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英語の関係代名詞で難易度が高いものがwhat(…するもの)である。
英語を勉強中のあなたは次のような悩みを持っていないだろうか?
- whatの使い方がわからない
- whatを含む文が苦手
- whatとthatの違いを知りたい
そこでトイグルでは、関係代名詞whatについて詳細を解説していく。学習の参考になるはずだ。
1. whatは先行詞を含んだ関係代名詞
whatとは何かと一言で表せば、それは先行詞を含んだ関係代名詞である。
whatは大きく2つの意味があり、1つはthe thing(s) that(…するもの)、もう1つはanything that(…するものは何でも)である。
what = the thing(s) that(…するもの)
what = anything that(…するものは何でも)
1-1. what = the thing(s) thatの場合
whatがthe thing(s) that(…するもの)をあらわす例を見てみよう。
- This is what I need. (これは私が必要なものです)
whatは関係代名詞なので、元の文でどの位置にあったか、見極めが重要。例文では、whatはneedの目的語に相当するものなので、その痕跡を「^」で示せば次のようになる。
- This is what I need ^.
whatはthe thing(s)という先行詞を含んだ関係代名詞である。「先行詞を含む」とは、whatの前に先行詞が存在しないように見えるが、実際はthe thing(s)を中に含んでいるという意味。つまり、例文は次のように解釈してもよい。
- This is the thing that I need. (これは私が必要なものです)
1-2. what = anything thatの場合
whatがanything that(…するものは何でも)をあらわす例を見てみよう。
- Select what you need for the job. (仕事に必要な物なら何でも選びなさい)
whatの意味が変わっても、関係代名詞としての使い方は同じである。whatはneedの目的語に相当するものなので、その痕跡を「^」で示せば次のようになる。
- Select what you need ^ for the job.
例文は次のように解釈してもよい。
- Select anything that you need for the job. (仕事に必要な物なら何でも選びなさい)
1-3. whatの意味を区別する方法
上述のようにwhatには2つの意味があるが、違いを見極める手がかりは文の意味である。
先程の2つの例文をもう一度見てみよう。
- This is what I need. (= This is the thing that I need.)
- Select what you need for the job. (= Select anything that you need for the job.)
仮に、例文(上)をanything that(the thing thatではない)で解釈すると「これは私が必要なものは何でもです」となってしまい意味が通らない。This(これ)と特定しているにもかかわらず、anything(何か)では矛盾が生じる。
また、例文(下)をthe things that(anything thatではない)で解釈すると「仕事で必要なものをすべて選ぶ」というニュアンスで捉えられるおそれがある。しかし、それは現実的にありえないので、anything that(…するものは何でも)と解釈するほうが自然であろう。
以上のように、whatの意味は文脈から区別するのが望ましい。初学者の方の場合、whatを見かけたら2つの意味を片方ずつ当てはめ、より自然な解釈を採用するようにしよう。はじめは手間がかかるが慣れればスムーズにできるようになるはずだ。
2. 関係代名詞whatの使い方
2-1. 文の主語になるwhat
- What I told you was my honest opinion. (私があなたに言ったことは私の正直な意見です)
関係代名詞whatは文の主語として使われる。例文は「私があなたに言ったことは私の正直な意見です」の意味。
文構造は次のように理解するとよい。
- [What I told you] / was / my honest opinion.
2-2. 文の補語になるwhat
- This product is what I am looking for. (この製品は私が探しているものです)
関係代名詞whatは文の補語として使われる。例文は「この製品は私が探しているものです」の意味。
文構造は次のように理解するとよい。
- This product / is / [what I am looking for].
2-3. 文の目的語になるwhat
- Vieira cannot believe what he has seen. (ヴィエラは自分がみたものを信じられません)
関係代名詞whatは文の目的語として使われる。例文は「ヴィエラは自分がみたものを信じられません」の意味。
文構造は次のように理解するとよい。
- Vieira / cannot believe / [what he has seen].
例: I do my best with what money I have. (わずかな手持ちのお金を使ってベストを尽くします)
関係詞what Q&A: よくある5つの疑問とその答え
Q1.「先行詞を含む」の意味がよくわからない
whatの「先行詞を含む」がわかりづらい場合、通常の関係代名詞と比較すればよい。ここでは関係代名詞thatとwhatを比較する。例を見てみよう。
- This is the smartphone that I bought yesterday. (これが私が昨日買ったスマートフォンです)
- This is what I bought yesterday. (これが私が昨日買ったものです)
例文(上)は関係代名詞thatが使われている。thatは先行詞を必要とする(= 先行詞を含まない)タイプの関係代名詞なので、that以下(私が昨日買った)が「スマートフォン」を修飾する構造になっている。
例文(下)は関係代名詞whatが使われている。これまで説明したように、whatは先行詞を含むタイプの関係代名詞なので、直前に先行詞となる名詞が出現しない。
文構造を比較すると次のとおり:
- This is [the smartphone that I bought ^ yesterday]. (^ = the smartphone)
- This is [what I bought ^ yesterday]. (^ = what)
例文(上)で昨日買ったものは「スマートフォン」であるが、例文(下)は「what(もの)」なのである。「もの」が何なのかは前後の文脈がないと判断できない。
このように、whatの含む先行詞とは、「もの」といった漠然とした対象を指す。以上が『1. whatは先行詞を含んだ関係代名詞』のより詳しい説明である。
注: whatは文法書によってthat which(あれ)、those which(あれら)、somthting that(何か)、all that(すべて)と言い換えられるものもあるが、根本的な構造は同じと見てよい。
Q2. what(関係代名詞)とthat(that節)の違い
what(関係代名詞)とthat(that節)はどちらも「…のこと」のように訳されるが、その原理は根本的に異なる。例を見てみよう。
- I believe what Linda told me. (リンダが私に言ったことを信じている)
- I believe that Linda told me the truth. (リンダが私に真実を言ったと信じている)
例文(上)は関係代名詞whatが使われている。関係代名詞である以上、以後に名詞が欠落した文が来るはずである。事実、文中のwhatは「リンダが私に言ったこと」の「こと」に該当する。
例文(下)はthat節が使われている。that節のthatは接続詞であり、以後に完全な文(名詞の欠落のない文)が来るはずである。事実、文中のthat以下は「リンダが私に真実を言った」で文として成立している。
例文の構造上の違いを図示すると次のようになる。「^」は関係代名詞whatが存在した位置を示す。
- I / believe / [what / Linda / told / me / ^]. (^ = what)
- I / believe / [that / Linda / told / me / the truth].
