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TOEIC(トーイック)は日本でもっとも人気のある資格試験の一つである。
TOEICは英語を仕事で使う人だけでなく、新卒採用・中途採用・人事評価など、キャリアアップを目的に受験する人が多い。
TOEICに興味を持っているあなたは、次のような疑問をお持ちではないだろうか?
- TOEICとはどんなテスト? どうやったらスコアを上げられる?
- 英語初心者は何から勉強を始めれば良い?
- TOEICに成功する人はどんな勉強法をしているの?
そこでトイグルでは、TOEICに興味を持つあなたのために、TOEIC学習の手順を5つのステップにまとめた。
この記事を読めば、TOEICで成功する具体的筋道が明らかになる。そして、今日からでも英語学習を始められるだろう。
(筆者はTOEIC公開テストを毎回受験して最新の傾向を研究しています。当エントリーはそれを踏まえて、2018年12月に内容を全面改定しました。)
*まずはTOEICの成功事例を知ろう
TOEICの効果的な取り組み方を知るには、成功事例を見るのが一番である。
トイグルはマンツーマンのTOEIC学習指導を行っており、生徒様の多くが3ヶ月間から6ヶ月間の短期で目標スコアを達成した。
TOEICにはじめて挑戦する方は、ぜひともスコアアップ事例集を読んでほしい。TOEIC対策の全体像をイメージできるようになるはずだ。
ステップ1: TOEIC試験の仕組みを理解する
TOEIC対策の第一ステップは、試験の仕組みを理解することにある。
1-1. TOEICの問題形式はリスニングとリーディングの2科目
TOEICはリスニングセクションとリーディングセクションの2科目から成る試験である。リスニングは英語の音声を聞いて設問に答え、リーディングは英語の文章を読んで設問に答える。
リスニングセクションとリーディングセクションはそれぞれ100問ずつ、合計200問を解く。試験時間はリスニングが約46分間、リーディングが75分間の合計120分。途中の休憩はない。
- TOEIC L&R Test = リスニング100問+リーディング100問
リスニングセクションはPart1からPart4の4パートで構成される。内訳は次のとおり。
Part1 | 写真描写問題 | 6問 |
Part2 | 応答問題 | 25問 |
Part3 | 会話問題 | 39問 |
Part4 | 説明文問題 | 30問 |
合計 | 100問 |
リーディングセクションはPart5からPart7の3パートで構成される。内訳は次のとおり。
Part5 | 短文穴埋め問題 | 30問 |
Part6 | 長文穴埋め問題 | 16問 |
Part7 | 長文読解問題 | 54問 |
合計 | 100問 |
問題用紙はすべて英語で表記され、解答は「A, B, C, D」の四択から選ぶマークシート形式である。(Part2のみ「A, B, C」から選ぶ三択問題)
設問は会話や文章の内容に関するものが多い。和文英訳や英文和訳問題は出題されない。TOEIC問題形式は別記事でも解説しているため、より詳しく知りたい方はこちらも参考にしてほしい。
1-2. TOEICスコアは最低10点から最高990点
TOEICはレベルごとに設問が分かれておらず、初心者から上級者まで全員が同じ試験を受ける。TOEICの結果は合否ではなく、スコアで表示される。
TOEICの最低スコアは10点、最高スコアは990点、日本人の平均スコアは約580点だ。
「英語学習をするのは学生時代以来10年ぶり…」といった場合、最初は400点を目標に学習を行おう。ビジネス英語など、ある程度経験のある方であれば、500点から600点を目指しても良い。
1-3. TOEICの難易度を英検で比較する
TOEICを受験したことがない方は、試験の難易度を想像するのが難しいかもしれない。そこで、私たちに馴染みのある実用英語技能検定(英検)とTOEICスコアを比較してみよう。
次のグラフは、英検の級とTOEICスコアの対応を表している。
英検準2級(高校中級レベル)でTOEIC402点、英検2級(高校卒業レベル)でTOEIC527点、英検準1級(大学中級レベル)でTOEIC713点、英検1級(大学上級レベル)でTOEIC955点が目安となる。
もちろん、TOEICと英検は試験内容が異なるから、スコアと級が完全に一致するわけではない。TOEICで527点を取れば直ちに英検2級に合格するわけではないし、その逆も同じだ。
ただ、はじめてTOEICを受けるにあたって、難易度のイメージはできただろう。TOEICは決して簡単な試験ではない。しかし、正しく学習すれば確実に成果を上げられる。
