TOEIC Part7 長文読解問題の解き方とすぐにスコアを上げる5つのポイント

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TOEIC® Part7はリーディング長文読解問題である。受験者は英語の長文を読み、内容に関する設問に答える。

Part7は難易度が高いため、苦手意識を持っている受験者が多い。解いている最中に時間切れになり、全問を終えられなかった経験のある方も多いだろう。

そこでトイグルでは、Part7の解き方について詳細を解説していく。すぐにスコアを上げる5つのコツも取り上げられるため、試験を間近に控える方にも役立つ。

この記事を読めば、Part7対策の全体像がわかる。そして、Part7の正答率向上を実感できるはずだ。

(「TOEIC」は米国Educational Testing Service(ETS)の登録商標です。)

1. TOEIC Part7はリーディングスコアアップ最大の難所

TOEIC Listening and Reading Testはリスニングセクションとリーディングセクションの2科目で構成される試験である。Part7は長文読解問題であり、受験者はQ147からQ200まで全54問を解く。

Part7は文章の構成によって、さらに3つの箇所に分類される:

  • シングルパッセージ: 1つの文章を読んで2問から4問の設問に答える
  • ダブルパッセージ: 2つの文章を読んで5問の設問に答える
  • トリプルパッセージ: 3つの文章を読んで5問の設問に答える

シングルパッセージは10セット(= 1文章×10)、ダブルパッセージは2セット(= 2文章×2)、トリプルパッセージは3セット(= 3文章×3)あることから、Part7は合計15セットの長文を解くよう求められる。

TOEIC Part7の構成

Part7の文章は「英語圏で生活している人が、日常生活や仕事で見るであろう様々な文体」を想定している。そのため、Eメール、請求書、手紙のようなビジネス文章はもちろん、新聞記事、広告、予定表、といった日常的な文章も多数出題される。

試験は文章、設問文、選択肢のすべてが英語で印字されている。設問は内容理解を問うものが多い。英文和訳問題や和文英訳問題は出題されない。

リーディングセクションは全100問だが、Part7はそのうち54問と、リーディングの過半数を占めるパートである。ハイスコアを目指す上級者はもちろん、英語初級者の方であってもPart7は避けて通れない。

それでは、Part7はどのようにして対策すればいいのだろうか? 以下、詳細を見ていこう。

Part7に専門的な知識は不要

Part7は会計や通商など, 専門的な知識が必要な問題は出題されない. どれも常識の範囲内で解けるよう設計されているので, 学生など社会経験の少ない方でもスコアを上げられる.

2. TOEIC Part7の解き方

筆者の経験上、Part7は本文と設問の順番が概ね一致する。例えば、1つの文章に設問が3つの問題なら、設問1は文章の上部、設問2は文章の中部、設問3は文章の下部にヒントがある場合が多い。

そこで、Part7は文章を読む前にヒントの位置のおおよその目星をつける。「この設問はこの辺りにヒントがありそうだな」と予測しながら読むと、答えを見つけやすくなる。

以下、シングルパッセージ、ダブルパッセージ、トリプルパッセージの各文章を使い、筆者であればこれらをどう解くか、実演しながら解説したい。

2-1. シングルパッセージ問題の解き方

TOEIC Part7 シングルパッセージ

Q147. For whom is the advertisement most likely intended?
(A) An insurance agent
(B) A librarian
(C) An existing customer
(D) An architect

Q148. What is implied about Charlton Insurance?
(A) It has grown its customer base.
(B) It provides a service for families.
(C) It owns a website.
(D) It has renewed a policy.

1つの文章に設問が2つあるため、Q147は文章前半から中盤、Q148は文章中盤から後半にヒントがあると予測する。

Q147の設問文は「この広告はおそらく誰に向けたものと考えられますか?」の意味。この広告記事の読み手を推測する問題だ。

本文のタイトルはHome insurance offer(住宅総合保険のオファー)とあるため、個人向けに保険を勧める文章と仮定する。

本文1行目は「あなたの住宅総合保険はもうすぐ更新日なので、Charlton保険のメンバーのあなたに、電話での見積もりであなた専用の価格を得る機会があることをお知らせします」の意味。

1行目を読んだらいったん止まり、Q147を検証する。保険の勧誘の広告で、「Charlton保険のメンバーのあなたに」とあるので、答えは「(C) 既存顧客」とわかる。

続いて、Q148の設問文は「Charlton保険について何が示唆されていますか?」の意味。先程のQ147のヒントが既に本文に出たので、これ以降の箇所にQ148のヒントがあると推測する。

本文2行目は「この申し出は家庭の緊急事態、個人財産、および事故による損害などの追加オプションには利用できません」の意味。この時点でQ148を検証する。

  • Q148. Charlton保険について何が示唆されていますか?
    • (A) 顧客基盤を増やしている
    • (B) 家族向けサービスを提供している
    • (C) Webサイトを持っている
    • (D) 契約を更新した