Q3. 疑問詞whatと関係詞whatの見分け方
疑問代名詞whatと関係代名詞whatの区別が難しい場合がある。次の例文はどちらもwhatが使われているが、その解釈が異なる。
- Jack asked me what my problem was. (ジャックは私に何が問題かと尋ねた/疑問代名詞what)
- Jack gave me what I needed. (ジャックは私に必要だったものを与えた/関係代名詞what)
例文(上)は疑問代名詞whatで「何が問題かと尋ねた」の意味。「私の問題がそのことであると尋ねた」では意味が通らない。
例文(下)は関係代名詞whatで「私が必要だったものを与えた」の意味。「私が何が必要だったかを与えた」では意味が通らない。
場合によって、whatの解釈があいまいな時がある。
- Ask Mary what she knows.
(メアリーに彼女が何を知っているか聞いてこらん)
(メアリーに彼女が知っていることについて尋ねてごらん)
whatを疑問代名詞と捉えれば「彼女が何を知っているか」、関係代名詞と捉えれば「彼女が知っていること」の意味。
Q4. whatとwhateverの違い
whatと似た使い方をするものにwhatever(…することは何でも)がある。次の例文を比較してみよう:
- Do what is necessary to make customers happy. (顧客を満足させるために必要なことをしなさい)
- Do whatever is necessary to make customers happy. (顧客を満足させるために必要なことは何でもしなさい)
例文のwhatとwhateverはどちらも名詞節を導く。「必要なこと」と「必要なことは何でも」で意味の差が見られる。
尚、whateverは副詞節を導く用法もある。この場合、whatでは代替できない。
- Whatever happens, I have to pass the exam. (何が起きようとも、試験に合格しなくてはならない)
Q5. whatを使った慣用表現および省略
whatを使った慣用表現をいくつか紹介したい。
- Mount Fuji is what is called a composite volcano. (富士山はいわゆる成層火山です)
- What is more, you can also find the history of this company. (加えて、この会社の歴史もわかりますよ)
- And what is worse is that it is a necessary evil. (さらに悪いことはそれが必要悪であることです)
what is more (most) important(さらに(もっとも)重要なことには)では、what isが省略されることがある。文構造の見極めに注意。
- You were all extremely helpful, and more important, patient in helping me get the job done just right. (あなたは非常に協力的でした、もっと重要なことは、私がその仕事を正しく終えるため忍耐強く手助けしてくれたことです)
- Know the limitations of the roaster, and most important, just use common sense to reduce risk. (そのロースターの限界を知ってください、もっとも重要なことは、リスクを減らすために常識を用いることです)
まとめ
この記事では、英語の関係代名詞whatについて詳細を解説してきた。
内容をまとめると次のようになる:
- whatは先行詞を含んだ関係代名詞
- what = the thing(s) thatの場合がある
- what = anything thatの場合がある
- 主語・補語・目的語などの位置に使われる
- whatとthatの違いなどに注意する
トイグルでは他にも、英文法に関する記事を執筆している。興味のある方はぜひご覧いただきたい。
Good luck!
田邊様
いつもわかりやすく説明していただき、感謝しております。
ひとつ、この記事について質問があります。
Vieira cannot believe what he has seen. (ヴィエラは彼がみたものを信じられません)
のところですが、なぜここのwhatが「何人かの同僚が投票したもの」の意味になるものなのか、わかりませんでした。
もしよろしければもう少し詳しく解説をお願い致します。
コメントありがとうございます。
申し訳ありません、「何人かの同僚が投票したもの」は書き間違いで、正しくは「ヴィエラは自分がみたものを信じられません」でした。
ただ今、本文を訂正しました。
お詫び申し上げます。
あ、そうだったのですね笑
御返答ありがとうございました。
>例文(下)をthe things that(anything thatではない)で解釈すると「仕事で必要なものを
>1つ1つすべて選ぶ」というニュアンスで捉えられるおそれがある。
とありますが、どこから「1つ1つすべて」というニュアンスが出てくるのでしょうか。
>シゲボ様
こちらですが、本来の解釈はanything that…なので、「…するものは何でも」になります。
ただ、仮にthe things thatとすると、「1-1. what = the thing(s) thatの場合」の解釈、すなわち「すべて」の意味になるので、容認性が低くなると考えられます。
「1つ1つ」は強調のために記しましたが、eachのようなニュアンスがあるわけではありません。
誤解を招くおそれがあるため、記事を修正いたしました。失礼しました。