【保存版】英語スライドの作り方完全ガイド!初心者でも「伝わる」資料になる方法

グローバル化やオンライン会議の普及により、英語でスライドを作り、プレゼンする機会は増えてきています。

その一方で、「日本語の資料をそのまま英訳していいのか分からない」「英語でスライドを作ると、文字が多くなってしまう」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

良い英語スライドを作るポイントは、伝えたい情報を取捨選択し、短くシンプルに見せることです。

この記事では、英語スライド初心者の方でも実践できるように、基本構成と見やすく伝わるスライド作りのコツを、実例を交えて解説します。

「何からどう作ったらいいのか分からない」という方でも大丈夫です。

この記事をきっかけに「伝わる」英語スライドを一緒に作っていきましょう。

【実例あり】英語スライドの基本構成の作り方

ここでは、基本的な構成(流れ)に沿って、英語スライドをどのように作成するのかを、実例を交えながら解説します。

今回紹介するスライドは、海外オフィスのメンバーに向けた社内プレゼンテーションを想定して作成しています。

シナリオ:日本の旅行会社「ジャパンコネクトガイド」が、京都のローカル体験をオーダーメイドで企画・ガイドする新サービスを開発。アメリカの旅行代理店ABCトラベル社に導入後、5ヵ月間の進捗状況を報告する。

1. Title(タイトル)

タイトルでは、何についてのプレゼンなのかが一目でわかるようにします。

【実例スライド】

タイトルスライドには、必要に応じて、次の情報を含めるのが一般的です。

  • プレゼンタイトル
  • 発表者名
  • 所属・役職
  • 会議名・イベント名
  • 日付(月、日、年の順番)

日付や発表者情報を入れる場合は、あくまで補足情報として最小限にとどめましょう。

タイトルのスライドを作るポイント
  • 何についての発表かがひと目でわかる
  • タイトルは15ワード以内が目安
  • タイトルの文字は50pt以上を目安に大きく表示

2. Agenda(目次)

Agenda(目次)スライドでは、これからどんな流れでプレゼンが進むのかを聞き手と共有します。

プレゼンの最初に全体像を示しておくことで、聞き手はプレゼンのゴールを予測しながら安心して話を聞けます

【実例スライド】

今回の例のような社内向け進捗報告では、以下の構成(流れ)が基本です。

  • Overview:認識合わせ
  • Key Findings:数字・成果
  • Discussion:理由・課題
  • Conclusion / Next Steps:判断と行動

プレゼンの目的に応じて適切な流れを作りましょう。

また、項目が多すぎると、それだけで情報量が多く見えて、聞き手に負担を与えてしまいます。

目次の項目は5〜7つにおさえて、全体像をひと目で把握しやすくしましょう。

スライドを作る時のチェックポイント
  • 各項目は 1 行で短くする
  • 名詞で統一する(”Introduction” “Introducing”など表記を揃える)
  • 数字を使う(国籍問わず流れをつかみやすい)

3. Overview(概要)

Overview(概要)スライドは、このプレゼンで扱うテーマや背景について、聞き手と認識を合わせるためのスライドです。

【実例スライド】

新サービスの進捗報告が目的のプレゼンであれば、次の3つを簡潔に整理して示します。

  • 新サービスが必要となった背景
  • どのようなサービスなのか
  • 導入後にどのような価値を生むのか

ここでは新しい説明を加えるのではなく、「事実・前提」だけを短く並べることがポイントです。

スライドを作る時のチェックポイント
  • 箇条書きは3~5点程度まで
  • 各項目は1メッセージ
  • 新しい情報や詳細説明は入れない
  • 専門用語は最小限にし、誰にでも理解できる表現を心がける