TOEICスコアを100点上げるのに必要な勉強時間は225時間から325時間と言われる。独学でスコアを100点を上げるなら、6ヶ月から9ヶ月程度の学習期間を想定すると良い。
ステップ2: TOEIC問題集を購入する
TOEICの概要が理解できたら、勉強の準備に取り掛かろう。
TOEICの勉強方法は様々あるが、王道とも言えるのが市販の問題集を使った学習である。問題集にも様々な種類があるが、はじめてのTOEICでは問題集と単語帳の2冊に取り組むと良い。
問題集: 世界一わかりやすいTOEIC L&R TEST 総合模試1
『世界一わかりやすいTOEIC L&R TEST 総合模試1』は関正生氏によるTOEIC問題集。TOEIC本番試験と同じ形式で、リスニング・リーディングの200問を練習できる。
本書は実際のTOEIC試験よりもやや難易度の低い設問で構成されている。上級者向けの難問を省いて作られているため、はじめてTOEICを勉強する方に向いている。
解説も丁寧なので、正解の根拠を納得行くまで考えられる。まずは本書を用意し、TOEIC試験に慣れるところからはじめよう。
[amazonjs asin=”4046022051″ locale=”JP” tmpl=”Small” title=”CD2枚付 世界一わかりやすいTOEIC L&Rテスト総合模試1600点突破レベル”]単語帳: TOEICテストスーパー英単語
『TOEICテストスーパー英単語』はTOEIC専用の単語帳。5名の英語教師によって選び抜かれたTOEIC頻出語彙が約1,000語収録されている。
一般的な単語帳は「レベル順」や「出る順」に並んでいるが、本書はTOEIC語彙を5段階の「重要度」に分けて収録している。最重要語からはじめて、要注意語、ブレイクスルー語と段階的に学習すると効果が出る。
本書1冊でTOEIC400点から900点まで対応できる。先に紹介した問題集と並行して準備しよう。
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TOEIC教材は書店やインターネット通販で購入できる。安価な古本も流通しているが、情報が古かったり、書き込みがある場合があるので、新品の購入をおすすめしたい。
ステップ3: 実際にTOEICの勉強をする
教材を購入したら、早速勉強をはじめよう。
3-1. TOEIC問題集の使い方
問題集を使う手順は、シンプルに次のとおりだ。
- 一定範囲を解く。
- 解答編を見て丸つけをする。
- 復習をする。
重要なのは問題集を解きっぱなしで終えることなく、「3」の過程で丁寧に復習することにある。
例えば、TOEIC Part7(長文読解問題)なら、正解の根拠となる箇所に下線を引き、その理由を書き込み、十分に納得できるまで考える。
他にも、知らない語句を辞書で調べたり、文を声に出して読んだり、紙に書き写して内容を理解しても良い。
リスニングセクションからリーディングセクションまで、全パートを最低1回は解答する。一通り終えたらTOEICの全体像が明らかになり、次にどんな勉強をしようか自然と考えられるようになる。
3-2. TOEIC単語帳の使い方
単語帳は次の手順で学習すると効果的だ。
- 単語帳、紙、筆記用具を用意する。
- 英単語・日本語訳をおおよそ10回ずつ紙に書く。
- 数日空けて日本語訳を覚えているか確かめる。
- 忘れていた単語はもう一度10回ずつ書き写す。
- このルーティンを2〜3回繰り返す。
単語を覚える時は声に出して発音したり、辞書を引いて他の意味を学んだり、「denyは『ディナイ』で『〜でない/否定する』」のように語呂合わせを使っても良い。
このように、問題集と単語帳を並行して利用するのがTOEIC対策の基本的な流れだ。まずは2冊を終え、必要があれば他の参考書を追加購入しても良い。
社会人学習者は仕事や家庭と並行して勉強をするから、TOEICの成功には学習環境の構築が何よりも重要である。週に1度はまとまった学習機会を取れるようにしたい。
ステップ4: TOEIC公開テストを受験する
TOEIC学習が進んできたら、実際にテストを受験してみよう。
TOEICは個人が申し込みをして受験する公開テストと、会社や学校単位で受験するIPテストの2種類がある。公開テストは年に10回開催されるので(一部地域を除く)、IPテストの受験予定がなければ、通常は公開テストを受験する。
4-1. TOEIC公開テストの日程
2019年のTOEIC公開テストの日程は次のとおり。
開催 | 試験日 | 申込期限 |
第237回 | 2019年1月13日(日) | 2018年12月11日(火)15時 |
第238回 | 2019年3月10日(日) | 2019年1月29日(火)15時 |