選択肢を見たところ、確実に正解と言える選択肢、また確実に不正解と言える選択肢はどちらも存在しない。本文の次の行に進む。

本文3行目および4行目は「実際、2017年1月から4月の間、統合された建物と家財保険に、新規顧客の15%は190ドル以下を払いました。オプションサービスは除きます」の意味。同様にしてQ148を検証するが、まだ答えを確定できない。

第二段落の1行目は「注意: 新しい会員権は私たち企業全体で頻繁に加えられます」の意味。Q148を検証するが、まだ答えられない。

第二段落の2行目は「私たちはこれらをはじめにオンラインで発表します。そこで、どうか見逃さないようにチェックを続けてください」の意味。Q148を検証すると、(C)の「Webサイトを持っている」と合致する。よってQ148は(C)が正解。

このようにして、シングルパッセージは「ヒントの位置の目星をつける→本文を1行読む→設問を検証する→本文をもう1行読む→設問を検証する…」を繰り返す。事前の予想通り、本文と設問の順番も一致した。

Part7は全文を読んで答えるのか?

「Part7を解くのに全文を読む必要はあるのか?」に対する筆者の回答は「Part7は”結果的に”全文を読むことが多い」である.
Part7は設問のヒントが一箇所にかたまることは少なく, ヒントは文章全体にちりばめられている. ほとんどの場合, Part7を解く過程で「結果的に」全文に目を通すことになる.

2-2. ダブルパッセージ問題の解き方

TOEIC Part7 ダブルパッセージ
TOEIC Part7 ダブルパッセージ

Q176. Why did Mr. Poulter send the email?
(A) To ask about the venue
(B) To invite employees for the events
(C) To explain some changes on the schedule
(D) To complain about some employees

Q177. (省略)
(A) (省略)
(B) (省略)
(C) (省略)
(D) (省略)

Q178. (省略)
(A) (省略)
(B) (省略)
(C) (省略)
(D) (省略)

Q179. (省略)
(A) (省略)
(B) (省略)
(C) (省略)
(D) (省略)

Q180. What is NOT suggested about Professional Development Seminars?
(A) Leadership for Change & Innovation takes place from May 31 to June 2.
(B) Two different seminars are provided in Abu Dhabi.
(C) Seminars are given for free.
(D) New Venture Creation is available only in Malaysia.

(ダブルパッセージは各セットに5問だが, 本記事ではスペースの関係で2問のみ記載. )

ダブルパッセージは2つの文章から5つの設問を解く。片方の文章のみを参照して答えを導き出す設問と、両方の文章を同時に参照して答えを導き出す設問があるが、本文と設問の順番が概ね一致する原則は変わらない。

Q176の設問文は「PoulterさんはなぜEメールを送りましたか?」の意味。EメールのFrom(宛先)にSean Poulter、本文下部の名前にSeanとあるので、彼がEメールの書き手とわかる。

メール本文を読むと「能力開発セミナーへの無料招待をしたい」といった趣旨のことが書かれている。メールのTo(宛先)がAll Employees(全従業員へ)とあることから、Q176は選択肢Bの「従業員をイベントに招待するため」が正解とわかる。

続いて、Q180の設問文は「能力開発セミナーについて示されていないことは何ですか?」の意味。本文に関する誤った(あるいは掲載されていない)情報を探す。

Q180は文章内の5問目なので、設問のヒントは文章2、あるいは文章2を中心に文章1も同時参照する可能性が高い。各選択肢を検証する:

  • (A)「変化とイノベーションのリーダーシップは5月31日から6月2日に開催される」→ 文章2の上部で述べられているように正しい
  • (B)「異なる2つのセミナーがアブダビで行われる」→ 文章2の中部で述べられているように正しい
  • (C)「セミナーは無料」→文章1の上部で述べられているように正しい
  • (D)「ベンチャー企業の創造はマレーシアのみで行われる」→文章2の下部で「オンライン受講も可能」とあるから誤り

(D)の「ベンチャー企業の創造はマレーシアのみで行われる」は、文章2の最下部に「オンラインセミナーはあなたに柔軟な学習を提供します」とあるように、オンラインでも受講可なので、情報として誤っている。よって、選択肢Dが正解。

このように、ダブルパッセージも「ヒントの位置の目星をつける→本文を1行読む→設問を検証する→本文をもう1行読む→設問を検証する…」の手順に変わりはない。シングルパッセージよりも処理する情報は多いが、慣れればヒントの位置は発見しやすい。ぜひとも練習をしてみよう。

2-3. トリプルパッセージ問題の解き方

TOEIC Part7 トリプルパッセージ
TOEIC Part7 トリプルパッセージ
TOEIC Part7 トリプルパッセージ

Q186. What is probably true about Mr. Murray?
(A) He is unsatisfied with the ABC magazine.
(B) He is using multiple devices to read the
ABC magazine.
(C) He is an employee of the ABC magazine.
(D) He wants to renew some of his
subscriptions.

