イラストで解説!動名詞とto不定詞の違いを覚える2つのポイント

動名詞と不定詞の違い

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英語の動名詞to不定詞はどちらも似た意味を持ち、似たような位置に使われる。

英語を勉強しているあなたは、次のような疑問をお持ちではないだろうか?

  • 動名詞とto不定詞の違いは何?
  • 動名詞やto不定詞を目的語にとる際の見分け方は?
  • 動名詞とto不定詞で意味が変わる動詞とは?

そこでトイグルでは、英語の動名詞・to不定詞の違いを解説していく。学習の参考になるはずだ。

1. 動名詞とto不定詞の使い分け方

動名詞とto不定詞の違い
  • I forgot printing my boarding pass. (私は乗車券を印刷したことを忘れた)
  • I forgot to print my boarding pass. (私は乗車券を印刷し忘れた)

動名詞とto不定詞の使い分け方を一言で示せば、動名詞は現実をあらわすのに対し、to不定詞は非現実をあらわす違いがある。日本語訳では差がわかりにくいが、英語のニュアンスは異なる。

例文(上)は動詞forget(忘れる)の目的語にprinting(印刷すること/動名詞)が使われている。動名詞は現実の意味を持つことを思い出そう。印刷自体は済んでいるが、印刷をしたという事実を忘れてしまった、ということである。

例文(下)は動詞forget(忘れる)の目的語にto print(印刷すること/to不定詞)が使われている。to不定詞は非現実の意味を持つことを思い出そう。印刷自体がまだ済んでいない、ということである。

例文の状況は次のようになるだろうか:

  • (1′)「乗車券を印刷したはずなんだけど、どうだったかなぁ、忘れてしまった…」
  • (2′)「しまった、乗車券を印刷し忘れた!」

このように、動名詞とto不定詞は異なるニュアンスを持つ。英語を話したり書いたりする場合、意味の違いを知っておくことは、正確な内容を伝える上で役立つのだ。

2. 動名詞を目的語に取る動詞

動名詞は現実をあらわす。

これは、過去に行われたことは事実であり、現在行われていることは行為と言ってもよい。

  • 事実: 過去に起こった現実
  • 行為: 現在起こっている現実

動名詞を目的語にとる動詞の例を見ていこう。

2-1. enjoy doing

enjoy -ing
  • I enjoy reading books. (私は読書を楽しんでいる)

enjoy(…を楽しむ)は動名詞を目的語にとる。例文は「私は読書を楽しんでいる」の意味。

「楽しむ」の対象は「読書をするという行為」であって、「これから読書をすること(to不定詞)」ではない。したがって、動名詞(行為)が使われる。

2-2. recall doing

recall talking
  • Mark recalled talking to one of the candidates. (マークは候補者の1人と話したことを思い出した)

recall(…を思い出す)は動名詞を目的語にとる。例文は「マークは候補者の1人と話したことを思い出した」の意味。

「思い出す」の対象は「話したこと(事実)」であって、「これから話すこと(to不定詞)」ではない。したがって、動名詞(行為)が使われる。

2-3. finish doing

finish reading
  • I just finished reading Steve Jobs biography. (私はちょうどスティーブ・ジョブズの伝記を読み終えた)

finish(…し終える)は動名詞を目的語にとる。例文は「私はちょうどスティーブ・ジョブズの伝記を読み終えた」の意味。

終えるという動作は、過去から行われてきたことが終了することを意味する。動名詞の持つ事実のニュアンスと合う。

2-4. avoid doing

avoid drinking
  • Avoid drinking alcohol. (アルコール類を飲むのは避けるように)

avoid(…を避ける)は動名詞を目的語にとる。例文は「アルコール類を飲むのは避けるように」の意味。

avoidの解釈には注意が必要。「飲むことを避ける」は、一見するとto不定詞が使われそうだが、実際は動名詞を用いる。

理由は、avoidは「今…することを避ける」で、現在指向的なニュアンスを持つからである。避けるのは「いま飲むという行為」であって、「これから飲むこと」ではない(と考える)。したがって、動名詞と相性がよい。

理不尽な英語
「avoidは現在指向的」と言い始めたら、他の動詞も解釈次第で何とでも言えそうな気がしてくる。しかし、学習上は「これが英語の世界観」と思って割り切るしかない。英語とは理不尽なものである。