4. Key Findings(主要な成果)

Key Findings のスライドは、プロジェクトや研究で実際に何が起きたのか、どのような結果が得られたのかを、数字や事実で示すためのスライドです。

進捗報告プレゼンにおいて、このパートは聞き手が最も注目する部分でもあります。

感覚的な評価ではなく、グラフやデータを使って客観的な結果をわかりやすく示しましょう

4-1. 折れ線グラフを使う

月ごとの予約件数や売上推移を伝える場合、折れ線グラフを使うのがおすすめです。

【実例スライド】

こちらの例では3つの商品について、月ごとの予約数の推移を折れ線で示しています。

各商品の伸び方や停滞しているタイミングを一目で把握できます。

スライドを作る時のチェックポイント
  • グラフは1スライドにつき1つまで
  • タイトルで「何が分かるグラフか」を示す
  • 装飾は最小限にし、変化の流れを強調する

4-2. 円グラフを使う

顧客満足度や評価の内訳について伝える場合は、円グラフを使うのがおすすめです。

【実例スライド】

色や項目が多すぎると、聞き手は「どれが何を意味しているのか」を考える必要があり、グラフを見るだけで疲れてしまいます。

そのため、評価の種類は5段階程度におさえ、色も最小限におさえましょう。

スライドを作る時のチェックポイント
  • 評価の種類は5段階程度にまとめる
  • 色を使いすぎず、見ただけで違いが分かる配色にする
  • それぞれの割合や評価名は、グラフの近くに分かりやすく表示する

5. Discussion(考察)

Discussion(考察)スライドは、Key Findings(成果)で示した内容が「なぜそのような結果となったのか」を整理します。

数字の背景にある要因や課題を明らかにして、Next Steps(次のアクション)につなげることが重要です。

【実例スライド】

今回のような新サービス導入後の進捗報告では、主に次の観点から整理すると分かりやすくなります。

  • なぜ予約件数が増加したのか
  • なぜ評価が分かれたのか
  • 想定通りだった点・想定外だった点は何か

良い結果と課題の両方を整理することで現状を正しく共有でき、Next Steps(次のアクション)を検討しやすくなります。

スライドを作る時のチェックポイント
  • 数字の「理由」に焦点を当てる
  • 推測と事実を混同しない(”We assume…”、”Data shows…”など)
  • 良い点・課題の両方をバランスよく扱う
  • Next Steps に直結する内容に絞る

6. Conclusion(結論)

Conclusion(結論)のスライドは、ここまでの内容をふまえて、現時点で何が言えるのかを端的にまとめます

これまでのプレゼン内容をいったん整理し、Next Stepsへつなげるための材料を提示しましょう。

【実例スライド】

ここでは、新しい情報は入れず、事実と結果のみを簡潔にまとめるのがポイントです。

今回の進捗報告では、次のような点が結論として挙げられます。

  • 新サービスの予約件数は月ごとに増加している
  • 顧客から一定の評価を得ている
  • 体験内容やガイド対応のばらつきが見られる

良い点と課題点の両方をバランスよく含めることで、今後のアクションを検討しやすくなります。

スライドを作る時のチェックポイント
  • 良い点・課題の両方をバランスよく含める
  • 今後の行動につながる内容に絞る
  • 長い文章は避け、要点のみを簡潔に示す

7. Next Steps(今後のアクション)

Next Steps(今後のアクション)スライドは、Conclusion(結論) で整理した内容をもとに、次に取る行動や検討事項を示すためのスライドです。

ここでは、具体的なタスクを並べることで、関係者の認識をそろえます。

【実例スライド】

今回の進捗報告をふまえると、次のようなアクションが考えられます。

  1. ガイド対応品質の基準整理と共有
  2. 満足度の高い体験プランの整理・強化
  3. 直前予約増加を踏まえた受け入れ体制の見直し

優先度が伝わる順番で、次に取るべき行動を示しましょう。

なお、ここではすべての検討事項を決めきる必要はありません。

「次に検討すべきテーマ」を示すことで、このあと誰が・何を・いつまでに進めるのかを話し合う「土台」を作ることが目的です。

スライドを作る時のチェックポイント
  • 行動や検討内容が具体的にイメージできる表現にする
  • できるだけ数を絞り、優先度が伝わる構成にする(3~5項目)
  • Conclusion の内容とつながっているか確認する
  • 次の会議やアクションにつながる余白を残す

