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英語の自動詞とは、目的語を取らない動詞をいう。
例えば、arrive(到着する)、laugh(笑う)、look(見る)などが自動詞に該当する。
この記事では英語の自動詞に関して詳細を説明したい。学習の参考になるはずだ。
1. 自動詞は目的語を取らない動詞
自動詞について理解するには、例を見るのがよい。次の2つの文を比較してみよう。
- (1) John swam in the river.(ジョンは川で泳いだ)
- (2) The bridge collapsed. (その橋が崩壊した)
(1)はswam(swimの過去形)、collapsed(collapseの過去形)がそれぞれ自動詞である。
自動詞の特徴は目的語を取らない点にある。例文の構造は次のとおり:
主語 | 動詞 | 目的語 | その他 |
---|---|---|---|
John | swam | – | in the river |
The bridge | collapsed | – | – |
さて、(1)と(2)はどちらも自動詞を使った文だが、主語の役割に違いがある。
(1)は主語が動作主の役割を担っている。動詞swim(泳ぐ)は、主語Johnの動作・行為を表す。動詞の表すプロセスが終わった後、主語に本質的な変化は生じない。ジョンは泳いだ後もジョンのままである。
(2)は主語が対象物の役割を担っている。動詞collapse(崩壊する)は、主語The bridgeが受けた被害・影響を表す。動詞のプロセスが終わった後、主語に状態変化が生じる。崩壊した橋は、以前の橋と異なるものである。
以下、自動詞のより詳しい使い方を見ていきたい。
2. 自動詞の使い方
完全自動詞 | 不完全自動詞 | |
---|---|---|
目的語 | × | × |
補語 | × | ◯ |
自動詞は完全自動詞と不完全自動詞の2つの種類がある。
どちらも目的語を取らない点で共通しているが、完全自動詞は補語を取らないのに対し、不完全自動詞は義務的に補語を取る点に違いがある。
以下、それぞれの例を見ていきたい。
2-1. 完全自動詞
- (3) Santa Claus really exists. (サンタクロースは本当に存在する)
- (4) Some errors occurred. (いくつかのエラーが起こった)
- (5) It is raining. (雨が降っている)
- (6) Chiyoko lives in Japan. (チヨコは日本に住んでいる)
(3)は現在形、(4)は過去形、(5)は進行形の例。いずれも完全自動詞なので目的語や補語を必要としない。
(6)は完全自動詞でありながら、義務的な副詞語句を必要とする例。学校文法ではSV型とみなされるが、厳密にはSVA型と区別される。この場合、副詞語句(in Japan)がなければ文として容認されない(Chiyoko lives.は不可。)
2-2. 不完全自動詞
- (7) Steve is an accountant. (スティーブは会計士です)
- (8) She became a popular writer. (彼女は有名な書き手になった)
- (9) My mother is good at cooking. (母は料理がうまい)
(7)は「…である」、(8)は「…になる」の例。いずれも不完全自動詞なので、義務的に補語を取る。文型ではSVC型と判断される。
(9)は不完全自動詞でありながら、さらに義務的な副詞語句を必要とする例。学校文法ではSVC型とみなされるが、厳密にはSVCA型と区別される。この場合、副詞語句(at cooking)がなければ文として容認されない(My mother is good.は不可。)
3. 注意すべき自動詞の使い方
自動詞の使い方について、句動詞の用法を中心に、注意点を述べておきたい。
3-1. 自動詞+副詞辞
- (10) Another week went by. (もう1週間が経過した)
自動詞に副詞辞が組み合わさる場合、動詞全体は自動詞の働きをする。
(10)はwent by(go by)が自動詞の機能をもつ。
3-2. 自動詞+前置詞
- (11) We have agreed on ways of working together to protect the environment. (私たちは環境を守るため共同して働く方法に同意した)
- (12) XHTML stands for eXtensible HyperText Markup Language. (XHTMLはエクステンシブル ハイパーテキスト マークアップ ランゲージを表す)
自動詞に前置詞が組み合わせることがある。この場合、動詞全体は他動詞の働きを持つため、直後に目的語を取る。
(11)のagree単体は自動詞だが、agree onで他動詞の機能を持つ。受け身が可能。
(12)のstand単体は自動詞だが、stand forで他動詞の機能を持つ。受け身は不可。
3-3. 自動詞+副詞辞+前置詞
- (13) We are looking forward to seeing you again. (あなたにまた会えることを楽しみにしています)
- (14) The government ran out of money.
自動詞に副詞辞と前置詞が組み合わせることがある。この場合、動詞全体は他動詞の働きを持つため、直後に目的語を取る。
(13)のlook単体は自動詞だが、look forward toで他動詞の機能を持つ。受け身が可能。
(14)のrun単体は自動詞だが、run out ofで他動詞の機能を持つ。受け身は不可。
参考: 英語の自動詞一覧
arise (生じる) | arrive (到着する) |
cease (終わる) | cough (咳をする) |
cry (泣く) | depart (出発する) |
deteriorate (悪化する) | die (死ぬ) |
dine (食事をする) | disappear (見えなくなる) |
exist (存在する) | expire (期限が切れる) |
flourish (栄える) | happen (起こる) |
hesitate (ためらう) | laugh (笑う) |
occur (起こる) | pause (止める) |
prosper (繁栄する) | rise (上がる) |
scream (叫ぶ) | sleep (眠る) |
smile (微笑む) | sneeze (くしゃみをする) |
speak (話す) | swim (泳ぐ) |
vanish (消える) | vary (異なる) |
wait (待つ) | work (働く) |
(参考: Collins Cobuild English Grammar)
まとめ: 自動詞を上手に使おう
この記事では、英語の自動詞について詳細を解説してきた。
内容をまとめると次のようになる:
- 自動詞は目的語を取らない動詞
- 自動詞は受動態では使われない
- 自動詞には完全自動詞と不完全自動詞がある
- 自動詞+副詞辞は自動詞の機能を持つ
- 自動詞+前置詞と自動詞+副詞辞+前置詞は他動詞の機能を持つ
筆者の経験上、学習者は自動詞・他動詞のうち、自動詞に苦手意識を持つ人が多いように思える。自然な英語を使うには自動詞の用法をマスターしたい。
トイグルでは他にも、英文法に関する記事を執筆している。興味のある方はぜひご覧いただきたい。
Good luck!