2-5. put off doing

put off buying
  • I always put off buying till the last second. (私はいつも最後の時まで購入を延期してしまう)

put off(…を延期する)は動名詞を目的語にとる。例文は「私はいつも最後の時まで購入を延期してしまう」の意味。

put offは「今…することを延期する」で、現在指向的なニュアンスを持つ。したがって、行為をあらわす動名詞と一緒に用いる。

通常の名詞も目的語になる
言うまでもなく、ここで紹介した5つの動詞は通常の名詞も目的語にとる。「動名詞を目的語にとる」と題したのは「動名詞⇔to不定詞」の対比において動名詞が適切という意味である。

動名詞の詳しい使い方

3. to不定詞を目的語に取る動詞

to不定詞は非現実をあらわす。to不定詞を目的語にとる動詞の例を見ていこう。

3-1. want to do

want to buy
  • Daniel wants to buy nice gifts for his children. (ダニエルは良い贈り物を彼の子どもたちのために買いたい)

want(…したい)はto不定詞を目的語にとる。例文は「ダニエルは良い贈り物を彼の子どもたちのために買いたい」の意味。

ダニエルの願望はまだ起きていない未実現のことである。したがって、to不定詞が用いられる。

3-2. decide to do

decide to rewrite
  • We decided to rewrite the rule book. (私たちはルールブックを書き直すことを決めた)

decide(…することに決める)はto不定詞を目的語にとる。例文は「私たちはルールブックを書き直すことを決めた」の意味。

話は過去のことだが、「決めた」の時点で「ルールブックを書き直すこと」は未実現である。したがって、to不定詞が用いられる。

3-3. agree to do

agree to wait
  • Daisy agreed to wait a few minutes. (デイジーは2, 3分待つことで同意した)

agree(同意する)はto不定詞を目的語にとる。例文は「デイジーは2, 3分待つことで同意した」の意味。

話は過去のことだが、「同意した」の時点で「2, 3分待つこと」は未実現である。したがって、to不定詞が用いられる。

3-4. expect to do

expect to earn
  • The company expects to earn a profit of $9 billion this year. (その会社は今年90億ドルの利益をあげるつもりである)

expects(…するつもりである)はto不定詞を目的語にとる。例文は「その会社は今年90億ドルの利益をあげるつもりである」の意味。

「予期」は未来のことであり、つまり未実現。to不定詞との相性がよい。

3-5. fail to do

fail to answer
  • I failed to answer the question. (私はその質問に答えられなかった)

fail(…できない)はto不定詞を目的語にとる。例文は「私はその質問に答えられなかった」の意味。

ここで使われているto不定詞は特殊なパターンで、to以下の内容が真であることを示す、事実指向的な意味をもつ。

通常の名詞も目的語になる
繰り返しになるが、ここで紹介した5つの動詞は通常の名詞も目的語にとる。「to不定詞を目的語にとる」と題したのは「動名詞⇔to不定詞」の対比においてto不定詞が適切という意味である。

to不定詞の詳しい使い方

4. 動名詞とto不定詞のいずれも取る動詞

動詞の中には、目的語に動名詞とto不定詞のいずれも取るものがある。動名詞とto不定詞で意味が変わらないものと、異なる意味で解釈されるものがある。

日本人学習者にとって迷いやすい動名詞/to不定詞のペアを説明していきたい。

4-1. like doing / like to do

like playing
  • Bob likes playing card games. (ボブはカードゲームをすることが好きだ)
  • Bob likes to play card games. (ボブはカードゲームをすることが好きだ)

like(…が好きだ)は目的語に動名詞とto不定詞のいずれも取れる。例文はどちらも「ボブはカードゲームをするのが好きだ」の意味。

like doinglike to doに意味の違いはほとんどない。どちらも「…すること」の意味で使用できる。

would like to do
likeがwould like(…したい)の意味で用いられる場合、常にto不定詞をとる。
例: I’d like to send you a photo. (私はあなたに写真を送りたい)

4-2. start doing / start to do

start raining
  • It started raining. (雨が降り始めた)
  • It started to rain. (雨が降り始めた)

start(…を始める)は目的語に動名詞とto不定詞のいずれも取れる。例文はどちらも「雨が降り始めた」の意味。

start doingstart to doに意味の違いはほとんどない。ただ、強いて相違点をあげれば、動名詞は「雨が降っている」という動作の継続が意識されるのに対し、to不定詞は「雨の降り始め」に焦点が置かれる感じがある。

