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英語で未来を表現するには、will に代表される特定の方法を用いる。
例えば、I’ll send you an email soon.(すぐにメールを送りますね)では、話し手は近々起こるであろう未来について話している。
ただ、英語で未来を表す方法は will だけではない。他にも、be going to や現在進行形など、多種多様な方法で未来に言及できる。
英語を学習しているあなたは、次のような疑問を持っていないだろうか?
- 英語で未来をあらわすにはどのような方法があるのか…
- will と be going to など、類似表現の使い分けがわからない…
- 自分の意図する未来をあらわすにはどうすればいいのか…
そこでトイグルでは、英語で未来をあらわす方法について、その全貌を解説していく。各種表現の特徴を述べた後、学習中にぶつかる違いについて説明する。
市販の参考書では扱われない点も取り入れたので、一歩上の英語力を目指す方にとって、大いに参考になると思う。本記事を読めば、未来の表現を自信を持って使えるようになるに違いない。ぜひ最後まで読んでほしい
1. 英語で未来をあらわす8つの方法
英語において、未来をあらわす方法は1つではない。
話し手は、どのような状況の未来を言いたいかによって、次の8パターンの中から選ぶことになる。
1 | will/shall | …しよう/…だろう |
2 | will be doing | …しているだろう |
3 | will have done | …してしまっているだろう |
4 | be/do/does | …です |
5 | be doing | …するだろう |
6 | be to | …することになっている |
7 | be going to | …するつもり |
8 | be about to | これから…するところ |
学習者がおそらく最初に教わるのが、1の will / shall による未来である。これは「…しよう」といった意志を含んだ未来や、「…だろう」のような意志の含まれない未来など、広い場面で使われる。
2の will be doing は「…しているだろう」の意味で、未来のある時点における動作の進行をあらわす。3の will have done は「…してしまっているだろう」の意味で、未来のある時点において、完了した出来事をあらわす。
4の be / do / does (単純現在形)は「…です」の意味で、確定した出来事をあらわす際に使う。単純現在形が未来をあらわす特殊用法と言える。5の be doing (現在進行形)は「…するだろう」の意味で、確定した未来、または差し迫った未来をあらわす。
6の be to は「…することになっている」の意味で、主として出来事の取り決めがなされていることを示す。
7の be going to は「…するつもり」の意味で、話し手の意図をあらわす。8の be about to は「これから…するところ」の意味で、近い未来をあらわす。
このように、英語で未来をあらわす用法は様々である。場合によって交換可能なこともあるが、基本的には、ある特定の状況には、固有の適した表現がある。
それでは、各用法はどのような使い方をするのだろうか? 以下、1つずつ見ていこう。
もしあなたが英語初心者であれば、最初は will と be going to から学んでいこう。はじめから8つすべてを覚える必要はなく、1つずつ理解度を増していけば十分である。
2. 未来の表現の使い方
8つの方法について、使い方を1つずつ見ていこう。
2.1. will/shall
英語で未来をあらわすもっとも基本的な方法は、will を使うことである。
次の例では、祖父が来月、80歳になると述べている。単純未来と呼ばれる方法である。
- (1) My grandfather will be 80 next month. (祖父は来月、80歳になります)
willは話し手の意志をあらわすこともある。次の例では、話し手は今夜、聞き手に電話するつもりと述べている。
- (2) I will call you tonight. (今夜電話しますね)
willの代わりにshallを使うこともできる。
- (3) Shall we dance? (踊りませんか)
ただ、shallは古めかしい表現なので、使用頻度はwillよりはるかに少ない。
2.2. will be doing (未来進行形)
will be doing(いわゆる、未来進行形)も未来をあらわすのに使われる。
will + be doing という形からも想像できるように、未来のある時点において、進行している様子を言うのに使われる。次の例では、話し手は「明日の今ごろ」、ビーチで横になっているだろうと述べている。
- (4) This time tomorrow I’ll be lying on the beach.
(明日の今ごろ、ビーチで横になっているでしょう)
will be doing はもう一つ、「時がたてばひとりでにそうなっていると考えられる未来」にも使われる。
次の例は、店内で流れる放送だが、その時間になれば閉店する予定と述べている。
- (5) Attention guests: the store will be closing at 11 PM.
(お客様へご案内します: 当店は午後11時に閉店します)
この2つの用法が異なるのは、(4)が「(未来に)…している最中」なのに対し、(5)は「自然のなりゆきでそうなる予定」という点にある。決して、「午後11時に閉店している最中」ではないことに注意しよう。
2.3. will have done (未来完了形)
will have done(いわゆる、未来完了形)も未来をあらわすのに使われる。
次の例では、話し手は2045年までの間に、退職しているだろうと述べている。
- (6) I will have retired by the year 2045.
(2045年までに退職しているでしょう)
退職という行為は、2045年までの間のどこかの期間で、1度起こる。いつ退職するのか、この文だけでは明らかでない。ただ、少なくとも、2045年時点では、退職している旨が述べられている。
尚、will have been doingのような「未来完了進行形」も一応存在するが、形式が複雑なため、あまり用いられない。
2.4. 単純現在形
単純現在形は通例、その名称のとおり、現在のことを言う時に使う。
ただ、場合によって、単純現在形が未来をあらわすことがある。
次の例を見てみよう。
- (7) Tomorrow is Tuesday.
(明日は火曜日です)
「明日は火曜日」の内容から、発話時はその前の日(= 月曜日)とわかる。
ただ、未来と言っても、月曜日→火曜日といったカレンダー的な予定は、それが定義によって決まっている。
こうした「確定的な未来の予定」は、推測の余地がないことから、単純現在形が使われるのである。
単純現在形による未来は、他にも、The train leaves at ten o’clock. (電車は10時に出発します) のような、時刻表であらわされるような場面にも使われる。
2.5. 現在進行形
現在進行形が未来をあらわすこともある。次の例を見てみよう。
- (8) I’m leaving tomorrow.
