この記事には広告を含む場合があります。
記事内で紹介する商品を購入することで、当サイトに売り上げの一部が還元されることがあります。
TOEIC700点を目指す人は多い。
TOEIC700点を取れば就職の場面で英語力をアピールできる。人事評価にも有効で、ある外資系企業ではTOEIC700点を幹部候補の基準としている。
TOEIC700点について調べているあなたは、次のような疑問を持っていないだろうか?
- TOEIC700点の英語レベルを知りたい
- TOEIC700点を取るためのおすすめ参考書を知りたい
- TOEIC700点の勉強方法を知りたい
この記事では、TOEICに興味を持っている方のために700点の難易度と学習方法を説明していきたい。
市販の参考書のおすすめも紹介する。本記事を読めばTOEIC700点を取得する具体的なイメージができるはずだ。
- 筆者はTOEIC公開テストを毎回受験し、最新の傾向と対策を研究しています。当エントリーはそれを踏まえて2018年7月に全面改訂しました。
1. TOEIC700点のレベル
TOEICはリスニングセクションとリーディングセクションの二科目で構成される。結果は合否ではなくスコアで表示され、最低スコアは10点、最高スコアは990点、日本人の平均スコアは約580点である。
トイグルでは、TOEIC700点を英語中・上級者レベルと考えている。
TOEIC700点達成時点の感覚は、「設問はある程度自信を持って解ける。基礎的な単語力も身についた。英語が楽しくなってきた」といったイメージだ。
TOEIC700点台は受験者の約18%が該当する。
1-1. TOEIC700点は英検2級から英検準1級レベル
TOEIC700点の難易度をイメージするため、私たちが慣れ親しんでいる実用英語技能検定(以下、英検)とスコアの比較をしてみよう。
次の図は、TOEICと英検のスコア換算を表している。
TOEIC700点は英検2級(高校卒業程度)には合格できるものの、英検準1級(大学中級程度)には若干及ばないレベルだ。
筆者の個人的な経験では、TOEIC750点程度を安定して取れるようになり、英検の対策をしっかり行えば、準1級に到達できるようになる。
もちろん、TOEICと英検は形式がまったく異なる試験なので、特定の級を取れば直ちに該当のスコアを取得できるわけではない。あくまで目安として、参考程度に捉えていただきたい。
1-2. TOEIC700点に必要な勉強時間
次の表はTOEICスコアを上げるために必要な勉強時間を表している。
目標スコア | ||||||
現在のスコア | 450 | 550 | 650 | 750 | 850 | 950 |
350 | 225 | 450 | 700 | 950 | 1,225 | 1,550 |
450 | – | 225 | 450 | 700 | 975 | 1,300 |
550 | – | – | 225 | 450 | 725 | 1,050 |
650 | – | – | – | 225 | 500 | 825 |
750 | – | – | – | – | 275 | 600 |
850 | – | – | – | – | – | 325 |
(出典: Saegusa 1985)
もしあなたが英語未経験者で、現在のスコアを350点程度を仮定すると、TOEIC750点達成には約950時間の学習が必要である。現在の実力が450点なら700時間、550点なら450時間、650点なら225時間だ。
このように、TOEICスコアアップには多くの時間が必要なので、TOEIC700点を取得するには中間目標を定めたほうが良い。TOEIC400点、500点、600点と徐々に目標を達成していき、最終的にTOEIC700点を突破するのが理想である。
英語を使った仕事をしたい方にとって、TOEIC700点は実践的な英語力を身につけるスタートラインとなる。
2. TOEIC700点を目指す勉強方法
TOEIC700点を達成する勉強方法について解説したい。
まず、トイグルではTOEIC試験対策をリスニング対策、リーディング対策、本番試験対策の3つに分けている。
リスニング対策はリスニングセクション(Part1からPart4)の勉強、リーディング対策はリーディングセクション(Part5からPart7)の勉強、本番試験対策は実際の試験で2時間連続に耐えられる集中力づくりが学習課題だ。
TOEICでスコアを上げるには、これら3つを総合的に改善する必要がある。それぞれの詳細を説明しよう。
2-1. リスニング勉強法
TOEICリスニングセクションは4つのパートで構成される。
Part1 | 写真描写問題 | 6問 |
Part2 | 応答問題 | 25問 |
Part3 | 会話問題 | 39問 |
Part4 | 説明文問題 | 30問 |
*TOEIC Part1は風景問題を正解できるようにする
TOEIC Part1は写真描写問題である。問題用紙に記載された写真をもっとも適切に表す選択肢を選ぶ。
TOEIC700点を目指す段階では、Part1の中でも難易度の高い風景問題を重点的に対策したい。
例を見てみよう。
風景問題は目立つ人や物が写っていないため、問われる対象を事前に予測しづらい。主語を聞き取り、文の述べている対象を瞬時に把握でいるようにしよう。
筆者なら、先ほどの写真は次のような点に注意を向ける:
- 車が一列に並んでいる
- 窓ガラスの一部が開いている
- 標識が立っている
- 道路に白線がある
*TOEIC Part2は平叙文問題に自信を持てるようになる
TOEIC Part2は応答問題である。短い英語のセンテンスを聞いた後、返答としてもっとも自然な選択肢を1つ選ぶ。
TOEIC700点を目指す上で避けて通れないのが平叙文問題である。平叙文は一言をつぶやくメッセージで、Part2では疑問文以外の発話を指す。
例を見てみよう。
- I went to the exhibition last night. (私は昨晩、その展示会に行ってきました)
- (A) The exhibition center. (展示場です)
- (B) How many customers were there? (何人のお客さんがいましたか?)