進行形では動名詞が好まれる
述語動詞startが進行形の場合、目的語は動名詞が好まれる。これは-ingの重複を避けるためである。
例: It’s beginning to rain. (雨が降りはじめている)

4-3. remember doing / remember to do

remember ing
  • I remember seeing you at the meeting. (私はあなたをミーティングで見てことを覚えている)
  • Remember to switch off your mobile phone. (携帯電話の電源を切ることを覚えておいてください)

remember(…を覚える)は目的語に動名詞とto不定詞のいずれも取れる。この場合、動名詞とto不定詞で意味に大きな差が出る。

remember doingは「…したことを覚えている」の意味。既に行った過去の出来事を覚えている、といった場面に使う。例文は「ミーティングであなたに会った(という事実)」を覚えている。

remember to doは「…するのを覚えている(忘れずに…する)」の意味。to不定詞の持つ未来志向的なニュアンスが強調される。例文は「(これから忘れずに)電源を切ってください」

forgetと同様
remember doing/to doは本記事の冒頭にあげたforgetと同様の考え方と言ってよい。

4-4. stop doing / stop to do

stop talking
  • We stopped talking. (私たちは話すのを止めた)
  • We stopped to rest. (私たちは休憩のため手を止めた)

stop(…を止める)は目的語に動名詞とto不定詞のいずれも取れる。この場合、動名詞とto不定詞で意味に大きな差が出る。

stop doingは「…することをやめる」の意味。今している動作を中止すること。例文は「(その時点で行っていた)話す動作をやめた」の意味。

stop to doは「…するために手を止める」の意味。to不定詞は未来志向的なので、何かをするために止まった、ということ。例文は「私たちは休憩のため手を止めた」の意味。

stop to doは「立ち止まる」とは限らない
stop to doは「…のために立ち止まる」と教わることが多いが、「手を止める」と解釈するほうが自然な場合が多い。

4-5. try doing / try to do

try using
  • I tried using WordPress.com. (私はワードプレスドットコムを使ってみた)
  • I tried to withdraw $200 from an ATM. (私はATMから200ドルを引き落とそうとした)

try(…しようとする/試す)は目的語に動名詞とto不定詞のいずれも取れる。この場合、動名詞とto不定詞で意味に大きな差が出る。

try doingは「試しに…してみる」の意味。動名詞は行為をあらわすから、何かの行為を試すこと。例文は「私はワードプレスドットコムを使ってみた」の意味。

try to doは「…しようとする」の意味。to不定詞は未来志向的なので、未実現の行為をしてみようとしたニュアンス。例文は「私はATMから200ドルを引き落とそうとした」の意味。

参考: 動詞+doing / to do 一覧

V-ingto-VV-ing / to-V
admit+
advise+
afford+
agree+
avoid+
begin+
cease+
choose+
consider +
continue+
decide+
decline+
delay+
deny+
desire+
determine+
detest+
dislike+
enjoy+
expect+
fail+
finish+
forget+
hate+
help+
hesitate+
hope+
imagine+
keep+
like+
love+
manage+
mean+
mention+
mind +
miss+
offer+
permit+
postpone+
practice+
prefer+
pretend+
promise+
propose+
put off+
quit+
recall+
recollect+
recommend+
refuse+
regret+
remember+
resent+
resist+
resolve+
stop+
suggest +
swear+
want+
wish+

正確な用法は辞書で調べる
動詞+doingとto doの違いに迷ったら、一番正確なのは辞書で調べることにある。おすすめはウィズダム英和辞典。ニュアンスの違いが詳しく紹介されていてわかりやすい。

  • 注1: 動名詞を取る動詞の中には、「動詞+目的語+to do(例: advise A to do)」でto不定詞を取るものもある。本リストはV-ing/ to doのみを対象とした。
  • 注2:「動詞+-ing」の中には、受動態で「be …ed to be」をとるものがある(例: be admitted to do)

まとめ

この記事では、動名詞とto不定詞の違いについて詳細を解説してきた。

内容をまとめると次のようになる:

  1. 動名詞は現実、to不定詞は非現実をあらわす
  2. enjoy, recall, finishなどは動名詞を目的語にとる
  3. want, decide, agreeなどはto不定詞を目的語にとる
  4. 動名詞と不定詞を共に使える動詞がある
  5. 動名詞と不定詞で意味が変わることがある

トイグルでは他にも、英文法に関する記事を執筆している。興味のある方はぜひご覧いただきたい。

Good luck!

