この記事には広告を含む場合があります。
記事内で紹介する商品を購入することで、当サイトに売り上げの一部が還元されることがあります。
TOEIC Part3は会話問題、Part4は説明文問題である。どちらも英語の長文音声を聞き、内容に関する3つの設問に答える。
両パートはリスニングセクションの中でも難易度の高い箇所として知られている。TOEICを勉強中のあなたは次のような悩みを持っていないだろうか?
- Part3/Part4が苦手…
- Part3/Part4でスコアが上がらない…
- Part3/Part4をどうやって解けばいいかわからない…
そこでトイグルでは、両パートのスコアを上げる「先読み」の効果と実践方法を紹介したい。
筆者はマンツーマン形式のTOEIC対策スクールを運営しているが、この方法により「リスニングセクションでほぼ満点を取得しTOEIC830点を取った事例」や「リスニングセクションで425点を取得しTOEIC785点を取った事例」など、大幅なスコアアップが実現した。
この記事を読めばTOEIC長文リスニング問題でスコアを上げるポイントがわかる。自信を持って試験に臨めるようになるはずだ。
1. TOEIC長文リスニングに先読みが効果的な理由
「先読み」とは、TOEIC Part3(会話問題)およびPart4(説明文問題)において、会話音声を聞く前に設問文を読むテクニックである。
例を見てみよう。次の図は問題用紙の一部を模したものである。本番試験ではこのように、Part3/Part4の設問文と選択肢は問題用紙に掲載されている。
多くの受験者は音声を聞いた後に設問文を読み、そこから選択肢を検証してマークシートを塗る。この方法はリスニング力に自信のある方にとってはよいが、内容をすべて覚えなければならないため、初・中級レベルの学習者には敷居が高い。
一方、解答手順を逆にして、設問を事前に読んだ後に音声を聞けば、予め問われる内容がわかるので解きやすい。会話内容を暗記する必要がなくなるので、正答率の向上が期待できる。これが「先読み」のテクニックである。
それでは、先読みはどのように行えばよいのだろうか? 以下、その具体的な方法を見ていこう。
2. 先読みのやり方: 3つのステップで設問を理解する
ステップ0 | DirectionsでQ32-Q34の先読みをする |
ステップ1 | 音声を聞きながら設問を解く |
ステップ2 | 設問文が流れている最中に次の3問の先読みをする |
ステップ3 | 以後、ステップ1〜ステップ3の繰り返し |
ステップ0: DirectionsでQ32-Q34の先読みをする
Part3(会話問題)とPart4(説明文問題)では、冒頭にDirectionsと呼ばれる説明が放送される(約30秒)。
Directionsは問題形式を説明するだけなので、以後の設問内容に関連しない。したがって、この時間にPart3はQ32-Q34(1つ目の設問セット)、Part4はQ71-Q73(1つ目の設問セット)の先読みをしよう。
ステップ1: 音声を聞きながら設問を解く
Part3(会話問題)とPart4(説明文問題)では、本文と設問の順番は概ね一致する。各音声には3つの設問があるが、問1は音声の序盤、問2は中盤、問3は終盤にヒントがあることが多い。
- 問1: 音声の序盤
- 問2: 音声の中盤
- 問3: 音声の終盤
言い換えれば、Part3とPart4は音声を聞いている最中に解答することが望ましい。音声を全部聞いてから内容を思い出して解くのではなく、音声を聞きながら正誤の判断をするのだ。
初・中級レベルの学習者の場合、音声の序盤は聞き取れても、中盤から終盤にかけて音声に置いていかれてしまうこともある。その場合も、できるだけ早いタイミングで解答を終了して、次のステップに移行できるようにしよう。
ステップ2: 設問文が流れている最中に次の3問の先読みをする
Part3(会話問題)とPart4(説明文問題)では、会話音声が終了すると、各問題の設問文が放送される(約40秒)。
私たちが次の設問の先読みをするのは、まさにこのタイミングである。Q32-Q34の設問文が読み上げられている時間を利用して、次のQ35-Q37の先読みをする。
ステップ3: 以後、同じステップの繰り返し
以後、Part3(会話問題)とPart4(説明文問題)が終わるまで、上記のステップ1〜ステップ3を毎問題で行う。
先読みができるようになると、長文リスニング問題を解く「手順」ができあがる。前もって設問を読み、音声を聞きながら解き、また次の設問を読み…といったループが完成するので、集中力を維持したまま設問を進められる。
先読みの練習は「TOEIC® Listening and Reading 公式問題集」など、市販の参考書を使って行うとよい。長文リスニングに苦手意識を感じている方も、正答の手応えがつかめるようになるはずだ。
先読みQ&A: よくある5つの疑問とその答え
Q1. 先読みをした内容を覚えられない
先読みの内容を覚えられない問題がなぜ発生するかと言えば、それは先読みの範囲が広すぎるからである。3つの設問と12の選択肢すべてに目を通せば、読みの精度は当然浅くなってしまう。
これに対処するため、筆者は先読みを「設問文だけ」か「選択肢だけ」のどちらかに絞る方法を提案している。具体的には、次のようにすればよい。
*設問文だけを先読みする方法
- 32. Where most likely are the speakers?
(A) At a sport center(B) At a university(C) At a factory(D) At a grocery store
- 33. What does the man suggest the listeners do?
