現役英語教師が教える音読の効果と実践方法

音読とは英語の文章を声に出して読む学習方法である。

音読は古くから学校教育で用いられており、日本人に馴染みが深い。大人の学習者でも、英語と言ったら音読を思い浮かべる人が多いだろう。

音読に興味を持ったあなたは、次のような疑問を持っていないだろうか?

  • 音読は大人の英語学習に効果があるのか?
  • 音読の効果的なやり方を知りたい。
  • 初心者でも挫折しない音読の教材を知りたい。

音読は初心者が英語に慣れるのに有効な手段である。長文読解に苦戦している人は、音読でリーディングの基礎づくりができる。

そこでトイグルでは、音読のやり方を詳細に解説していく。音読が英語力向上に役立つ理由を説明した後、やり方とおすすめ教材を紹介する。音読の弱点もあえて取り上げるため、勉強法の幅を広げるのに役立つだろう。

この記事を読めば音読のやり方を理解できる。そして、今日からでも音読を実践できるようになるはずだ。

1. 音読がリーディング力向上に効果的な理由

この記事を読んでいるあなたは、脳内で文字の朗読が行われていないだろうか? 「音読がリーディング力向上に効果的な理由」なら、「おんどくが/りーでぃんぐりょくこうじょうに/こうかてきな/りゆう」と、文字を音にしながら読んでいるはずである。

英語でも同様だ。たとえ黙読であっても、私たちは文字を音声化しながら英文を読んでいる。I have a pen. なら「アイ・ハブ・ア・ペン」と音を思い浮かべながら、「私はペンを持っています」の意味を理解するだろう。

このように、文章は文字から直ちに意味が理解されるのではなく、音への変換が同時並行で行われる。日本語は変換が自動化されているが、英語は日本語と文字体系が異なるため、練習をしなければ英文をスムーズに読めない。

音読は文字の音声化能力を改善するトレーニングである。音読をすることによって、文字と発音の結びつきが強化される。音声化が自動あるいはそれに近いレベルでできれば、脳のエネルギーを内容理解に集中させられるので、速くて正確なリーディングができる。

以上の理由から、音読は特に初級者・中級者に推奨される勉強法である。目的意識を持って音読をすることで、流暢なリーディング力を身につけられる。

2. 音読のやり方

音読を効果的に行うための5つの手順を紹介しよう。

手順1: 教材を入手する

はじめに、音読をするためのテキストを入手しよう。

音読は人気の学習法なので、専用の教材が多数発売されている。TOEIC試験などの問題集、英字新聞や英語のブログなど、一般の英語学習教材を使っても構わない。

テキストの英文は、今の英語レベルを超えないか、あるいはやや易しめのものを選ぶ。知らない単語が全体の10%未満で、スラスラと読めるものが良い。

おすすめの音読用教材は後ほど紹介したい。

手順2: 英文の内容を理解する

音読をする文章を決めたら、知らない単語の意味を辞書で調べ、文法構造を分析し、文全体の意味を把握する。

英文をよく理解しておけば、音読をする時に文構造がわからず止まる、あるいは文の字面を読むだけになってしまう、といった失敗を防げる。

手順3: 音声を聞いて単語の読み方を知る

教材の音声をダウンロードできる場合、事前に音声を聞いておくと良い。単語の正しい発音を学びながら、音読のイメージトレーニングができる。

音声が付属していない教材なら、音声読み上げソフトの使用がおすすめだ。例えば、Natural Readerは無料で音声の読み上げが利用できる。

筆者注: 紙の教材を手入力するのは大変な時間がかかるので、音読に慣れたらこのステップは飛ばしても良い。

手順4: 音読を行う

ここまで準備ができたら、実際に音読を行う。

音読は発声を伴うので、自宅など声を出して良い環境でひとりで行う。力むと喉を壊す原因になるから、リラックスをして優しくゆっくりと話す。

音読の目的は音声識別能力を上げることだから、文の意味を理解するよりも、語句を正しく発音できるように意識を集中する。多少の読み間違いがあっても途中で止まらず、決めた範囲を滑らかに読む。

語数の多い文は息継ぎをする箇所にも気を配る。文法的に不自然な位置にポーズを置かないよう、構造を考えながら読み進める。

音読は集中力を要する作業だから、連続で読むのは10分から15分程度に留めて、こまめに休憩を入れる。あまり長時間行うと字面を読むだけの作業となるので、1日に音読をするのは長くて60分程度にする。1週間に3回から4回は音読の機会を確保し、1ヶ月間行うと効果を実感できる。

