英語の最上級とは?使い方やtheの有無に関してわかりやすく説明

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英語の最上級とは、程度が最高(または最低)をあらわす際に用いる形である。

例えば、He is the tallest in the class.(彼はクラスでもっとも背が高い)のtallestが最上級となる。

英語を学習しているあなたは、次のような疑問を持っていないだろか?

  • 最上級とは何…?
  • 最上級のつくり方がわからない…
  • 最上級ではどんな場合にtheをつける…?

最上級は英文法において重要な項目の1つだが、市販の参考書では、あまり詳しく触れられていない。困っている方も多いと思う。

そこでトイグルでは、英語の最上級について詳細を解説していく。本記事を読めば最上級に関するすべての理解を得られる。学習の参考になるはずだ。

1. 最上級は最高または最低の程度をあらわす

最上級は形容詞または副詞を変化させることによって作る。

音節数の少ない語では、最上級は語尾に-estをつける。一方、音節数の多い語は、語の前にmostをつける。

例を見てみよう。

  • (1) That is the biggest challenge. (あれは最大のチャレンジです)
  • (2) It is the most beautiful guitar. (それはもっとも美しいギターです)

(1)は形容詞big(大きい)の最上級が使われている例である。bigは1音節の語なので、語尾に-estをつけることで最上級になる。

(2)は形容詞beautiful(美しい)の最上級が使われている例である。beautifulは3音節の語なので、語の前にmostをつけることで最上級になる。

副詞も最上級にできる。例を見てみよう。

  • (3) Z pad is one of the most beautifully designed tablets. (Zパッドはもっとも美しくデザインされたタブレット端末の1つです)

(3)では副詞beautifullyにmostがつくことで、最上級になっている。

このように、最上級は形容詞や副詞を変化させることで作る。以下、最上級のさらに詳しい使い方を見ていこう。

比較級と最上級の違い
比較級は「よりXだ」の意味で2つの物事を比べる際に用いる。一方、最上級は「もっともXだ」の意味で3つ以上の物事での比較で用いる。

2. 最上級の使い方

最上級では、形容詞の後の名詞が空所になっていることがある。

たとえば、冒頭に紹介したHe is the tallest in the class.(彼はクラスでもっとも背が高い)では、tallestの後に名詞がない。構造上は次のようになる。

  • He is the tallest Ø in the class. (彼はクラスでもっとも背が高い)

多くの場合、空所は文脈的に適した名詞を補うことで解釈できる。例文の場合、boy(あるいはstudent等)の名詞を補うとよい。

  • He is the tallest (boy) in the class. (彼はクラスでもっとも背が高い少年だ)

最上級の文を正確に読んだり書いたりするには、こうした空所に気を配らなければならない。

以下、形容詞の最上級について、空所のある場合とない場合について、例文を使って説明していこう。

2-1. the+形容詞最上級+普通名詞

  • (4) He is the best player in Cuba. (彼はキューバで最高の選手です)
  • (5) Here are a few of our greatest accomplishments. (これらは私たちの偉業のいくつかです)
  • (6) This tower is the tallest in the world. (この塔は世界でもっとも高い)
  • (7) These machines are the easiest to set-up. (これらの機械はもっとも簡単に設定できます)

「the+形容詞最上級+普通名詞」の例である。

(4)は単数名詞、(5)は複数名詞が使われている。

(6)は最上級の後の単数名詞が空所、(7)は複数名詞が空所になっている。

2-2. the+形容詞最上級+集合名詞

  • (8) We have the greatest staff. (当社には最高のスタッフがいます)
  • (9) The Giants are one of the most successful teams. (ジャイアンツは最高のチームの1つです)
  • (10) The audience was the largest in history. (史上最大の観客数となった)
  • (11) The firms that hire students are the best. (学生を雇用する会社がベストです)

「the+形容詞最上級+集合名詞」の例である。

(8)は集合名詞の単数形、(9)は集合名詞の複数形が使われている。

(10)は最上級の後の集合名詞(単数)が空所、(11)は集合名詞(複数)が空所になっている。

2-3. the+形容詞最上級+物質名詞

  • (12) It’s the most expensive wine on the list. (リストの中でもっとも高額なワインです)
  • (13) Cold brew iced coffee is the best. (水出しアイスコーヒーが最高です)

