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英語のthat節とは、I know that he is right.(彼が正しいことを私は知っている)のような文において、that he is rightの箇所を指す。
that節は英語学習で必ずぶつかる壁の1つである。英語を勉強しているあなたは、次のような疑問を持っていないだろうか?
- そもそもthat節とは何?
- thatの省略見抜く方法は?
- thatとwhatの違いは?
そこでトイグルでは、英語のthat節について詳細を解説していきたい。学習の参考になれば幸いだ。
1. that節は名詞節を導く接続詞
that節について知るには、実際の例を見るのがもっともよい。次の文を比較してみよう。
- I know the fact. (私は事実を知っている)
- I know that you are right. (私はあなたが正しいことを知っている)
上の例文は「主語+述語動詞+目的語」の構造。主語がI(私)、述語動詞がknow(知っている)、目的語がthe fact(事実)のシンプルな文だ。
下の例文も「主語+述語動詞+目的語」の構造だが、目的語がthat you are right(あなたが正しいこと)のかたまりであることに注意したい。このようにthatによってくくられた箇所をthat節と呼ぶ。
I | know | the fact |
I | know | that you are right |
that節は、ある文が別の文に「埋め込まれている」と考えるとわかりやすい。先程の例文は次のような構造である。
- I know that you are right.
- → S+V+O
- → O = S’+V’+C’
that節を用いることにより、私たちは文の情報量を増やすことができる。
例えば、「私はあることを知っています。あることとは、あなたが正しいことです」は間違いではないが、それなら最初から「私はあなたが正しいことを知っています」と言えば良い。英語も同様に、that節を使うことでより密度の濃い文を作れる。
それではthat節にはどのような使い方があるのだろうか? 以下、詳細を見ていこう。
2. that節の使い方
that節の使い方にはいくつかの決まったパターンがある。それぞれの詳細を見ていこう。
2-1. 目的語を表すthat節
- (1) I heard that Patrick moved to London. (パトリックがロンドンに引っ越したと聞いた)
- (2) He said that the goal is to make the product smaller. (ゴールは製品を小さくすることだと彼は言った)
that節のもっとも典型的な用法が、動詞の目的語として使われる場合である。
(1)は「パトリックがロンドンに引っ越した、ということを私は聞いた」の意味。(2)は「ゴールは製品を小さくすること、と彼は言った」の意味。
that節は(1)のように思考・認識を表す動詞や、(2)のように伝達・要求の動詞を表す動詞に使われることが多い。以下にthat節をよく取る動詞一覧をまとめた。
*that節を取る動詞の例
believe (信じる) | conclude (結論を下す) | confirm (確認する) |
consider (考える) | expect (思う) | figure (思う) |
hear (耳にする) | hope (願う) | inform (告げる) |
insist (要求する) | know (知る) | mention (述べる) |
note (注目する) | promise (約束する) | realize (わかる) |
say (述べる) | see (気づく) | state (述べる) |
suggest (提案する) | suppose (思う) | teach (教える) |
tell (話す) | think (思う) | understand (理解する) |
例: I informed him that Karen was married. (カレンが結婚したことを彼に伝えた)
2-2. 主語補語を表すthat節
- (3) The point is that you have to ignore a mountain of scientific evidence. (山のような科学的証拠を無視しなくてはならないことが論点だ)
that節は主語の補語として使われることもある。主語補語とはSVCのCに該当する部分であり、単純化して言えば、主語を説明する要素である。
(3)は「山のような科学的証拠を無視しなくてはならないこと、が論点である」の意味。
2-3. 主語を表すthat節
- (4) That students are struggling with reading is obvious. (生徒たちがリーディングに苦戦していることは明らかだ)
that節は主語としても用いられる。
(4)の例文は、主語がThat students are struggling with reading(生徒たちがリーディングに苦戦していること)、動詞がis、補語がobvious(明らか)。thatの及ぶ範囲の見極めに注意したい。
ただ、that節を主語にすると文頭が長くなり、バランスが悪い。そのため、実際は形式主語Itを使い、that節を後ろに配置することが多い。したがって、(4)は次のように書いても良い。
- (4′) It is obvious that students are struggling with reading. (生徒たちがリーディングに苦戦していることは明らかだ)
2-4. 同格を表すthat節
- (5) There is no doubt that vitamins are essential for adults. (ビタミンが大人にとって必要不可欠なことは疑いの余地がない)
that節は名詞と同格の関係としても使える。
(5)の例文は、「疑いない(no doubt)」と「ビタミンが大人にとって必要不可欠なこと(that以下)」が同格の関係。
2-5. 形容詞と共に使うthat節
- (6) It is true that around 1,200 employees moved to another building. (約1,200人の従業員が別のビルに引越したことは真実です)
- (7) John is aware that his project is about to finish. (ジョンは彼のプロジェクトがまさに終わることに気がついている)
that節は形容詞と共に用いられることもある。
(6)は「It + is + 形容詞 + that節」の構文。「that節以下のことが<形容詞>である」と解釈すればよい。
(7)は「主語 + is + 形容詞 + that節」の構文。「主語はthat節以下の内容に<形容詞>である」と解釈すればよい。
例: It seems that now is the time to buy a new laptop. (今が新しいノートパソコンを買う時なようだ)
3. that節によくある5つの疑問とその答え
that節に関する疑問の多くは、that節の構造上の問題にある。
ここでは、thatの省略を見抜く方法、thatとwhatの違い、接続詞thatと関係代名詞thatの違い、難易度の高いthat節、そして仮定法that節について説明していきたい。
3-1. thatの省略を見抜く方法
that節を使用する場面において、thatはしばしば省略される。
次の2つの文はどちらも文法的に正しく、意味も同じである。
- (8) We know that many teachers are over-worked. (私たちは多くの教師が働きすぎなことを知っている)
- (9) We know many teachers are over-worked. (私たちは多くの教師が働きすぎなことを知っている)
文にthatが明示されていれば、that節を表す目印として機能する。一方、thatが省略されていれば、そもそもthat節の文とすら認識できないかもしれない。私たちはどのようにしてthatを探し出せばよいのだろうか?
