. (最も重要なのは, この映画に台詞がないことです)
significantlyは「著しく」や「もっとも」の意味で、比較級や最上級を強調する。
(36)は比較級、(37)は最上級を強調している例である。
英語の絶対最上級の使い方!例文でわかりやすく解説
2-8. yet
- (38) There was yet more literature to be analyzed. (さらに分析すべき文献があった)
- (39) That’s probably the biggest achievement yet. (それはおそらく今までで最大の成果でしょう)
yetは比較級の強調では「さらに」、最上級の強調では「今のところ」の意味で使われる。
(38)は比較級、(39)は最上級を強調している例である。
3. 最上級を強調する語句
最上級を強調する語句について、例文と共に紹介していく。
3-1. easily
- (40) He is easily the best bassist in the world. (彼は明らかに世界で一番のベーシストです)
easilyは「明らかに」の意味で最上級を強調する。
3-2. single
- (41) Quitting smoking is the single most effective step. (喫煙をやめることが唯一のもっとも効果的なステップです)
singleは「唯一の」の意味で最上級を強調する。
3-3. very
- (42) We offer the very best rates of cashback. (私たちは本当に最高のキャッシュバック率を提供します)
veryは「本当に」の意味で最上級を強調する。
3-4. 序数詞
- (43) The team has the third best record in baseball. (そのチームは野球界で3位の成績を残している)
first(第1の)を除く序数詞も最上級を強調する。
4. まとめ
この記事では、比較表現の強調語句について詳細を解説してきた。
トイグルでは他にも、英文法に関する記事を執筆している。興味のある方はぜひご覧いただきたい。
Good luck!