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英語の単純現在形とは、I live in Tokyo.(私は東京に住んでいる)のliveやHe is happy.(彼は幸せだ)のisなどにあらわされる動詞の形である。
英語を学習しているあなたは、次のような疑問を持っていないだろうか?
- 単純現在形の使い方がわからない…
- 「歴史的現在」とはなにか…
- 単純現在形が未来を示せるのはなぜ…
そこでトイグルでは、単純現在形について詳細をまとめていく。図やイラストを使って直感的にわかりやすいようにした。学習の参考になるはずだ。
単純現在形は現在を基準とした幅のある時をあらわす
単純現在形の使い方をひとことで言えば、「現在を基準とした幅のある時をあらわす表現」である。
例を見てみよう。次の英文は単純現在形が「現在の状態」をあらわす場合である。
- (1) I live in London. (私はロンドンに住んでいる)
話し手は現在、ロンドンに住んでいる。この状態は過去にはじまり、現在に当てはまり、そして未来にわたって続くと思われる。
別の例を見てみよう。次の英文は単純現在形が「現在の習慣」をあらわす場合である。
- (2) I go to the gym every day. (私は毎日ジムに行きます)
話し手は毎日ジムに行く習慣がある。このことは過去、現在、そして未来にわたって繰り返される。こうした用法も単純現在形が意図するところである。
単純現在形は「あらゆる時に当てはまること」をあらわす際にも使われる。
- (3) The sun rises in the east. (太陽は東から出る)
太陽が東から出るのは、過去、現在、未来を問わず「あらゆる時に当てはまること」である。このような永遠の真理にも単純現在形が使われる。
このように、単純現在形は「現在を基準とした幅のある時」をあらわす。幅の長さは「ロンドンに住んでいる」のような短いものから、「太陽は東から出る」のような永遠に続くものまで様々である。
以下、単純現在形の詳細を見ていこう。
1. 現在をあらわす単純現在形
単純現在形は主として、現在の状態をあらわす際に使われる。
1-1. 現在の状態をあらわす時
- (4) Susan lives in Paris. (スーザンはパリに住んでいる)
- (5) I have a mobile phone. (携帯電話を持っています)
- (6) Ken belongs to the golf club. (ケンはゴルフクラブに所属しています)
- (7) I really like my job. (本当に仕事が好きです)
単純現在形は現在の状態をあらわす際に使われる。
(4)はスーザンがパリに住んでいるという状態をあらわす。
(5)は所有、(6)は所属、(7)は心理状態の例である。
1-2. 現在の習慣をあらわす時
- (8) I eat rice every day. (毎日米を食べる)
- (9) Pandas eat bamboo. (パンダはササを食べる)
単純現在形は現在の習慣をあらわす際にも使われる。
(8)は話し手が毎日米を食べる習慣があることを示している。(9)のように主語が動物になると、その動物の習性をあらわす。
注: 習慣や習性をあらわす用法では、その動作が発話時に起きているとは限らない。たとえば、(8)は発話時に米を食べていなくとも、日々米を食べる習慣があれば成立する。
1-3. 目の前で起きていること
- (10) Adam passes the ball to Frazier! (アダムはフレイジャーにボールを渡した!)
- (11) Here comes the train! (電車が来たよ!)
目の前で起きている瞬間的な動作をあらわす際、単純現在形が使われることがある。
(10)はスポーツ中継の例である。単純現在形を用いることで、目の前の生き生きとした様子を示せる。
(11)のような感嘆文で用いられることもある。
1-4. 手順の説明
- (12) You cross a bridge and soon will see a sign for the Nature Trail. (橋を渡ります、そうすると間もなくネイチャー・トレイルのサインを見られるでしょう)
- (13) Now I put the cake-mixture into this bowl and add a drop of vanilla essence. (このボウルにケーキミックスを入れ、バニラエッセンスを1滴加えます)
(13: Meaning and the English Verb)
単純現在形は手順の説明で使われることがある。
(12)は道案内の例、(13)は料理の実演をしている例である。
1-5. 手紙やEメールの中で
- (14) I enclose a letter from my cousin. (いとこからの手紙を同封しています)
- (15) We write to inform you that your account has been blocked. (あなたのアカウントが凍結されたことをお知らせします)
- (16) I look forward to meeting you again. (あなたに再びお会いできるのを楽しみにしています)
手紙やEメールの中において、いくつかの固定した表現は単純現在形で用いられる。
Swanによれば、これらを現在進行形で用いることもできるが、その場合はフォーマルさが薄れると言う。
- (14′) I am enclosing a letter from my cousin.
