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TOEIC Part5は短文内の空白に、文法・意味的に最も適した語句を入れるリーディング問題である。
Part5内で出題頻度は低いものの、難易度が高いことで知られるのが仮定法問題だ。
トイグルでは、Part5仮定法問題の解き方を基礎から応用まで解説していこう。
*目次
1. 仮定法問題の解き方
はじめに、仮定法問題を解く5つのステップを紹介したい。
使用する例題はこちら。
If I _____ younger, I would go skiing with you.
- (A) be
- (B) is
- (C) was
- (D) have been
(トイグルオリジナル問題)
ステップ1: 4つの選択肢を1〜2秒程度で把握
まずは、4つの選択肢を1〜2秒程度で眺める。
- (A) be
- (B) is
- (C) was
- (D) have been
選択肢には動詞が4つ並んでいるため、何らかの動詞問題であると推測できる。とりわけ、be動詞の形違いが並んでいるため、時制に関して注意を配る必要があるだろう。
ステップ2: 設問文を読む
次に、空白を含む設問文全体を読む。
この時、文中の語句を意味のまとまりで分け、それを英語の語順のまま頭から理解すると良い。
先の例文は次のように解釈できる。
- If / I / _____ / younger / , / I / would go / skiing / with you.
- 「もし、私が、若かったら、私は、行くだろう、スキーに、あなたと」
文の意味的に、仮定の内容を表していることが推測できる。
また、空白はIf節の中、特にIf節内の主語Iとyoungerの間にあることがわかった。
ステップ3: 明らかに不正解な選択肢を除外する
この時点で、明らかに不正解と思われる選択肢を除外する。
空白の直前の主語はIのため、(A)beと(B)isは入り得ない。よって、この2つの選択肢は候補から外してしまおう。
(A) be(B) is- (C) was
- (D) have been
ステップ4: 文法的に入りうる選択肢を選ぶ
Part5は文法と意味の両面からアプローチする。まずは、文法的に使用可能な選択肢を選ぶ。
先の例をもう一度見てみよう。
- If / I / (be動詞) / younger / , / I / would go / skiing / with you.
- 「もし、私が、◯◯で若かったら、私は、行くだろう、スキーに、あなたと」
ここで、文の主たる動詞(=If節でないほうの動詞)にwould goが使用されている点に注目だ。
If節でないほうの動詞にwould/could/should等が使用され、かつIf節にbe動詞が入る場合、この文章は仮定法である可能性が高い。If節内の空白に(C)wasを入れれば、文章全体として仮定の意味が出来上がる。
ステップ5: 意味の面から選択肢を検証する
最後に、選んだ選択肢を意味の面から検証する。
- If I was younger: (実際は若くないが)もし若かったら
- I would go skiing with you: (実際は行かないが)スキーに行くだろう
If節と主たる文の両方が、現実とは異なる仮定の状況を表していることがわかる。よって選択肢(C)wasが正解だ。
尚、実際に設問を解く際、ステップ4とステップ5は同時並行的に行われることが多い。
注: 仮定法の場合、Iが主語でもbe動詞はwereとなる場合がある。しかし、現代英語ではwasも使用されるため、当エントリーではwasを正解としている。
2. 仮定法問題を解く3つのポイント
仮定法問題を解くための3つのポイントを紹介しよう。
2-1. 事実と仮定の意味を区別する
仮定法問題では、事実と仮定を意味の面から正しく区別する必要がある。先の例題では、次のように整理しよう。
- 事実: 実際には若くない、実際にはスキーに行かない
- 仮定: もし若かったら、スキーに行く
2-2. 仮定は時制を1つ前に戻す
仮定法とは、現実とは異なる仮定の状況を、時制を1つ前に戻すことで表現する英文法である。
よって、現在の話の仮定であれば過去形、過去の話の仮定であれば過去完了形(=過去の過去)を用いる。
現在 | 過去 | |
現実の話 | 現在形 | 過去形 |
仮定の話 | 過去形 | 過去完了形 |
2-3. 「もう1つの動詞」をヒントにする
Part5の仮定法問題は、If節の文で出題されることが多い。If節の場合、Ifのほうと、Ifがないほうの文章にそれぞれ動詞があり、そのどちらかが空白となっている。
- If I _____ younger, I would go skiing with you.
- If I was younger, I _____ skiing with you.