英語学習を「音読だけ」に限定する必要はない。ウォーミングアップとして音読を行い、その後にリスニングや単語など、別の科目を同時並行しても良い。

手順5: 課題を見つける

英語学習は継続によって成果が出る。音読は数回行った程度では目に見える効果は出ないので、持続的に学習するのが望ましい。

音読を続けるコツは課題の発見である。はじめから完璧に読めることはないから、音読の度に学習課題を見つけ、週間あるいは月間のテーマを設定すると良い。

例えば、はじめて音読を行う人は、同じ文章を繰り返し使うことで、つっかえずに読み進めるのを最初の課題にしてみよう。音読に慣れてきた人は、正しく読めているつもりで実は間違っている語句がないか見直しをしてほしい。さらにレベルが上ったら個々の発音の精度を上げよう。

英語学習に終わりはない。満足できるレベルに行ったら、さらに上を目指すように目標を設定し直そう。もちろん、できるようになった自分を褒めるのを忘れずに。

自分の声を録音してみよう

音読に慣れてきたらスマートフォンで声を録音しても良い。自分の声を聞くのは恥ずかしいが、客観的な検証は重要である。

3. おすすめの音読教材

音読におすすめの教材を3つ紹介しよう。

3-1. 英会話・ぜったい・音読 【入門編】

英会話・ぜったい・音読 【入門編】—英語の基礎回路を作る本

『英会話・ぜったい・音読 【入門編】』は、初級者向けの音読教材。中学校の英語教科書の例文が使われているので、平易な英語で音読を練習できる。

記録帳も付属しているので、1分間に音読した単語数を記録できる。音読がはじめての方におすすめ。

3-2. みるみる英語力がアップする音読パッケージトレーニング

みるみる英語力がアップする音読パッケージトレーニング(CD BOOK)

『みるみる英語力がアップする音読パッケージトレーニング』は中級者向けの音読教材。

テキストは15行から20行程度の説明文が中心だ。長文英語の基礎力づくりに役立つ。

3-3. 「音読」で攻略 TOEIC Listening and Reading テスト でる文80

「音読」で攻略TOEIC®L&Rテストでる文80

『「音読」で攻略 TOEIC Listening and Reading テスト でる文80』は、TOEIC試験対策用の音読教材。TOEICによく出るとされる80の文で音読を練習できる。

本書はチャンクで区切る方法を推奨している。つまり、英文を綺麗な日本語に訳すのではなく、英語の語順のまま解釈することで、TOEICに必要な英文処理能力を養える。

TOEICスコアアップを目的に音読をしたい方は、本書で練習してみよう。

4. あえて知ってほしい音読の弱点

これまで音読の仕組みと勉強方法を説明してきた。

音読は基礎的なリーディング力向上に有効であるものの、筆者は3つのデメリットがあると考えている。

1つ目は内容理解を伴わない点である。英文を声に出して読むと、私たちの意識は内容よりも発音に向けられる。リーディングの目的は意味を理解することだが、音読はそれを妨げる。

2つ目は英単語を一言一句読む癖がついてしまう点である。私たちはリーディング中にほぼすべての単語を目で追うが、優れた読み手は一言一句を均等に読んでいるわけではなく、不要な情報を飛ばしたり、必要な情報を丁寧に読むなどの操作を行っている。音読はその逆を強いる。

3つ目は読解の量が減る点である。私たちは声に出して読むより、黙読をしたほうがたくさんの英文を読める。

トイグルでは、これらの理由から音読は効果的ではあるが万能ではないと考えている。少なくとも、音読のみでTOEICスコアが上がるとか、音読をやり込むだけで英会話ができるようになる、といったことは期待できない。

音読はあくまでリーディング初期段階での学習法と位置づけ、長文読解に慣れてきたら多読を行うのが望ましい。多読については別記事で説明しているので、興味のある方はこちらをご覧いただきたい。

5. まとめ

この記事では音読の効果と実践方法を紹介してきた。

内容をまとめると次のようになる。

  1. 私たちは文字を音声化させながら文を読む
  2. 音読は文字と音の結びつきを強める
  3. 事前に内容を理解してから音読を行う
  4. 様々な音読教材が利用できる
  5. 音読は効果的だが万能ではない

正しい音読は流暢なリーディング力獲得の第一ステップである。ぜひともやってみてほしい。

Good luck!

(「TOEIC」は米国ETSの登録商標です。記事内のAmazonリンクはアソシエイトリンクを使用しています。)

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