17 COMMENTS

うらら

凄い!!!
不定詞と動名詞クリアになりました!
モヤモヤしていた部分で適当に今まで使っていたのでスッキリしました!
トイグルさんには、もう何度も不安定だった英語をクリアにして頂いています。
ありがとうございます!!

田邉竜彦

>うらら様

お褒めのコメント、ありがとうございます。
お役に立てたようで、書き手として大変嬉しく思います。

今後ともトイグルをよろしくお願いします。

ほごしゃばれー

わかりやすくてよかったです。
受験生の私としてはこの問題が難しかったので
解決できてとてもうれしく思います。

本当にありがとうございます。

田邉竜彦

>ほごしゃばれー様

お褒めのコメント、ありがとうございます。
お役に立てたようで光栄です:)

N

質問なのですが、
I stopped to drink water.の文章で、「水を飲むために立ち止まった」という解釈の他に、「水を飲みに向かうことをやめた → (水を飲もうと思っていたけど)水を飲むことをやめた」つまり、水は飲んでいない。という解釈も可能なのでしょうか?

田邉竜彦

ご質問ありがとうございます。

英文は状況によって異なる解釈になることがありますが、通常は「立ち止まった」の解釈になるのではないかと考えます。

みっつ

例文で「went skiing」というのがありましたが、wentの後にtoを付けずに〜ingという言い方はあるのでしょうか?
goは自動詞だから後ろには必ず前置詞が入るものと思ってきましたが、実はこんな言い方もできるのだとすると、ちょっと動揺が広がってきました…どなたか教えてください!

田邉竜彦

>みっつさん

コメントありがとうございます。

goは通常はtoなどの前置詞を伴うことが多いですが、shopping, swimming, skiingなど-ingを使う動詞と共に使うことも可能です。

e.g. I need to go shopping this afternoon.(私は午後に買い物に行く必要がある)

これ以外の場合は、goは前置詞と共に使うことが多いです。
ご参考まで…

赤澤

質問です。
”like doingとlike to doに意味の違いはほとんどない。どちらも「…すること」の意味で使用できる。”との記載がありますが、先日大学の講義内で、like to do は want to do と似たようなニュアンスがあるという説明を受けました。使用している教科書にもそのような記載があり、私にとって初耳なものでした。そこで、wolud like to do とlike to do の違いを知りたくなったのですが、その説明をなされている記事はありますでしょうか。

それともう一つ、ここで扱われている不定詞はいわゆる不定詞の名詞的用法ですが、stop to do の不定詞は副詞的な働きをしていると思うのですが、その場合でも不定詞に未来志向的なニュアンスが含まれるのでしょうか。

田邉竜彦

>赤澤様

コメントありがとうございます!

would like to doとlike to doの違いについては、現時点で記事はまだ書いておりませんでした…

ここで簡単にご説明すると、would like to doのほうが丁寧で、かつよく使われる印象を受けます。

stop to doに関しても、どちらかと言うと未来志向的なニュアンスがありますね。

例: They stopped to eat ice cream. (彼らはアイスクリームを食べようと立ち止まった)
→ 立ち止まった時点でアイスクリームを食べるのは未来の話

(例文はウィズダム英和辞典より引用)

r

一見わかりやすく見えるけど実際には動名詞を目的語にもつ動詞に不定詞の目的語をつけても意味的に自然になったりする(逆も然り)ことも多くてなんだかなーって感じ。たとえばadviseで例文を調べてもむしろ未来志向の意味の文が多い。自分の理解力が乏しいのもあるとは思うが正直あてにならない気がする。

あんぱん

画像やコラムのおかげで他のサイトよりもはるかにわかりやすい上に、本文中にマーケティング要素や広告がなくてとても見やすかったです。

田邉竜彦

>あんぱん様

お褒めのお言葉、大変うれしく思います!

お役に立てたようで何よりです^^

ビッキーニ

もうすぐテスト!
でも動名詞と不定詞の違いがわからない!
そんな時にたまたま開いたサイトがこれで
本当に良かったです!
学校の授業では先生の言ってることが
さっぱりわからず、適当に雰囲気でingを
つけたりtoをつけたりしてました。
微妙な違いが整理できて
いなかった僕ですが、スッキリしました。
きっとテストでいい点が取れると思います。
ありがとうございました。
頑張ります。

田邉竜彦

>ビッキーニ様

コメント、ありがとうございます!

お役に立てたようで良かったです^^

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