結論的に言えば、that節の省略は文構造を理解すれば自然に見抜けるようになる。たとえthatが省略されていても、that節の文は構造がそのまま保たれるので、文を逆算すれば確実にthatを見極められる。
(9)の例文をもう一度見ながら考えてみよう。
- (9′) We know many teachers are over-worked. (私たちは多くの教師が働きすぎなことを知っている)
まず、文頭のWe know(私たちは知っている)から、これらが文の主語(S)および述語動詞(V)とわかる。続いて、many teachers(たくさんの教師たち)を目的語(O)とすれば、この時点で主語+動詞+目的語(SVO)の構造に見える。
- We / know / many teachers: 主語+述語動詞+目的語?
しかし、areの出現により、この想定は修正を余儀なくされる。areは動詞だが、英語に「主語+動詞+目的語+動詞」の型はありえない。many teachersを目的語と判断せず、いったん保留としよう。
- We / know / many teachers / are: 主語+述語動詞+?+?
続いて、over-worked(働きすぎ)の出現により文が終了する。ここで、many teachers are over-worked(多くの教師が働きすぎだ)に注目すれば、この箇所が1つの節(文)として成り立っていることがわかる。
- many teachers / are / over-worked: 主語+述語動詞+補語
最後に、冒頭のWe knowとmany teachers以下を結びつける判断として、knowの直後にthatが省略があると想定してみる。
- We know (that) many teachers are over-worked. (私たちは多くの教師が働きすぎなことを知っている)
- → We / know [that / many teachers / are / over-worked].
このように考えれば、文全体の辻褄が合う。主語がWe、述語動詞がknow、many teachers以下がthat節として文の目的語になるのである。
以上のように、that節の省略は文構造から逆算して考えれば自然に導き出せる。最初は意味不明かもしれないが、thatの省略は上述のようなパターンがほとんどなので、慣れると意外なほどできるようになる。
that節の構造は後ほど『3-4. 学習者が必ず読み間違えるthat節 3つのパターン』でも取り上げるので、より詳しく知りたい方は、そちらも参照してほしい。
例: The chances are, you’re going to end up with a worse situation. (たぶん, 悪い状態で終わってしまうだろう)
3-2. thatとwhatの違い
that節とよく混同されるものに関係代名詞whatがある。thatとwhatはつづりこそ似ているものの、異なる働きをするので、明確に区別して理解したい。
次の例文を比べてみよう。
- (10) I believe that Paul told me the truth. (ポールが私に真実を言ったと信じている)
- (11) I believe what Paul told me. (ポールが私に言ったことを信じている)
それぞれの構造と意味を分析する。
- (10′) I / believe / [that / Paul / told / me / the truth]
- (11′) I / believe / [what / Paul / told / me]
- (10′)「ポールが私に真実を言った」ということを私は信じている
- (11′)「ポールが私に言ったこと」を信じている
Paul told me the truth(ポールが真実を言った)はそれ自体が文として成立している。よって、(10)のthatはthat節であり、I believeの目的語として使用されていることがわかる。
一方、whatにはそもそもthatのような機能はない。whatは「…する物・事」の意味の関係代名詞であり、(11′)は「ポールが私に言ったこと」の意味。関係代名詞は接続機能があるので、位置が末尾から節の先頭に移動して文が完成する。
- I / believe / Paul / told / me / what
- → I / believe / what / Paul / told / me
3-3. that節と関係代名詞thatの違い
thatはthat節のほかに、関係代名詞としての用法もある。次の3つの例文を比べてみよう。
- (12) The fact is that I still love content marketing. (真実は私がまだコンテンツ・マーケティングを好きだということである)
- (13) Mira is the woman that lives in the condo. (ミラはコンドミニアムに住んでいる女性です)
- (14) Max is the man that I met yesterday. (マックスは私が昨日会った男性です)
(12)はthat節、(13)は主格の関係代名詞that、(14)は目的格の関係代名詞that。構造を分析してみよう。
- (12′) [that / I / still / love / content marketing].
- (13′) the woman (that / ^ / lives in / the condo).