Part5の仮定法問題では、両方の動詞の時制が一致していることが多い。よって、片方の動詞の時制がわかれば、もう片方の時制も自動的に判別できる。
例えば、上記の文章1ならwould goは過去形なので、空白も過去形の動詞を入れれば良い。
3. Part5の仮定法問題〜基礎編〜
TOEIC Part5の仮定法問題では、次の2つの出題パターンが頻出だ。
- 現在の話の仮定
- 過去の話の仮定
それぞれ、見ていこう。
3-1. 現在の話の仮定
時間的な時制が現在であり、その仮定的な内容について問われる問題を見てみよう。
冒頭の例題がそれに該当するため、もう一度取り上げる。
If I _____ younger, I would go skiing with you.
- (A) be
- (B) is
- (C) was
- (D) have been
(トイグルオリジナル問題)
意味の観点から、事実と仮定を整理しよう。
- 事実: 私は若くないから、あなたとスキーに行かない
- 仮定: もし私が若いなら、あなたとスキーに行く
次に、文法の観点から事実と仮定を整理する。
- am→was (1つ前の時制)
- will go→would go (1つ前の時制)
今回のケースとは対象的に、would goの部分が空白になる設問もよく出題される。
If I was younger, I _____ skiing with you.
- (A) go
- (B) will go
- (C) would go
- (D) would have gone
(トイグルオリジナル問題)
空白の位置が別でも、基礎的な考え方は同じだ。
ここでも同様に、「現在の話の仮定」として使われているwasと整合性の取れる動詞を選びたい。よって、答えは(C)would goとなる。
3-2. 過去の話の仮定
時間的な時制が過去であり、その仮定的な内容について問われる問題を見てみよう。
If Ayleen Xu _____ that the meeting was cancelled, she would not have bought a flight ticket to Los Angels.
- (A) knows
- (B) knew
- (C) has known
- (D) had known
(トイグルオリジナル問題)
意味の観点から、事実と仮定を整理しよう。
- 事実: Ayleen Xu氏はミーティングがキャンセルになったことを知らなかった、彼女はロサンゼルス行きのチケットを買った
- 仮定: もしAyleen Xu氏がミーティングがキャンセルになったことを知っていたら、彼女はロサンゼルス行きのチケットを買わなかっただろう
全体的に「過去の話の仮定」となる。時制は過去の過去で表現しよう。
- knew→had known (過去の過去)
- will not buy→would not have bought (過去の過去)
今回のケースとは対象的に、would not have boughtの部分が空白になる設問もよく出題される。
If Ayleen Xu had known that the meeting was cancelled, she _____ a flight ticket to Los Angels.
- (A) did not buy
- (B) would not buy
- (C) would not have been bought
- (D) would not have bought
(トイグルオリジナル問題)
こちらも考え方は同じなため、正解は(D) would not have boughtとなる。
4. Part5の仮定法問題〜応用編〜
TOEICに出題されることは極めて稀だが、難易度の高い仮定法問題も紹介しよう。
4-1. were to
If節の動詞がwere toの場合、未来に関する内容の仮定を表すことが多い。
例を見てみよう。
If it _____ rain tomorrow, the game would be cancelled.
- (A) be
- (B) being
- (C) has been
- (D) were to
(トイグルオリジナル問題)
意味の観点から、事実と仮定を整理しよう。
- 事実: 明日は雨になるかもしれない、その場合試合は中止となるだろう
- 仮定: 明日は雨になると仮定すると、試合は中止となる
次に、文法の観点から事実と仮定を整理する。
- is to→were to (1つ前の時制)
- will be canceled→would be canceled (1つ前の時制)
未来を表現するにもかかわらず、仮定を表すため、時制が過去となっている点に注意しよう。
4-2. should
助動詞shouldを使うことで、未来に関する仮定を表すことができる。
If a serious crisis _____, the government would have to take immediate action.
- (A) arises
- (B) has been arising
- (C) will arise
- (D) should arise
(トイグルオリジナル問題)
意味の観点から、事実と仮定を整理しよう。
- 事実: 重大局面が発生するかもしれない、その場合政府は直ちに対応しなくてはならないだろう
- 仮定: 重大局面が発生すると仮定すると、その場合政府は直ちに対応しなくてはならない
次に、文法の観点から事実と仮定を整理する。
- shall arise→should arise (1つ前の時制)
- will have to→would have to (1つ前の時制)
shouldがshallの過去形であることがわかれば、比較的容易に理解できるだろう。
5. まとめ
当エントリーでは、TOEIC Part5の仮定法問題に特化し、その解き方を解説してきた。
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