Q187. (省略)
(A) (省略)
(B) (省略)
(C) (省略)
(D) (省略)

Q188. (省略)
(A) (省略)
(B) (省略)
(C) (省略)
(D) (省略)

Q189. (省略)
(A) (省略)
(B) (省略)
(C) (省略)
(D) (省略)

Q190. Which plan does Mr. Murray currently subscribe?
(A) Print+Digital
(B) Student
(C) Digital
(D) Print

(ダブルパッセージは各セットに5問だが, 本記事ではスペースの関係で2問のみ記載. )

トリプルパッセージは3つの文章から5つの設問を解く。多くの設問は1つの文章のみ、あるいは2つの文章にヒントがあるが、稀に3つの文章すべてを参照する問題も出る。

Q186の設問文は「Murrayさんについておそらく正しいのはどれですか?」の意味。1問目なので文章1にヒントがあると考えられるが、文章1はMurrayさんについて何も述べられていないので、文章2を読む。

文章2はMurrayさんがカスタマーサポート宛に送ったEメール。文中に「私は定期購読をやめて自動更新を停止したい」、「アカウントページによれば4つの定期購読があり、うち3つの期間が重複している。なぜこのようになったのか説明がほしい」などと言っている。

上記の内容に最も近い、「彼はABCマガジンに不満を持っている」の選択肢Aが正解となる。他の選択肢については述べられていない。

続いて、Q190の設問文は「Murrayさんが現在定期購読しているプランはどれですか?」の意味。5問目の設問なので、文章3を中心に読みつつ、他の文章にもヒントがないか注意を払う。

文章3では「チェックをしたところ、Murray氏の定期購読は1つだけ。エラーによって重複が生じたことをお詫びする」とあり、「現在の定期購読は2017年3月8日に切れる」とある。

ここで文章1を見ると、該当の日付に定期購読が終わるのはDigital(デジタル版)のみである。よって、Q190は選択肢CのDigitalが正解。

トリプルパッセージも他の文章と同様に、基本的には「ヒントの位置の目星をつける→本文を1行読む→設問を検証する→本文をもう1行読む→設問を検証する…」で解ける。

ただし、トリプルパッセージはヒントの位置が薄く広く分散している傾向にある。「ヒントがなさそうだな」と思ったら、早めに別の箇所に目を移すようにしよう。トリプルパッセージはこうした切り替えが時間短縮の鍵となる。

1問を解くのに平均して読む単語数

Part7を解くのに平均して読む単語数は, 各文章の出現語彙数を設問数で割れば算出できる. 筆者が公式問題集を分析したところ, 次のような数字が出た: 

  • SP: 84語
  • DP: 87語
  • TP: 106語

シングルパッセージは1問を解くのに84語, ダブルパッセージは87語, トリプルパッセージは106語を平均して読むことになる. シングルとダブルにさほど差がないのは意外だが, トリプルパッセージがより広い範囲を読まなくてはならないのがおわかりいただけるだろう.

3. TOEIC Part7 文章ジャンル別の攻略法

Part7には様々な文章が出現するが、とりわけよく出るジャンルは次のとおり。

Eメール5〜9文章程度
記事1〜6文章程度
Webページ1〜4文章程度
広告0〜4文章程度
告知0〜4文章程度
手紙0〜3文章程度
チャット(スマホ)1〜2文章程度
チャット(パソコン)0〜1文章程度

ジャンル別に攻略のポイントを論じていこう。

3-1. E-mail (Eメール)

TOEIC Part7 メール

EメールはPart7でもっとも多く出現する文章である。

Eメールを読むときのポイントは次のとおり:

  • 差出人(From): 誰から送られたEメールなのか。ヘッダーのFrom欄と本文下部の差出人名が一致することを確かめる。本文下部には会社名や所属が載っていることもある
  • 宛先(To): 誰に対して送られるEメールなのか。ヘッダーのTo欄と本文上部の宛先(Dear Mr. X等)が一致することを確かめる。宛先は個人宛、会社宛、メーリングリストへの一斉送信などのパターンがある
  • メールアドレス: 差出人と宛先にメールアドレスが記載されていることがある。メールアドレスの@(アットマーク)以下を見れば、差出人と宛先の関係性がわかる(同じ会社の人or他人)
  • 送信日(Date): 稀に送信日と内容を関連付ける問題が出る
  • タイトル(Title): ヒントになることは少ないが一応目を通しておく

3-2. Article (記事)

TOEIC Part7 Article

Articleは「記事」の意味。新聞や雑誌の記事を想定している。

記事文章を読むときのポイントは次のとおり:

  • セリフ: 引用符で囲まれたセリフが多数出現。”This is our greatest achievement”, said Mr. Wilkins. (「これは私たちの最大の達成だ」とウィルキンス氏は言った)のようにセリフが前に来る場合と、Mr. Wilkins said “This is our greatest achievement”. (ウィルキンス氏は言った「これは私たちの最大の達成だ」)のように、セリフが後に来る場合がある
  • 情報の並置: Mark Wilkins, a professor of Marketing in UC International College, said … (マーク・ウィルキンス、UC国際大学のマーケティングの講師は言った…)のように、「, (カンマ)」を使った説明が多数出現
  • 縮約形: International Sports Association (ISA)のような縮約形が使われることもある

尚、筆者は社会人向けにマンツーマンで英語指導をしているが、article(記事)はどんなレベルの生徒様も「苦手」と言う、Part7でもっとも不人気な文章である。

3-3. Web page (webページ)