- (C) What if he becomes a successful photographer? (もし彼が成功した写真家になったらどうなるだろう)
「私は昨晩、その展示会に行ってきました」に対し、もっとも自然なのは選択肢(B)の「何人のお客さんがいましたか?」だ。いわゆる「質問返し」なので難易度は高いが、意味は自然。
平叙文は他の設問のように条件反射的に解ける余地が少なく、文全体をきちんと理解しなければならない。繰り返しの練習が望まれる。
*TOEIC Part3/Part4は図表問題を対策する
TOEIC Part3は会話問題、Part4は説明文問題である。どちらも英語の長文を聞き、内容に関する設問に答える。
TOEIC700点を超えるなら、図表問題を積極的に解けるようにしたい。例を見てみよう。
- Q69. Look at the graphic. Which room does the man most likely stay in?
- (A) Room 216
- (B) Room 410
- (C) Room 501
- (D) Room 622
図表問題は選択肢に対応する情報が図表に掲載されており、その関連情報が音声で述べられる。
例えば、設問は「男性はおそらくどの部屋に泊まりますか?」だ。音声で「男性の部屋にSpa-like bathroomは存在しないがMini-barがある」と読み上げられれば、正解は選択肢(C)Room501と判断できよう。
このように、図表問題は音声を聞きながら文字を見るマルチタスクのため、効率的に解くには練習が必要だ。幸いにして設問数はさほど多くないため、通常の問題を中心にしつつ、図表問題にも手を付けられるようにしたい。
長文リスニング問題(Part3/Part4)でスコアを上げるポイントは集中力である。試験前に公式問題集をやり込み、69問を連続で解ける集中力を養おう。
2-2. リーディング勉強法
TOEICリーディングセクションは3つのパートで構成される。
Part5 | 短文穴埋め問題 | 30問 |
Part6 | 長文穴埋め問題 | 16問 |
Part7 | 長文読解問題 | 54問 |
*TOEIC Part5を10分間で解けるようにする
TOEIC Part5は短文穴埋め問題である。センテンス内の空白に、文法あるいは意味的にもっとも適した選択肢を入れる。
TOEIC700点未満を目指す場合、Part5は「得点源」のパートだった。しかし、700点を超える場合、リーディングセクションの過半数を占めるPart7(長文読解問題)に十分な時間を残したいため、Part5はこれまでと同じ正答数を維持しつつ、10分少々で解けるのが理想だ。
公開テストであれば、13時00分から約46分間リスニングセクションを解き、13時46分からリーディングセクションを始める。そこから10分間なので、13時56分頃にPart5を解き終わっているのが良い。
30問の設問を10分で解き終えるのは至難の業だが、どんなに遅くとも14時00分までにPart6を着手できるようにしよう。後ほど紹介する問題集を使い、時間管理の練習を徹底したい。
*TOEIC Part6は文章挿入問題以外を解く
TOEIC Part6は長文穴埋め問題である。文章内の空白にもっとも適した語句あるいはセンテンスを入れる。
TOEIC700点超えを目指す場合、以下のQ134のような文章挿入問題は捨て問題として、それ以外を解くようにしよう。16問中10から11問に正解しているのが理想だ。
*TOEIC Part7はシングルパッセージを25分間、ダブル・トリプルパッセージを30分間で解く
TOEIC Part7は長文読解問題である。英語の長文を読み、内容に関する設問に答える。
TOEIC700点を超える段階では、Part7の時間配分に注意を払いたい。1つの文章を読んで答えるシングルパッセージ問題は25分間、2つあるいは3つの文章を読んで答えるダブル・トリプルパッセージは30分間で解く。
シングルパッセージ | 29問 | 25分間 |
ダブル・トリプルパッセージ | 25問 | 30分間 |
長文を正確に読めるに越したことはないが、TOEICで必要とされるのは、限られた時間内に大量の設問を解く英文処理能力である。時間を計って解く練習を繰り返し行い、解答速度を速めていこう。
2-3. 本番試験対策
本番試験対策とは、2時間連続で設問を解く集中力を養うため、本番同様の環境で練習をする方法を指す。
本番試験対策には『公式問題集』などの模試が有効である。模試はリスニングセクション100問とリーディングセクション100問が収録されているので、休日など時間のある時に、それらを連続で解く。
まずはリスニングセクション100問を46分間で解答する。TOEICは単調な設問が淡々と続くので、試験中に集中力が切れた時はできるだけ早くそれに気が付き、早期に状況を立て直すようにする。