「the+形容詞最上級+物質名詞」の例である。

(12)は物質名詞、(13)は物質名詞が空所になっている例である。

2-4. the+形容詞最上級+抽象名詞

  • (14) We provide the best quality of medications. (私たちは最高品質の医薬品を提供します)
  • (15) Their management is the most organized. (彼らの管理はもっとも組織的です)

「the+形容詞最上級+抽象名詞」の例である。

(14)は抽象名詞、(15)は抽象名詞が空所になっている例である。

空所が省略ではない理由
最上級形容詞の後ろの名詞が不在の場合、それを「省略」と考えることはできない。なぜなら、場合によって該当の名詞が見つからないことがあるからである。

3. 最上級におけるtheの有無

学校英語では「最上級には必ずtheをつけなければならない」と教わることがあるが、結論的に言えば、これは正しくない。最上級であっても、theをつけない場合が多々あるからである。

ここでは、様々なタイプの最上級について、theの有無を中心に議論していきたい。

3-1. 限定用法の最上級

限定用法(= 形容詞を名詞の前に置いて修飾すること)の最上級では、通例、最上級の前にtheを用いる。これは、最上級によって名詞が「特定可能」な状態になるからである。

たとえば、次の例にtheがついているのは、最速(= もっとも速いこと)は1つに特定できるからである。

  • (16) This is the fastest way. (これが最速の方法です)

最上級の限定表現はtheに限らない。myなどの所有格も可能である。

  • (17) My youngest son is an artist. (私の一番年少の息子は芸術家です)

3-2. 叙述用法の最上級

叙述用法(= 形容詞が動詞の補語になること)の最上級では、theの有無はケース・バイ・ケースとなる。

まず、他の人物との比較では、theはつけてもつけなくても、どちらでもよい。

  • (18) She is (the) youngest. (彼女はもっとも若い)

ただし、他の人物との比較であっても、of句などでその対象が明示されていれば、theは必要となる。

  • (19) She is the youngest of all of us. (彼女は私たちの中でもっとも若い)

比較対象をあらわすのに関係詞節が用いられる場合も、theは必要となる。

  • (20) I’m the healthiest I’ve ever been. (私はこれまででもっとも健康的です)

同一人物の異なる状況を比較する場合、通例、theは使用しない。

  • (21) Kim feels happiest when hairdressing. (キムは美容師をしている時が一番幸せを感じる)

形式主語itや関係代名詞whatなど、意味内容の薄い要素が主語の場合、通例、theは使用しない。

  • (22) It is best to use two of these. (これらのうち2つをつかうのがベストです)

意味の違いがあいまいな場合
叙述用法の最上級はしばしば意味があいまいになる。例えば、She is most efficient.は「一番有能だ」と「とても有能だ」の2つの解釈ができる。

3-3. 副詞の最上級

副詞の最上級では、通例、theは使用しない。

  • (23) We worked hardest. (私たちが一番がんばって働いた)

ただし、of句などで比較の対象が明示されていれば、theが用いられることがある。

  • (24) Of the three daughters, she drives the most carefully. (3人の娘のうち, 彼女がもっとも注意深く運転する)

副詞the
副詞の最上級の前にtheが出現する場合、これは定冠詞ではなく副詞のtheと考える。

注: 安井稔は『英文法総覧』の中で、この理由を「限定的な句が続く場合には, 間接的に, 唯一的な個体が意識され」るからと説明している(p355)

3-4. 数量詞の最上級

manyとmuchは最上級でmost、fewとlittleは最上級でfewestとleastである。

これら数量詞の最上級が名詞修飾で使われる場合、theを用いることが多いが、場合によってtheを省略することがある。

次の例はmanyの最上級としてのmostを用いている。

  • (25) Whoever receives the most votes wins the game. (最多の投票を得た人が試合に勝つ)

次の例はfewの最上級としてのleastを用いている。

  • (26) He spent the least amount of time. (彼は一番時間をかけなかった)

動詞修飾の場合、theは随意的である。

  • (27) What matters (the) most is the quality of your sleep. (もっとも重要なのは睡眠の質です)
  • (28) Interesting things will happen when you least expect them. (面白いことは期待しない時におこる)

mostの使い方
mostの詳しい使い方は別記事で解説している。より深く知りたい方はご覧いただきたい。
英語のmostの使い方!3通りの用法を例文で詳しく説明

4. 最上級に関して注意すべき他のポイント

最上級に関して注意すべき他の点について述べていく。

4-1. of句の前置

  • (29) Of all the four P’s, pricing is the most important. (4つのPのうち、価格がもっとも重要だ)

比較の対象を示すof句は、しばしば前置される。(29)はOf…が文頭に置かれている点に注意したい。

of句の前置がわかりにくい場合、以下のようにofを最上級の後ろに置いて考えてみるとよい。

  • (29′) Pricing is the most important of all the four P’s.