- (15′) We am writing to inform you that your account has been blocked.
- (16′) I am looking forward to meeting you again.
(参考: Practical English Usage)
1-6. 発言自体が行為になること
- (17) I apologize. (謝罪します)
- (18) I declare this bridge open. (この橋の開通を宣言します)
(18: Oxford Advanced Learner’s Dictionary 第10版)
発言自体が行為になることでは、単純現在形が使われる。
(17)は「謝罪します」の意味だが、このような発言をすることそのものが、謝罪の意を示す。
(18)は「橋の開通を宣言します」だが、宣言するという発言自体が宣言という行為をあらわす。
1-7. あらゆる時に当てはまること
- (19) Water boils at 100°C. (水は100度で沸騰する)
- (20) The Nile River flows into the Mediterranean Sea. (ナイル川は地中海に注ぐ)
- (21) No news is good news. (便りのないのはよい便り)
あらゆる時に当てはまることは、単純現在形が使われる。
(19)は科学的な事実を述べている。現在、過去、未来を問わずいずれの時にも当てはまるので、単純現在形を用いる。
(20)は地理的な事実を述べている。こちらも時間を問わず当てはまることなので、単純現在形を使う。
(21)のようなことわざも単純現在形を使うことが多い。
2. 過去をあらわす単純現在形
いくつかの場面において、単純現在形は過去をあらわす際にも使われる。
2-1. 歴史的現在
- (22) “So he stands up in the boat and waves his arms to catch our attention.”
(「そこで彼はボートに立ち上がり、気を引くために手を振ったんだ」)
小説や会話などでは、過去のことであっても、単純現在形を用いることがある。
(22)で彼がボートに立ち上がり、手を振ったのは、まぎれもなく過去の出来事である。
2-2. 歴史年表など
- (23) 2012 ― Microsoft releases Windows 8. (2012年―マイクロソフトはウインドウズ8を発表)
(Microsoft Company History Timeline)
歴史年表などでは、過去のことであっても、単純現在形を用いることがある。
(23)はマイクロソフト(米国のIT企業)の企業年表の一部である。
2-3. 新聞の見出し
- (24) Europe’s Super League scores a spectacular own goal (ヨーロッパのスーパーリーグが見事なオウンゴールを決めた)
新聞の見出しでは、過去のことであっても、単純現在形を用いる。
(24)はエコノミスト誌(イギリスの経済誌)の記事の見出しの例である。
3. 未来をあらわす単純現在形
いくつかの場面において、単純現在形は未来をあらわす際にも使われる。
3-1. カレンダーや時刻表などで決められている予定
- (25) Tomorrow is Tuesday. (明日は火曜日です)
- (26) The train leaves at ten o’clock tomorrow morning. (電車は明日の朝10時に出ます)
カレンダーや時刻表などで決められている予定は、未来のことであっても、単純現在形を用いる。
(25)はカレンダー、(26)は時刻表の例である。
注: 法改正などにより、月曜日の次が火曜日でなくなる可能性はある。また、電車は時刻表どおりに運行されないことはありうる。ただ、それは事後的な話であり、問題は現時点において確定している予定か否か、ということである。
3-2. 変更がないと思われる確実な予定
- (27) I start work next Monday. (次の月曜日から働きはじめます)
変更がないと思われる確実な予定に対しては、未来のことであっても、単純現在形を用いる。
(27)は、話し手が来週月曜日から出社と決まっており、現時点で変更がないので、単純現在形が使われている。
3-3. 自然の法則によって確実に起こること
- (28) The sun rises at 4:53 tomorrow. (明日の日の出は4時53分です)
自然の法則によって確実に起こることは、未来のことであっても、単純現在形を用いる。
(28)は日の出をあらわすものだが、太陽が登る時刻は予測時刻のとおり確実に起こるからである。