TOEIC Part7 web page

Web pageは「ウェブページ」の意味で、インターネットの英文Webサイトを想定した文章。

ウェブページを読むときのポイントは次のとおり:

  • 内容: 商品紹介ページ、レビュー、雑誌の申込み画面など、様々
  • URL: 時折, https://toiguru.jp/reviews/の「review(レビュー)」のように、文章のヒントとなる情報が載っていることがある
  • 表示: パソコン用の表示が多い。タブを模したものもある。今後はスマホ向けWebページの画面が出るかもしれない

3-4. advertisement (広告)

TOEIC Part7 広告

advertisementは「広告」の意味。大きく分けて、Part7の広告は商品の広告と求人広告の2つがある。

*商品の広告

  • 商品: 商品名(サービス名)、金額
  • 営業日: 営業日、営業時間、とりわけ土日祝の営業、平日の時短営業の日
  • 特典: 割引の条件、配送料無料、クーポン、初回特典等

*求人広告

  • 求人内容: 仕事内容、雇用形態(フルタイムorパートタイム)、勤務地など
  • 応募方法: 電話、メール、書類を持参など
  • 応募要件: 学歴、職歴、スキル、資格、推薦状など

求人広告で問われる学位一覧
英語圏では「学士号が必須」や「修士号が望ましい」のように, 取得学位が応募要件になることが多い. 各学位の英語表記を覚えておこう.
  • 学士号: Bachelor’s degree
  • 修士号: Master’s degree
  • 博士号: Doctoral degree / Ph.D

3-5. notice (告知)

TOEIC Part7 告知

noticeは「告知」の意味。告知文章を読む際のポイントは次の通り:

  • 内容: 社内報、ホテルの客向けの案内、レストランの顧客向けの案内、レストランの従業員向けの案内、美術館の案内、小売店の特売会、求人情報、道路の閉鎖、ウォーキング・ツアーの案内、朗読会の案内、不在通知など様々
  • 読み手に求められる行動: 申込む、投票する、メールする、参加する、読んで理解するなど

3-6. letter (手紙)

TOEIC Part7 手紙

letterは「手紙」の意味。手紙を読む際のポイントは次の通り:

  • 宛先: 文頭にDear X(Xさんへ)、欄外に相手の名前と住所が載ることも
  • 差出人: 名前、所属、会社名、署名。欄外上部に差出人の情報がある場合も
  • フォーマルな文体: 受動態の使用、婉曲的な表現、:(コロン)や;(セミコロン)などの句読点

3-7. text message chain (チャット)

TOEIC Part7 チャット

text message chainは「チャット」の意味。スマートフォンによるチャットアプリのやり取りを表す。ポイントは次の通り:

  • 登場人物: 2人のことが多い。1対1の対話。別人物について言及する場合も
  • 投稿時間: 基本的に連続。途中で間が空く場合は何かが起きている
  • カジュアルな文体: 会話に近い、省略の使用、フレーズの使用など

3-8. online chat discussion (オンラインチャットでの話し合い)

TOEIC Part7 チャット

online chat discussionも「チャット」の意味。パソコンによるビジネス向けチャットアプリのやり取りを表す。ポイントは次の通り:

  • 登場人物: 3人から4人程度。複数人が同時に会話をする。別人物について言及することも
  • 投稿時間: 基本的に連続。途中で間が空く場合は何かが起きている
  • 比較的カジュアルな文体: 手紙やメールに比べるとカジュアル

Part7とフォント

Part7はより現実的な英語使用場面を再現するため, 英文のフォント(文字)が文章によって異なる. ワープロ風なフォントだけでなく, 場合によっては手書き風なフォントが使われることがある. 事前にたくさんの問題を解いて慣れておこう.

4. TOEIC Part7 問題形式別のポイント

Part7の設問は以下の8種類に分けられる(名称と分類は筆者による。)

内容把握問題約20問
選択肢検証問題約12問
推測問題約8問
テーマ把握問題約5問
語彙問題約3問
NOT問題約2問
書き手の意図問題約2問
文挿入問題約2問
合計54問

以下、各問題形式のポイントを解説しよう。

4-1. 内容把握問題

内容把握問題とは、「ロング電機で何が売られていましたか?」のような具体的な質問に対して、4つの選択肢からもっとも適切な情報を選んで答える問題である。

  • What used to be sold at Long Electronics? (ロング電機で何が売られていましたか?)
    • (A) A refrigerator (冷蔵庫)
    • (B) An oven (オーブン)
    • (C) A dryer (乾燥機)
    • (D) A coffee machine (コーヒーマシン)

内容把握問題は特定の情報について問われるため、その情報が存在すると思われる場所を探す。先の設問なら「ロング電機ではこんなものを売っていた」が本文のどこかにあるから、その箇所を読めば答えられる。

内容把握問題によく出る問題文は次のとおり:

What …? (何)Who …? (誰)
Why …? (理由)How …? (方法)
How long …?
(長さ)
How many …?
(数)
How much …?
(量)
How often …?
(頻度)