(A) Purchase a ticket in advance(B) Travel by train(C) Find alternative routes(D) Show a student ID
- 34. What will the woman probably do next?
(A) Talk to job candidates(B) Consult with his supervisor(C) Purchase a new computer(D) Receive a document
設問文だけを先読みするメリットは、これから聞く音声について何が問われるか、事前に知れる点にある。選択肢は設問を解く時になってから高速で読む。
*選択肢だけを先読みする方法
32. Where most likely are the speakers?- (A) At a sport center
- (B) At a university
- (C) At a factory
- (D) At a grocery store
33. What does the man suggest the listeners do?- (A) Purchase a ticket in advance
- (B) Travel by train
- (C) Find alternative routes
- (D) Show a student ID
34. What will the woman probably do next?- (A) Talk to job candidates
- (B) Consult with his supervisor
- (C) Purchase a new computer
- (D) Receive a document
選択肢だけを先読みするメリットは、後に選ぶ解答に予め目を通せる点である。初級レベルの学習者の場合、音声に出現した選択肢を選ぶ「拾い聞ぎ作戦」も有効である。ただし、設問文を後から読む時間がないため、正答率には限界がある。
筆者は「設問文だけを先読みする方法」をおすすめしている。学習者によって向き・不向きは当然あるため、事前に問題集で練習し、自分に合った方法を試してほしい。
Q2. 時間が足りなくて先読みが十分にできない
『ステップ2: 設問文が流れている最中に次の3問の先読みをする』で説明したように、次の問題の先読みは、今の問題の設問文が流れている最中に行う。時間は最大で40秒程度なので、時間不足により先読みが不十分になることがある。
これに対処する方法として、よく出る設問文のパターンを覚える方法がある。各パートに出る設問の形式は似ているので、それを事前に知っておけば、さらっと目を通すだけで理解できる。
以下、Part3/Part4によく出る設問文をいくつか紹介したい。
- What are the speakers discussing?
(話し手たちは何を議論していますか) - Where does the speaker work?
(話し手はどこで働いていますか) - Who most likely is Mr. X (Ms. X)?
(Xさんは誰だと考えられますか) - What does the man ask the woman to do?
(男性は女性に何をするよう求めていますか) - What will the man(woman) do next?
(男性/女性は次に何をしますか) - What will the speakers most likely do next?
(話し手は次に何をすると考えられますか) - What does the speaker imply when she says, “X”?
(話し手が「X」というとき何を意図していますか)
Q3. リズムが崩れて先読みに失敗する
先読みを実践する際、もっとも問題になるのがリズムの乱れである。本番では以下のような失敗がよくある。
- 序盤は「先読み→解答」のペースがうまくいく
- 途中、難しい問題に時間がかかってしまい、次の問題の先読みができない
- 先読みが不完全だったことで設問解答に時間がかかり、次の先読みができず、リズムが崩壊
リズムを取り戻すもっとも効果的な方法は、今の問題を捨ててでも次の設問の先読み時間を確保することにある。
リスニングは音声が一度しか流れないので、わからない問題に悩んでも正答率は上がらない。それより、次の設問の先読みに切り替え、ペースを戻したほうが全体の正答率は向上する。
このような「捨てる判断」の心理的なハードルは高いが、「小さな損失が大きな利益をもたらす」と考え、次の問題に進むようにしたい。
Q4. 話し手の意図問題が出た時は先読みのやり方を変えたほうが良いのか?
話し手の意図問題は以下のような設問である。
- What does the woman mean when she says “Got it”?(女性が”Got it”と言ったとき、それは何を意味していますか?)
話し手の意図問題が出現した場合、先読みの方法は変えたほうがよい。具体的には、他の2問の先読みは最小限に抑え、かわりに話し手の意図問題のセリフを3回先読みする。
先ほどの例なら、Got it.を3回読んでセリフを脳裏に焼き付ける。音声中に出現した時に確実にキャッチできるようにするのである。
- Got it.
- Got it.
- Got it.
話し手の意図問題は、Part3(会話問題)とPart4(説明文問題)を通算して5問程度出る。難易度は高いが、先読みの工夫によって正答率を上げられるようにしよう。
Q5. 図表問題が出現した時は図表と設問文のどちらを先読みすべきか?
図表問題とは、問題用紙に印字されている図表を見ながら解く問題である。
図表問題が出現した場合、先読みの方法は変えたほうがよい。具体的には、他の2問の先読みは最小限に抑え、かわりに図表と対応する選択肢を3回読むとよい。
図表問題によくある選択肢は以下のとおり。
- Look at the graphic. What/Where/Which/When …? (図表を見てください。何/どこ/どちら/いつに…しますか)
まとめ
この記事では、TOEIC長文リスニング問題の先読みについて詳細を解説してきた。
内容をまとめると次のようになる:
- 先読みで長文リスニング問題のスコアが上がる
- 先読みで設問内容を知ってから音声を聞いて答える
- 先読みは3つのステップで行う
- 先読みした内容を覚えられなければ範囲を絞る
- よく出る設問文を覚えれば短時間で先読みできる
トイグルでは他にも、TOEIC勉強法に関する記事を執筆している。興味のある方はぜひご覧いただきたい。
Good luck!