3-4. 時や条件をあらわす副詞節
- (29) Tell me when you‘re ready. (準備ができたら教えてください)
- (30) If it rains tomorrow, don’t go outside. (明日が雨なら外出はしないこと)
時や条件をあらわす副詞節の中では、未来のことであっても、単純現在形を用いる。
(29)は時をあらわす接続詞when、(30)は条件をあらわす接続詞ifが使われている例である。
3-5. that節, wh節, 関係詞節など
- (31) Make sure you get up early. (早起きしなさいね)
- (32) The press is bound to report what she says tomorrow. (報道機関は彼女が明日言うことを報道するはずです)
- (33) The man she marries will have to be rich. (彼女が結婚する人はお金持ちでなくてはなりませんね)
(Meaning and the English Verb)
Leechによれば、that節、wh節、関係詞節などの中で、未来のことが単純現在形であらわされることがあると言う。
(31)はthat節、(32)はwh節、(33)は関係詞節の例である。
参考: 単純現在形のつくり方
単純現在形はbe動詞と一般動詞の場合で異なる。
be動詞の場合
I | am |
You | are |
He | is |
She | is |
It | is |
We | are |
You | are |
They | are |
英語be動詞の使い方!ポイントは「XがYにある」の感覚を理解すること
一般動詞の場合
I | work |
You | work |
He | works |
She | works |
It | works |
We | work |
You | work |
They | work |
三単現のs(三人称単数現在のs)はなぜ使う?仕組みを解説します
まとめ: 単純現在形を乗り越える
この記事では、英語の単純現在形について詳細を解説してきた。
内容をまとめると次のようになる:
- 単純現在形は現在を基準とした幅のある時間を示す
- 単純現在形は現在の状態や習慣に使う
- 単純現在形はあらゆる時に当てはまることに使う
- 単純現在形は過去の出来事に使うことがある
- 単純現在形は未来の出来事に使うことがある
トイグルでは他にも、英文法に関する記事を執筆している。興味のある方はぜひご覧いただきたい。
Good luck!
確定的な未来や予定は、現在形で表すとのことですが、何故「来月、私は18歳になります」は I am 18 years old next month. とは言わず、I will be を用いるのでしょうか?
来月までに亡くなり、18歳になれないかもしれないからかとも考えました。
しかし、それは電車の時刻表などが事故などでズレるのと同じだと思いました。
>ハマダ様
非常に難しいところですが、
1. まず、ご存知のとおり、「単純未来」は通常、助動詞willを使って表します。
よって、提示された例文でwillが使われるのは、何ら問題ありません。
2. 確定的な未来の予定は単純現在形を使うということですが、これには様々な制約があります。
まず1つは「カレンダーや時刻表などで決められている予定」です。これは「定義によって決まっている」ためです。
(ある人がその誕生日に生まれるのは偶然であり、定義によって決まっているものではないと考えられます。)
また、「変更がないと思われる確実な予定」も単純現在形ですが、これも来月から出社するのように、「他人によって決定されたこと(= 自分の意志では変更できないこと)」のみに用いるということがあります。
もちろん、誕生日は自分で決めるものではなく、両親の都合で決定されるわけですが、こうした場合においても、「変更がないと思われる確実な予定」には該当しないと考えます。
要するに、「確定的な未来の予定は単純現在形を使う」という法則は、かなり限られた文脈のみに適応されることです。
誕生日はこうした文脈に該当しない(と英語の世界では考える)ので、willを使ってあらわすのではないかと思います。
尚、これは本件に限りませんが、英文法の参考書などで「Xの場合は…を用いる」などの記述があったとしても、それはある特定の文脈(=多くはその例文によって示される)のみで適応されるということが多いです。
ある文が、それに該当すると思われる規則に当てはまらない時、教科書の例文と照らし合わせると、「この文はこの規則の想定する状況にないのかも?」として、解決の糸口がつかめるというのが、私のこれまでの経験です。
ご参考まで…