第239回 | 2019年4月14日(日) | 2019年2月26日(火)15時 |
第240回 | 2019年5月26日(日) | 2019年4月2日(火)15時 |
第241回 | 2019年6月23日(日) | 2019年5月14日(火)15時 |
第242回 | 2019年7月28日(日) | 2019年6月18日(火)15時 |
第243回 | 2019年9月29日(日) | 2019年8月6日(火)15時 |
第244回 | 2019年10月27日(日) | 2019年9月10日(火)15時 |
第245回 | 2019年11月24日(日) | 2019年10月8日(火)15時 |
第246回 | 2019年12月15日(日) | 2019年10月29日(火)15時 |
第247回 | 2020年1月12日(日) | 2019年11月26日(火)15時 |
第248回 | 2020年3月8日(日) | 2020年1月14日(火)15時 |
(出所: TOEIC公式サイトより筆者作成)
TOEIC公開テストは公式ページから申し込みできる。
TOEICの受験料は1回あたり5,725円。申込み後の返金はできないため、日程をよく確かめてから申し込みたい。
4-2. TOEIC公開テスト当日の流れ
TOEIC公開テストに申し込みをすると、試験の約1週間前までに受験票が郵送される。受験票は署名と証明写真(縦4cm×横3cm)の貼付けが必要なため、試験日までに済ませておきたい。
試験会場および開始時刻の案内は受験票に記載されている。試験当日の流れは次のとおり。
*TOEIC公開テスト当日の流れ
- 11:45〜12:30 集合・受付
- 12:35〜13:00 試験の説明・音テスト
- 13:00〜15:00 試験開始〜試験終了
- 15:00〜15:15 問題用紙・解答用紙の回収
- 15:15(予定) 解散
会場が駅から離れていることがあるため、時間には余裕を持って行動したい。
*TOEIC公開テスト当日の持ち物
- 受験票(証明写真の貼付けと署名が必要)
- 写真付きの本人確認書類(運転免許証・学生証・パスポートなど)
- 筆記用具(HBの鉛筆またはシャープペンシル・消しゴム)
- 腕時計
試験会場に時計は用意されていない。リーディングセクションの時間管理に必須のため、腕時計は必ず持っていくようにしたい。
TOEICは問題用紙への書き込みが禁止されている。メモはもちろん、下線引きや印をつけるのも不可である。誤って書き込みをしないよう注意されたい。
ステップ5: さらなるスコアアップを目指して学習を続ける
TOEICは「合否」ではなくスコアで結果が表示される。目標スコアを達成したら、次はさらに高いレベルを目指して学習を続けよう。
TOEICはスコアが上がるほど社会的な評価も高まる。一般に、キャリアの加点材料とみなされるのはTOEIC600点以上が多い。
- 人事評価や転職では、一般社員はTOEIC600点以上、管理職はTOEIC700点以上を求められることが多い。筆者の知っている外資系製薬企業は、TOEIC750点を幹部候補の最低ラインとしていた。
- 新卒採用では大手企業の一部がTOEIC700点以上を評価項目としている。楽天は入社までにTOEIC800点以上、ジョンソン・エンド・ジョンソンのファイナンス職はTOEIC900点以上を必須としている(2018年現在)。
- 英語を使った仕事では、最低でも800点か、それ以上の実力が求められる。通訳案内士試験の外国語筆記科目は、TOEIC900点で免除となる。
帰国子女や海外経験者を除けば、初回受験でいきなりハイスコアを取れる人はいない。誰もが最初は400点前後からはじまり、500点・600点・700点と徐々にスコアを上げていく。
あなたの最終目標スコアは何点だろうか? その達成時期はいつ頃が良いだろうか? この記事を読んだらTOEIC学習計画を立ててみよう。キャリアアップはもうあなたの目の前にある。
*まとめ: TOEICをはじめよう
この記事では、はじめてのTOEICを成功させる5つのステップを紹介してきた。
内容をまとめると次のようになる。
- ステップ1: TOEIC試験の仕組みを理解する
- ステップ2: TOEIC問題集を購入する
- ステップ3: 実際にTOEICの勉強をする
- ステップ4: TOEIC公開テストを受験する
- ステップ5: さらなるスコアアップを目指して学習を続ける
トイグルではTOEIC学習に関する記事を他にも多数執筆している。学習の過程でわからないことがあれば、ぜひとも本サイトに戻ってきてほしい。きっと、あなたの役に立つはずだ。
Good luck!
*「TOEIC」は米国Educational Testing Service(ETS)の登録商標です。