リーディングセクションの時間配分は次のようになる。
Part5 | 30問 | 10分 |
Part6 | 16問 | 10分 |
Part7 | 54問 | 55分 |
合計 | 100問 | 75分 |
これまで述べたように、リーディングセクションは時間を計りながら設問を解く。最初はパート別に時間を計測し、次にリーディングセクション100問を75分連続で解いてみよう。
トイグルではTOEIC解答用紙を用意した。設問解答に役立ててほしい。
参考: 単語勉強法
単語学習には大きく2つの目的がある。
1つは新規語彙の習得で、これは単語帳を使って新しい語彙をインプットすることが望まれる。
もう1つは既存語彙の強化で、これはリーディングの多読、あるいは問題集の解答を通じて、既に知っている語彙の定着を目指すものである。
TOEIC700点を目指す場合、この2つを同時並行で行いたい。語彙の幅と深さの両方を養おう。
TOEIC700点を取得する場合、丁寧に設問を解いて理解する「質」と、多くの設問から英語の経験値を増やす「量」の両方が求められる。
3. おすすめ参考書
TOEIC700点を取得するのにおすすめの教材(参考書・問題集)について説明しよう。
まず、TOEICスコアアップにはリスニング・リーディング・本番試験対策の他に、これらを支える単語力・文法力が必要である。
1冊の教材ですべてをカバーすることは難しいため、TOEIC700点を取るには複数の教材を組み合わせるのが効果的だ。
トイグルでは、TOEIC700点向けの参考書を4冊選んだ。
単語帳 | |
文法参考書 | |
問題集 | |
模試 |
1つずつ説明しよう。
3-1. 単語帳
『TOEICテスト スーパー英単語』はTOEIC試験によく出る語彙をまとめた単語帳。5人の著者が分析した3,000語が収録されている。
本書のユニークな点が、英単語がレベル別でも出る順でもなく、重要度順に並んでいる点にある。700点の英単語は本書1冊でカバーできるので丁寧にやり込もう。
3-2. 文法参考書
『TOEIC L&Rテスト 文法問題 でる1000問』はTEX加藤氏による文法問題集。Part5(短文穴埋め問題)の設問が1,049問収録されている。
本書は品詞問題や動詞問題など文法項目別に学べる点が良い。本番のような複合問題も13回分含まれているため、時間配分の練習もできる。学習の初期段階で終えたい1冊だ。
3-3. 問題集
『TOEIC TEST スコア激伸び模試 3回分 新形式問題対応編』は、資格の学校TACが制作するTOEIC問題集。リスニング・リーディングの設問が3セット、合計600問が収録されている。
本書はパート別対策をするのに適している。まずはTest1のPart1(写真描写問題)からPart7(長文読解問題)までを一通り解き、TOEICの問題形式を理解しよう。復習を行った後にTest2/Test3と解けば、英語力の向上が実感できるはずだ。
3-4. 公式問題集
『公式 TOEIC Listening and Reading 問題集 5』は、TOEIC主催者が制作している公式の問題集。本番試験と同じ200問が2回分収録されている。
先に述べた本番試験対策は、この『公式問題集』で行う。集中力と時間配分を練習し、実際の試験で120%の実力を発揮しよう。
参考: TOEIC700点レベルのPaperback
TOEIC700点レベルの英語力を習得したら、多読を行うことで英語に触れる量を増やしていきたい。『ガイコク人ニッポン体験記 Jon’s Chopsticks』は日本人向けに作られた多読教材。平易な英語で書かれているので、はじめての多読におすすめ。
まとめ: TOEIC700点は周囲に認められる英語力
この記事では、TOEIC700点の英語力・レベル・勉強方法・おすすめ参考書を紹介してきた。
内容をまとめると次のようになる。
- TOEIC700点は英語中・上級者レベル。
- TOEIC700点のためには複数の参考書を組み合わせて使う。
- TOEIC700点を取得するには、リスニング・リーディング・単語・文法・本番対策を行う。
TOEIC700点を超えると、周囲の人から「英語が得意な人」と認識されるようになる。また、英語力に対する自信が大きく変わるのも実感する。
TOEIC700点を取りたい!と思ったら、ぜひとも今日から学習をはじめてみよう。途中で困ったことがあれば本書に戻ってきてほしい。きっと何かの役に立つはずだ。
トイグルでは、英語学習やTOEIC試験対策に役立つ情報を発信している。本書が「役に立った!」と思う方は、ぜひ他の記事もお読みいただきたい。
Good luck!
(「TOEIC」は米国Educational Testing Service(ETS)の登録商標です。記事内のAmazonリンクはアソシエイトリンクを使用しています。)