- (14′) the man (that / I / met / ^ / yesterday).
(12′)は主語・動詞といった要素が欠けることなく付随しているので、that節と判断する。
(13′)はlives in the condoの主語が欠落している。それを補うのがthatなので、関係代名詞thatと判断する。
(14′)はI met yesterdayの目的語が欠落している。それを補うのがthatなので、関係代名詞thatと判断する。
3-4. 学習者が必ず読み間違えるthat節 3つのパターン
that節は話し言葉、書き言葉を問わず頻繁に使われるが、とりわけ書き言葉において、that節内の構造が複雑化することがある。
ここでは、初級・中級レベルの学習者が間違いやすい3つのパターンを紹介したい。
1. that節内に従位接続詞が使われている場合
- (15) I noticed that when I browse the web through the browser of my smartphone, the web pages load very slow.
(スマートフォンのブラウザを通してWebサイトを見るとき、ページのロードがとても遅いことに気がついた)
主語はI(私)、述語動詞はnoticed(気がついた)、目的語はthat節以下すべて。that節の内部を分解する。
- that / < when / I / browse / the web / through the browser of my smartphone>, / the web pages / load / very slow.
途中にコンマがあるが、that節の及ぶ範囲は文末までであることに注目したい。that節の中に接続詞whenがあるため、入れ子のような構造になっている。
- I / noticed / [that / <when / I / browse / the web / through the browser of my smartphone>, / the web pages / load / very slow].
2. that節内にandで節がつながれている場合
- (16) I found that knowing what was working and what wasn’t in the factory was a challenge.
(工場内で何が機能し、何が機能していないかを知ることはチャレンジだとわかった)
主語はI(私)、述語動詞はfound(わかった)、目的語はthat以下すべて。andはthat節内で「what was working」と「what wasn’t」をつなげている。
- I / found / [that / knowing / what was working / and / what wasn’t / in the factory / was a challenge].
was a challenge(チャレンジだった)に対応しているのはknowing(知ること)である。
- knowing … was a challenge
3. that節内に前置詞がある場合
- (17) It’s important to point out that in spite of the problem, you shouldn’t be too scared of what is happening to you.
(問題はあるものの、あなたに起きていることに怯えすぎるべきではない、と指摘することは重要だ)
that節内に前置詞が使われている場合、とりわけそれがthatの直後にある場合、that節を他の何かと読み間違える場合がある。前置詞の及ぶ範囲を見極めるのが重要。
(17)では、that節は文末まで続き、その内部にin spite of the problem(問題はあるものの)が含まれると考える。
- that / <in spite of the problem>, / you / shouldn’t be / too scared of / what is happening / to you.
例: Make it clear that everyone is welcome. (誰もを歓迎することを明らかにしましょう)
3-5. 仮定法that節
that節はしばしば仮定法が使われる。
- (18) Andrew suggested that Jessica (should) open a new office in downtown Chicago. (アンドリューはジェシカがシカゴの繁華街に新しいオフィスを開くよう提案した)
ポイントは次の3点:
- 仮定法that節を導くのは、recommend(推薦する)、propose(提案する)、suggest(提案する)、insist(主張する)、ask(尋ねる)、demand(要求する)、command(命令する)、order(命令する)などの動詞が多い。
- shouldはしばしば省略される。省略があっても動詞は原形を用いる。例えば、(18)はthat節内の主語が三人称単数のJessicaだが、動詞はopensではなくopen(原形)。
- that節内の動詞が受動態であっても、shouldが省略される場合、be動詞は原形で用いる。例えば、X suggested that Y be cleared.のように使う。
4. まとめ
この記事では、英語のthat節について詳細を解説してきた。
内容をまとめると次のようになる:
- that節は名詞節を導く接続詞
- that節は目的語を表す場合が多い
- that節は他にも主語補語や同格で使われる
- that節はしばしば省略される
- that節は関係詞thatやwhatと区別される
that節は複雑なので、一度にすべてを理解するのは難しい。学習中に困ったことがあれば、またこの記事に戻ってきてほしい。きっと探している答えが見つかるはずだ。
トイグルでは他にも、英文法に関する記事を執筆している。興味のある方はぜひご覧いただきたい。
Good luck!
中学英語のやり直し学習をしている者です。
関係代名詞のご説明について、とても理解しやすく、参考にさせていただいております。
ところで、”1. that節は名詞節を導く接続詞”のご説明の中で理解できない部分があり質問をさせていただきました。
I know that you are right.についてS + V + Oの構造になっている部分は理解できたのですが、O = S’+V’+O’ の部分が理解できませんでした。
もし、O = you are right のご説明だとすると、rightは形容詞なので、S’+V’+C’ になるのでは? と思いました。
O = S’+V’+O’ の部分について詳しい情報、または私の理解に誤りがありましたらご教示
いただけますと幸いです。
>seak0503様
大変申し訳ありません、こちらに関して、記事に誤記がありました。
正しくは、ご指摘のように、S’+V’+C’ になります。
該当箇所は只今、訂正しました。
今後ともトイグルをよろしくお願いします。