4-2. 選択肢検証問題

選択肢検証問題とは、「Xについて何が示されていますか?」のような漠然とした質問に対して、4つの選択肢からもっとも適切な情報を選んで答える問題である。

  • What is suggested about Dream Technologies, Inc.? (ドリーム・テクノロジー社について何が示されていますか?)
    • (A) It has more than 1,000 employees. (1,000人以上の従業員がいる)
    • (B) It is expanding into overseas markets. (海外市場に拡大している)
    • (C) It has recently moved to Atlanta. (最近アトランタに移転した)
    • (D) It has multiple locations. (複数の店舗がある)

設問文(ドリーム・テクノロジー社について何が示されていますか?)にはヒントとなる情報が含まれていないので、4つの選択肢をそれぞれ本文と照らし合わせて正誤を検証する。

選択肢検証問題を効果的に解くポイントは本文を一気に読みすぎないことにある。本文を3行、4行と読んでから設問に戻ると内容を忘れてしまうので、1行ごとに選択肢を検証すると良い。

選択肢検証問題によく出る問題文は次のとおり:

What is indicated about…?
(…について何が示されていますか?)
What is suggested about…?
(…について何がわかりますか?)
What is stated about …?
(…について何が述べられていますか?)
What is true about…?
(…について正しいものはどれですか?)

Part7で時間が足りなくなる原因

選択肢検証問題はPart7で時間が足りなくなる原因の1つである. 特に, 本文を2度読みするとたちまち時間がなくなってしまう. 選択肢検証型は常に注意して進めたい.

4-3. 推測問題

推測問題とは、「イージー・ダインとは何と考えられますか?」のように、文中の情報から内容を推測して答える問題である。設問文のmost likely(おそらく)やprobably(おそらく)が推測問題の目印。

例を見てみよう。

  • What most likely is Easy Dine? (イージー・ダインとは何と考えられますか?)
    • (A) A cafe (カフェ)
    • (B) An accounting firm (会計事務所)
    • (C) A flower shop (花屋)
    • (D) A software company (ソフトウェア会社)

推測問題は本文中にヒントとなる情報がちりばめられているため、それらを結びつけて正解を導く。例えば、文中に「コーヒー」、「座席」、「オーダーを取る」といった話があれば、それはカフェであることがわかる。

推測問題によく出る問題文は次のとおり:

Who most likely is …?
(…は誰だと考えられますか?)
What most likely …?
(…はどんなものだと考えられますか?)
What is probably true about …?
(…について正しいと思われるものは何ですか?)
What is implied about …?
(…について何が示唆されていますか?)

4-4. テーマ把握問題

テーマ把握問題とは、「Eメールの目的は何ですか?」のように、文章の主題について問われる問題である。

  • What is the purpose of the email? (Eメールの目的は何ですか?)
    • (A) To hire new employees (新しい従業員を雇うこと)
    • (B) To ask for a refund (払い戻しを受けること)
    • (C) To show a price list (価格表を見せること)
    • (D) To specify a meeting place (会議の場所を特定すること)

テーマ把握問題を解くという観点からすれば、Part7の文章構成は2つのパターンに分けられる:

  • パターン1: 目的 → 説明
  • パターン2: 説明 → 目的

パターン1の「目的 → 説明」は、「私は払い戻しを受けたく、このEメールを書きました。先週購入したコートの裾が切れているのを発見したので、返品をしたいのです。手続きを教えてください」のように、文章の目的(結論)から先に述べる構成である。この場合は設問に答えやすい。

パターン2の「説明 → 目的」は逆で、「私は先週、あなたのお店でコートを買いました。ところが、最近になって裾が切れているのを発見したのです。Webサイトによれば返品が可能だったはず。どのようにして払い戻しを受ければいいですか?」のように、説明をしてから目的(結論)を書く構成である。

テーマ把握問題は複数出現するが、パターン2(説明 → 目的)の場合は文を最後まで読まないと解けない。テーマ把握問題を先に解いてから他の問題を解くと二度手間になるので、テーマ把握問題は後回しにしても良いだろう。

(例えば、ある文章にテーマ把握問題、内容把握問題、選択肢検証問題の3問が出たら、先に内容把握と選択肢検証問題を解き、その後テーマ把握問題を解く。)

テーマ把握問題によく出る問題文は次のとおり:

What is the purpose of …?
(…の目的は何ですか?)
Why is X writing …?
(なぜXさんは…を書いていますか?)
Why was … sent?
(…はなぜ送られましたか?)
What is … about?
(…は何についてですか?)