8. Q&A / Closing(質疑応答 / 締め)

Q&A スライドは、プレゼン内容に対する質問を受け付けるための区切りとして使います。

スライドは、シンプルに「Q&A」や「Questions?」と表示するだけで十分です。

【実例スライド】

文章を入れすぎると、かえって質問しづらくなるため、スライド中央に大きく文字を配置する程度にとどめましょう。

Q&A のあとには、Closing(締め)のスライドを用意するのが一般的です。

【実例スライド】

ここでは、” Thank you.” や ” Thank you for your attention.”のような表記が一般的です。

会社ロゴや連絡先を添えると、ビジネスプレゼンとしての印象も高まります。

良い英語スライドを作る7つのコツ

英語スライドを作る際、日本語スライドとは異なるポイントを意識する必要があります

ここでは、初心者でも「伝わる」英語スライドを作るための7つのコツを、良い例と悪い例を交えながら解説します。

1. 日本語文を直訳しない

良いスライドを作るには、日本語の文章をそのまま英語に直訳するのではなく、伝えたい内容を整理してから英語に落とし込むことを意識しましょう。

たとえば、以下の日本語をそのまま英訳すると、英語スライドは読みにくくなります。

【悪い例】

文量が多いため、スライドを見ただけでは「何を伝えたいのか」が一瞬で分かりません

英語スライドでは、「一瞬で意味が伝わる形」になっているかどうかが重です。

【良い例】

スライド用の英文を作る際は、次のポイントを意識しましょう。

  • 1行1メッセージ
  • 動詞から始める(主語、時制は省略)
  • 1番伝えたいキーワードだけを残す

文章ではなく、主語などを省略した短いフレーズで表現するのがコツです。

2. スライド=1メッセージが原則

英語スライドでは、1スライドにつき伝えたいメッセージは1つに絞るのが基本です。

次の悪い例では、2種類の情報が1つのスライドに詰め込まれています。

  1. 顧客満足度の割合を示す円グラフ
  2. 顧客コメント

【悪い例】

これでは情報量が多くなり、聞き手は「グラフを見るのか」「コメントを読むのか」迷ってしまいます

結果として、どちらの内容も印象に残りにくくなるでしょう。

そこで、2つの情報(顧客満足度と顧客のコメント)を複数のスライドに分けると、分かりやすくなります。

【良い例】

1枚目のスライドでは、満足度の割合だけを示します。

これにより、「半数以上が満足している一方で、一定数の不満もある」という全体像を、ひと目で把握できます。

次に、「What Our Customers Are Saying(お客様からの声)」について、次のように分けてスライドを作成しましょう。

  • タイトルだけ表示されているスライド
  • Excellentとそのコメントだけ表示されているスライド
  • Goodとそのコメントだけ表示されているスライド(Average、Below Average、Poorも同様)

満足度ごとにどのような意見が出ているのかを、落ち着いて確認できます

このように、1スライドに1つの明確なメッセージを持たせることで、聞き手の理解がスムーズになります。

3. 文字数は30〜40ワードが目安

英語スライドでは、1スライドあたりの文字数を30〜40ワード程度におさえるのが基本です。

すべてを文章で説明しようとすると、文字数が多くなり、スライドに圧迫感が生まれてしまいます。

【悪い例】

こちらのスライドは、文字数が約60ワードあります。

1つの箇条書きに情報を詰め込み過ぎているため、聞き手がスライドを「読み込む」必要があり、話の内容が入りにくくなります。

【良い例】

30〜40ワードを目安に意識して、短いフレーズを積み重ねる構成にしましょう。

箇条書きは1項目につき、8ワード以内を目安にすると、聞き手は一瞬で意味を把握しやすくなります。

文字数を減らすコツは以下のとおりです。

  • 箇条書きは1項目につき、8ワード以内を目安にする
  • 冗長な表現を削除する(例:”in order to” → “to”)
  • 重複する情報をまとめる
  • 詳細な情報や背景説明は、要点だけをスライドに残して口頭で補足する