注:「3つのP」はProduct(商品)、Place(場所)、Price(価格)、Promotion(販売促進)をあらわす経営学の用語。

4-2. 絶対最上級

  • (30) New York is a most exciting city. (ニューヨークはとても刺激的な街だ)

最上級では、mostがveryと同義で使われる場合がある。このようなものを絶対最上級と言う。

(30)は「とても刺激的な街(a very exciting city)」と解釈される。

絶対最上級
絶対最上級の詳しい使い方は別記事で解説している。より深く知りたい方はご覧いただきたい。
英語の絶対最上級の使い方!例文でわかりやすく解説

4-3. 最上級の意味を強める語句

  • (31) Chris is easily the best player. (クリスは明らかに最高の選手です)
  • (32) This isn’t quite the worst. (これは最悪とまではいかない)

arguably(間違いなく)、by far(断然)、quite(断然)、easily(明らかに)などは最上級の意味を強める表現として使われる。

最上級の強調
最上級の強調に関しては別記事で解説している。より深く知りたい方はご覧いただきたい。
例文で詳しく説明!英語の比較級・最上級を強調する語句の使い方

4-4. everの意味で解釈する最上級

  • (33) He can’t solve the simplest problem. (彼はもっとも簡単な問題さえ解けない)

最上級の中には、even(〜でさえ)の意味が含まれるものがある。

(33)は「もっとも簡単な問題さえ解けない」の意味である。通常、もっとも簡単な問題が解けなければ、それ以上の問題も解けない。evenの意味を補うとうまく解釈できる。

参考: 最上級のつくり方

最上級のつくり方には、語尾に-estをつける屈折比較変化と、語の前にmostをつける迂言比較変化の2つがある。

屈折変化bigbiggest
迂言変化usefulmost useful

以下、最上級のつくり方について詳細を説明していく。

屈折比較変化

原則的に、1音節の語は屈折比較変化で最上級をつくる。

  • big – biggest

2音節語であっても、-yで終わる場合、屈折比較変化させる。この場合、-yを-iに変えて、-estをつける。

  • happy – happiest

形容詞と副詞が同形の語も屈折比較変化させる。

  • fast – fastest

迂言比較変化

原則的に、2音節の語は迂言比較変化で最上級をつくる。

  • active – most active

3音節以上の語も迂言比較変化させる。

  • diligent – most diligent

1音節の語で迂言比較変化させるのは、real、right、wrong、likeなど、一部の語に限られる。

  • real – most real

分詞形容詞は迂言比較変化させる。

  • interesting – most interesting
  • surprised – most surprised

-lyで終わる副詞も迂言比較変化させる。

  • quickly – quickly

屈折と迂言比較変化のいずれも可能な場合

一部の2音節語は、屈折比較変化と迂言比較変化のいずれも可能である。

  • handsome – handsomest / most handsome

語尾が-le、-ow、-erで終わる語は、屈折比較変化させることが多いが、一部の語は迂言比較変化も可能。

  • gentle – gentlest
  • narrow – narrowest
  • clever – cleverest / most clever

否定の接頭辞がついた語は、屈折比較変化させることが多いが、一部の語は迂言比較変化も可能。

  • unhappy – unhappiest
  • unlikely – unlikeliest / most unlikely

最上級のつくり方は辞書で調べる
最上級のつくり方で迷った場合、辞書を使って調べてみよう。

まとめ: 最上級を使いこなす

この記事では、英語の最上級について詳細を解説してきた。

内容をまとめると次のようになる:

  1. 最上級は最高または最低をあらわす
  2. 最上級は-estまたはmostを使ってつくる
  3. 形容詞の最上級では名詞が空所になることがある
  4. theの有無は最上級の種類によって変わる
  5. veryと同義の絶対最上級がある

トイグルでは他にも、英文法に関する記事を執筆している。興味のある方はぜひご覧いただきたい。

Good luck!

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