4-5. 語彙問題

語彙問題とは、文中に出現する特定の単語ともっとも近い意味の語を選ぶ問題である。

  • The word “reservation” in paragraph 3 line 2 is closest in meaning to (第3段落・2行目にあるreservationに最も意味が近いのは)
    • (A) concern (心配)
    • (B) proposal (提案)
    • (C) revenue (売上)
    • (D) choice (選択)

語彙問題を解くポイントは2つある。1つ目は、「パラグラフ」と「行」の区別をしっかりとつけ、該当の語句を直ちに早く発見することにある。

2つ目は、選択肢の語彙を文中の空白に当てはめ、それでも意味が通るものを選ぶことにある。Part7の語彙問題は文脈の中での語の使い方を問うものだから、「言い換え」ができるかどうかが判断の決め手になる。

もっとも、選択肢の語彙の意味を知らなければ、いくら考えても正解はできない。わからない語彙が複数出現したら、もっとも確からしい選択肢にマークをして、次の問題に行ってしまっても良いだろう。

語彙問題によく出る問題文は次のとおり:

The word X in paragraph 1 line 1 is closest in meaning to
(第1段落・1行目にあるXに最も意味が近いのは…)

4-6. NOT問題

NOT問題とは、「チェンさんについて言われていないものはなにか」のように、誤った情報を選ぶ問題である。NOTと大文字で強調されているのが目印だ。

  • What is NOT mentioned about Mr. Chen? (チェンさんについて言われていないものは何ですか?)
    • (A) He has a degree in economics. (彼は経済学で学位を取得している)
    • (B) He has met Ms. Watanabe before. (彼は以前ワタナベさんに会った)
    • (C) He lives in Romford. (彼はロムフォードに住んでいる)
    • (D) He has a driver’s license. (彼は運転免許証を持っている)

NOT問題で正解になる選択肢は2つのパターンがある。1つは文中で述べられていることに関する誤った情報である。例えば、チェンさんが工学を専攻したにもかかわらず、経済学で学位を取得している(A)とあれば、選択肢Aが正解(=誤った情報)となる。

NOT問題で正解になるもう1つのパターンは、文中で述べられていない情報である。チェンさんが以前ワタナベさんに会い(B)、現在ロムフォードに住み(C)、運転免許証を持っている(D)の情報が文中にあり、経済学の学位を持っている(A)だけが述べられていなければ、選択肢Aが正解となる。

NOT問題によく出る問題文は次のとおり:

What is NOT mentioned about …?
(…について述べられていないことは何ですか?)
What is NOT true about …?
(…について正しくないものは何ですか?)

4-7. 書き手の意図問題

書き手の意図問題とは、「午前9時30分にチェンさんが”I don’t mind”と書く際、何と意図していると考えられますか?」のように、カジュアルな表現の意味について問われる問題である。

  • At 9:30 A.M., what does Mr. Chen most likely mean when he writes, “I don’t mind”?
    • (A) He is willing to take over Ms. May’s duty. (彼はメイさんの任務を引き継いでも良いと思っている)
    • (B) He does not want to answer Ms. May’s question. (彼はメイさんの質問に答えたくない)
    • (C) He does not know why the problem happened. (彼はなぜその問題が発生したかわからない)
    • (D) He is happy to meet with a new client. (彼は新しいクライアントと喜んで会う)

書き手の意図問題のポイントは文脈を読み取る力である。I don’t mind.の文字通りの意味は「私は気にしません」だが、文の前後関係によって「気にしないから何かをやっても良い」や「気にならないくらい無関心である」など、様々な解釈ができる。

書き手の意図問題が出た時は、会話の前後を熟読して、もっとも確からしい選択肢を選ぶ。書き手がどのような心境でその発言をしたのか理解できれば、自ずと答えを選べるだろう。

尚、どうしても書き手の意図がわからない場合、選択肢の内容をポジティブネガティブで分けると良い。例えば、「彼はメイさんの任務を引き継いでも良いと思っている(A)」や「彼は新しいクライアントと喜んで会う(D)」は「私は気にしません」をポジティブに捉えた内容である。

一方、「彼はメイさんの質問に答えたくない(B)」や「彼はなぜその問題が発生したかわからない(C)」はネガティブな含みを持っている。会話の詳細がわからなくても、おおよそのニュアンスがわかれば選択肢を絞り込める。

書き手の意図問題の問題文は次のとおり:

At 10:00 A.M., what does X mean when s/he writes “…”?
(午前10時00分にXさんが…と書いた際, 何を意図していますか?)

4-8. 文挿入問題

文挿入問題とは、「[1], [2], [3], [4]と記載された箇所の後、次の文が入るのに最もふさわしいのはどれですか?」のように、挿入文を文章内に設けられた[1]から[4]の空白で適切な位置を選ぶ。

  • In which of the positions marked [1], [2], [3], and [4] does the following sentence best belong? “A new product prototype is to be presented in the next meeting.” (「新しい製品の試作品は次のミーティングで見せられます」)
    • (A) [1]
    • (B) [2]
    • (C) [3]
    • (D) [4]

文挿入問題を解くには文章の理解が何よりも重要である。文中の空白に挿入文を当てはめ、もっとも意味が自然に通る箇所を選ぶ。

文挿入問題を解く際は、挿入文に含まれる文法要素がヒントになる:

  • itとthey: 「それ」や「それら」は、本文の空白直前に対応する名詞があることが多い(例: 新商品を考案した。それは…)
  • the: 「その○○」といった場合、本文の空白直前に対応する名詞があることが多い(例: 新商品を考案した。その試作品は…)
  • thisとthat: 「この○○」や「あの○○」も同様に、 本文の空白直前に対応する名詞があることが多い(例: 新商品を考案した。この商品は…)
  • his, her, itsなど: 「彼の○○」、「彼女の○○」、「その○○」も同様に、本文の空白直前に対応する名詞があることが多い(例: X氏は新しい会社を立ち上げた。彼女の会社は…)
  • alsoやtoo: 「…もまた」を意味する表現は、文中で情報を追加的に示す場合に使われる(例: X氏は新しい会社を立ち上げた。彼女はまた、前の会社でアドバイザーも行っている…)
  • 固有名詞: Best Marketing Inc., (ベストマーケティング社)などの会社名、Ventom(ベントム)などの商品名が挿入文にあれば、空白の箇所に新規で登場することが多い(例: X氏は新しい会社を立ち上げた→ベストマーケティング社は100人を新規採用する)

文挿入問題の問題文は次のとおり:

In which of the positions marked [1], [2], [3], and [4] does the following sentence best belong? “…”
([1], [2], [3], [4]と記載された箇所の後、次の文が入るのに最もふさわしいのはどれですか?)

筆者注: 文挿入問題に含まれる引用符(” “)は挿入文を示すものであり、セリフを意味するわけではない。引用符ごと文中に入れるのではなく、引用符を外したセンテンスを入れる位置を考える問題である。

Part7 頻出単語800語まとめ

Part7によく出る英単語800語をまとめました。さらにスコアを上げたい方はこちらの記事もご覧ください。

5. TOEIC Part7ですぐにスコアを上げる5つのコツ

Part7ですぐにスコアを上げる3つのコツについて述べていきたい。

5-1. 時間配分を正しく行う (全レベル)

Part7は時間配分を正しく行わないと、後半で時間切れになってしまう。Part7の時間配分は次のとおり:

シングルパッセージ25分
ダブルパッセージ10分
トリプルパッセージ20分
合計55分

Part7はシングルパッセージ(=10文章)を25分、ダブルパッセージ(=2文章×2セット)を10分、トリプルパッセージ(=3文章×3セット)を20分、合計55分で解く。

ほとんどの受験者にとって、55分間でPart7を解くのは、練習時の倍以上のスピードに感じられる。ただ、これほどの速度を出さなければ制限時間内に全問を解き終えられず、最後の数十問を「色塗り」する結果になってしまう。

Part7を速く解けるようになるには『公式 TOEIC Listening and Reading 問題集』(通称、公式問題集)などを使った練習が有効だ。ストップウォッチなどを使い、時間を測ってPart7を解いてみよう。はじめは時間どおりにできなくても、繰り返し練習すれば速く解ける感覚をつかめてくる。

リーディングセクションの時間配分

リーディングセクションの時間配分については, 別記事で詳細を解説している. より詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧いただきたい:

5-2. Part7によく出るフレーズを覚える (初心者向け)

Part7では頻繁に使われるフレーズが存在する。これらは意味をそのまま覚えれば文を読めるので、初心者の方は頻出フレーズから学習してみよう。

Part7によく出るフレーズは次のとおり:

According to
(…によると)
as soon as possible
(可能な限り早く)
as you know
(ご存知のとおり)
Be aware
(…を知っていてください)
Be sure to
(必ず…してください)
Congratulations on
(…おめでとうございます)
Could you please …?
(…してくださいませんか?)
Do not hesitate to contact us
(遠慮なくご連絡ください)
E-mail us at
(…宛にメールしてください)
Feel free to contact us
(お気軽にご連絡ください)
for more information
(さらなる情報は)
give us a call at
(…に電話してください)
I am writing to
(…のために書いています)
I would like to
(…したいです)
I’m certain that
(…と確信しています)
I’m wondering if
(…かどうかと思っています)
If possible
(可能なら)
if you have any questions
(もし質問があれば)
let me know
(私に知らせてください)
let us know
(あなたに知らせます)
Make sure that
(…を確かめてください)
Note that
(…に気づいてください)
Please be advised
(…を知ってください)
Rest assured that
(ご安心ください)
Thank you for
(…をありがとうございます)
Thank you in advance.
(前もってお礼申し上げます)
Visit our website at
(Webサイトにお越しください)
We are happy to
(…を喜ばしく思います)
We are pleased to
(…について嬉しく思います)
We’re sorry to hear
(…を聞いて残念に思います)

フレーズがそのまま解答になる場合

フレーズで示される内容がそのまま解答になる場合もある. 例えば, 本文に「求人の申込みはこちらにメールしてください」とあり,「応募者はどうやって申し込みするよう言われていますか?」の設問があれば, 「メールする」が解答になる.