聞き手は一瞬で意味を把握しやすくなり、話の内容に集中できるようになります。

4. 文字サイズは30pt以上が見やすい

英語スライドでは、文字サイズは30pt以上を目安に設定しましょう。

英語は日本語に比べて1単語が長く、小さい文字だと遠くから読みにくくなりがちです。

【悪い例】

こちらのスライドの本文は、文字サイズが23ptと小さく、1スライドに情報を詰め込みすぎています。

聞き手は内容を理解するために文字を追う必要があり、話のポイントに集中しづらくなります。

【良い例】

こちらのスライドは、本文の文字サイズをおよそ40ptに設定し、表示する情報を必要最小限に絞っています。

文字サイズの目安は以下のとおりです。

  • タイトル:50pt以上
  • 本文(箇条書き):30〜40pt
  • 補足情報・注釈:20〜24pt

重要な言葉を大きく表示したり、太字で強調したりすることで、スライドを見ただけで要点が一瞬で伝わるようにしましょう。

5. フォントはArialとCalibriがおすすめ

英語スライドでは、フォント選びも「読みやすさ」を大きく左右する要素です。

基本的には、Arial または Calibri のようなシンプルなフォントを選びましょう。

これらは英語圏のビジネスシーンでも広く使われており、画面投影やオンライン会議でも視認性が高いのが特徴です。

【悪い例】

装飾の多いフォントやクセの強いフォントを使うと、英語の文字が読みにくくなり、プレゼンの内容が頭に入りにくくなります。

【良い例】

こちらのスライドのフォントは、タイトルは「Calibri」、本文は「Arial」を使っています。

文字の形がシンプルで、どのデバイスや環境でも読みやすく表示されます。

また、統一感を出すために、1スライドにつきフォントの種類は1〜2種類までに抑えましょう。

6. 図表やグラフはひと目で意味がわかるようにする

図表やグラフは、見ただけで意味が伝わるものであることが重要です。

聞き手がグラフを読み解く必要がある状態では、話の流れが止まり、内容への理解も浅くなってしまいます。

【悪い例】

こちらは、3種類の商品について月ごとの予約数を示したグラフです。

しかし、次のポイントがグラフを見ただけでは、「どの商品が順調」なのかが一瞬で把握できません。

一方で、同じデータを折れ線グラフを使って表すと、以下のようなスライドになります。

【良い例】

こちらのグラフでは、月ごとの予約数の推移が折れ線で示されており、各商品の動きが一目で分かります

伝えたい内容に合ったグラフ形式を選ぶことで、グラフの意味を直感的に理解できるようになります。

7. アニメーションは最小限にする

英語スライドでは、アニメーションは必要最低限に抑えるのが基本です。

動きが多すぎると、聞き手の注意がアニメーションに向いてしまい、本来伝えたい内容に集中しづらくなります。

アニメーションを使うのは、目的がはっきりしている場合だけにしましょう。

  • スライドの切り替えを自然に見せたい時
  • 重要なポイントを強調したい時
  • 箇条書きを1つずつ順番に表示したい時

スライドに動きを加える前に、「このアニメーションは本当に必要か?」と考えながら作ると、内容が主役の落ち着いた英語スライドに仕上がります。

まとめ:短く・シンプルにを意識して「伝わる」英語スライド作ろう

英語スライド作りで意識したいのは、日本語スライド以上に「情報を削ること」です。

英語は日本語よりも一文が長くなりやすく、文字量が少し増えただけでも、スライド全体が重く見えてしまいます。

そのため、英語スライドでは直訳せず、要点だけをキーワードで示すことが特に重要です。

まずは、1章で紹介した基本構成に沿って、「1スライド1メッセージ」「短いフレーズ」を意識しながらスライドを作ってみましょう。

英語プレゼンで成功するための基本構成や、よく使うフレーズを知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
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