5-3. Part7解答中の集中力を維持する (中級者向け)

本番試験特有の課題に集中力がある。Part7は設問数が54問と長いので、解いている最中に集中力が切れがちだ。

筆者が実践する集中力維持の方法は次の2点となる:

  • Part7の構造をよく理解する: Part7はシングルパッセージが10文章、ダブルパッセージが2文章×2セット、トリプルパッセージが3文章×3文章と決まっている。歩き慣れた道が苦と感じないように、Part7の構造をよく理解して、自分が今どの問題を解いているか意識できるようになると、気が楽になる。
  • キリの良いところで小休止する: シングルパッセージの中間地点、ダブルパッセージの前、トリプルパッセージの前など、キリの良いところで小休止を取る。筆記用具を置き、頭を上げ、背伸びをする。数秒程度の休みが作業効率を上昇させ、数分以上の時間短縮をもたらす。

本番試験に近くなったら公式問題集などを使い、Part7を通しで解くことで、集中力管理の練習をしよう。練習時に集中力を維持できれば、本番でもきっとうまくいくはずだ。

試験前日はよく寝る

集中力は身体のコンディションから影響を受けることも多い. TOEICは一夜漬けでは対応できないので, 前日はよく寝て体力を回復するようにしよう.

5-4. 知らない単語が出たときの対処法 (中級者向け)

「Part7の内容を日本語で読めばわかる。英語で読むときも、出現する単語の意味をすべて知っていればいいのに…」と思うのは、受験者なら誰もが抱く素朴な感情だろう。

ただ、Part7は上級レベルの学習者をふるいにかけるため、難易度の高い語句が一定数出現する。実際、900点を超えるレベルの受験者でも、Part7で未知語に遭遇することは珍しくない。

そのため、Part7はすべての語彙を知っている状態を想定するのではなく、知らない語句が出てくるのを前提に、それらを適切に対処できるようになるのが望ましい。

文中に知らない語句が出た時の対処法は次の3つとなる:

  • 語形から推測する: 例えば, disclose(明らかにする)を知らなくても, dis-(反対)とclose(閉じる)からぼんやりと意味を推測できる.
  • 文脈から推測する: 例えば, quota(ノルマ)の意味がわからなくても, achieve a quotaとあれば, quotaは目標か何かの意味と推測できる.
  • 無視する: 多少の語彙なら無視をしても読解には差し支えない.

リーディングでハイスコアを取る受験者は、意識的かどうかはともかく、こうしたストラテジーを利用して文を読んでいる。ぜひとも知っておこう。

試験によく出る頻出語彙1,000語まとめ

以上は試験時に知らない語彙が出た時の対処法だが, 言うまでもなく日常の学習時は単語数を増やすよう心がけたほうが良い. トイグルでは試験によく出る頻出語彙1,000語をまとめた. リーディングと並行して進めてみよう.

5-5. ダブルパッセージの「欄外の出来事」(上級者向け)

ダブルパッセージは、時系列の観点からすると文章間に大きく2つの関係性がある:

  • パターン1: 文章1 = 文章2
  • パターン2: 文章1 → 文章2

パターン1の「文章1 = 文章2」は、時系列において文章1と文章2が同時に起こっている状況である。例えば、文章1がEメールで、文章2がその添付ファイルといった場合だ。

パターン2の「文章1 → 文章2」は、時系列において文章1があった後に文章2が作られた状況である。例えば、文章1がEメールで、文章2がそれに対する返信のメールと言った場合だ。

さらに、パターン2は文章1と文章2の間に、文中では述べられていない「欄外の出来事」が起こっている時がある。

例えば、文章1で「広告費の見積もりを出してほしい」とあり、文章外で見積もりの提示があった後、文章2で「先日の見積もりありがとう。あなたの会社で広告を出すことに決定します」と返信する場合である。

「欄外の出来事」が発生すると、文章間の関連性を見出すのが難しくなる。「いくら文を読んでも内容が入ってこない」といった場合、欄外の出来事が起きている可能性が高い。

特定の対処法はなく、とにかく注意するしかないが、欄外の出来事の存在を知るだけでも多少は文を読みやすくなる。ダブルパッセージを解く際は意識してみよう。

トリプルパッセージの欄外の出来事

実際のところ, トリプルパッセージでも欄外の出来事はよく発生する. また,「先日の○○に関してですが..」のように, シングルパッセージにも欄外の出来事を前提とした文章は出題される. このような「推測力」はスコアに大きな影響を与える.

まとめ: Part7を制して目標スコアを達成する

この記事ではPart7(長文読解問題)の解き方について、詳細を解説してきた。

内容をまとめると次のようになる:

  1. Part7はシングル・ダブル・トリプルパッセージの三種類がある
  2. 本文と設問の順番は概ね一致する
  3. Eメールや広告など様々なタイプの文章が出る
  4. 内容把握問題、選択肢検証問題、推測問題などが出る
  5. 本番では特に時間配分に注意して解く

Part7は「勉強しづらい」パートでもある。Part5(文法問題)のように規則の暗記で対処できず、解答から丸付けまでに時間がかかり、長文を読むから気楽に解けず(したがって「スキマ時間」で学習できず)、スマホアプリがないので紙の本を持たなくてはならない。

逆に言えば、多くの受験者にとって、Part7こそがスコアアップのフロンティアである。Part7を戦略的に解けるようになればリーディングスコアは大幅に上がる。この長文記事を最後まで読み終えたあなたはいま、Part7で成果を出せるようになっているはずだ。

トイグルでは他にも、TOEIC試験対策に関する記事を執筆している。興味のある方はぜひご覧いただきたい。

Good luck!

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