(明日、発ちます)
tomorrow(明日)という語があることから、旅立つのは未来のこととわかる。
明日という比較的近い未来において、その出来事が起こるのは、もはや確定的である。そうした状況では、現在進行形を用いて、未来をあらわすことができる。
2.6. be to
be to もまた、未来をあらわす。例を見てみよう。
- (9) The President is to visit Japan next month.
(大統領は来月、日本を訪れる予定です)
be to を一言でいえば「未来のとりきめ」である。その事柄が何らかの決定によって決まった、といったニュアンスとなる。be to が使われるのは、新聞やニュースなど、かたい文脈が多い。
2.7. be going to
be going to も未来のできごとをあらわす。例を見てみよう。
- (10) I am going to talk about my favorite subject.
(私の好きな科目についてお話ししましょう)
be going to のニュアンスは、もっぱら、話し手の <意図> である。
この文では、話し手は「話すつもり」という確信を持っていることから、be going to が使われている。
2.8. be about to
ややマイナーな用法だが、be about to も未来について述べる際に用いられる。例を見てみよう。
- (11) I am about to order more.
(これから追加で注文するところです)
この表現は、「これから…するところ」といった、近い未来をあらわす。
on the point of も「まさに…するところである」の意味で、未来を述べるのに使われる。
3. 未来をあらわす表現の違い
これまで紹介した「英語で未来をあらわす8つの表現」は、それぞれ独自のニュアンスを持っている。
例えば、willと be going to は一見すると似ているが、完全に交換可能ではない。話し手がある場面で will を使うなら、それは状況的に、will を用いる動機があるからに他ならない。
言い換えれば、各表現の違いを知れば、未来を適切に表現できるようになる。以下、ポイントを見ていこう。
3.1. willと be going to の違い
学習英文法では「will = be going to」のように教わることがあるが、これは必ずしも正しくない。
will と be going to には、次のようなニュアンスの違いがある。
- will: 客観的な予測
- be going to: 原因や予兆がすでにあらわれている未来
いま、あなたが天気予報を見ているとしよう。「明日は雨でしょう」のようなことを言う場合、適切なのはwillである。
- (12) It will rain tomorrow. (明日は雨でしょう)
willは客観的な予測だから、天気予報のように、データ等を使って予報を出すという場面に適している。
別の場面を想像してみよう。あなたはいま、夏の屋外で運動をしている。さっきまで晴天だったが、急に雲が出てきた。今にもゲリラ豪雨が起こりそうである。こうした場面では be going to のほうが良い。
- (13) It‘s going to rain. (雨が降りそうだ)
be going to は原因や予兆があらわれている未来である。雲が出てきたのは雨の前ぶれだから、be going to の方が適している。
will と be going to を誤って使うと、まったく通じないというわけではないものの、聞き手の側からすれば、奇妙な英語に聞こえるかもしれない。
3.2. be doing と be going to の違い
be doing(未来をあらわす現在進行形)とbe going to には、ニュアンスの違いがある。
たとえば、「私は6時にトムを駅に迎えに行く」といった旨を伝えるとする。現在進行形の例を見てみよう。
- (14) I’m meeting Tom at the station at six.
(私は6時にトムを駅に迎えに行く予定です)
出典: 実例英文法
現在進行形が使われる場合、話し手はトムと会う約束をしている。実際に駅で会った時、驚かれることはないだろう。
次に、be going to を使った例を見てみよう。
- (15) I’m going to meet Tom at the station at six.
(私は6時にトムを駅に迎えに行くつもりです)
出典: 実例英文法
be going to を使う場合、話し手の意図をあらわしているだけで、トムと約束している含みはない。そのため、その時間に駅で会った際、びっくりされるかもしれない。
3.3. 単純現在形とwillの違い
未来をあらわす単純現在形を用いる場面にて、willを使ってしまう誤用は多い。
まず、未来をあらわす単純現在形は、<確定的な未来の予定> について述べるのに使う。次の例文を見てみよう。
- (16) The film starts at 11:00.
(映画は11時に始まる)
映画の上映時間は、あらかじめ決まっている。この文に、話者の推測が含まれる余地はないので、willを使うのは不可とされる。
同様の例は列車の時刻にも言える。次の例文を見てみよう。
- (17) The train leaves Tokyo at 11:51 and arrives in Shin-Osaka at 14:21.
(電車は11時51分に東京を出発し、14時21分に新大阪に着きます)
列車の出発や到着は、決まった時刻に沿って運行されている。話し手の意図や予測が含まれることはないため、未来のことではあるが、単純現在形を用いるのである。
実際の世界では、何らかの事情で予定通り実施されないことがある。例えば、停電のため映画が11時に始まらないとか、電車の遅延により到着時刻が変わる、といったこともあるだろう。ただ、それは当日の話であり、未来について述べる時点では、「確定していること」と言って何ら差し支えない。「確定的な未来の予定」は、当日、それが必ず起こると保証するものではない。
3.4. 単純現在形と現在進行形の違い
単純現在形と現在進行形には、いずれも「確定的な未来の予定」の意味があるが、ニュアンスの違いがある。
まず、単純現在形は <他者によって決められた未来> のニュアンスがある。例を見てみよう。
- (18) I start work tomorrow.
(明日から仕事がはじまります)
明日から仕事がはじまるのは、会社などの第三者によって決められたことであり、話し手が予定をするのは不可能という含みがある。
一方、現在進行形は <本人が決めた未来> のニュアンスになる。
- (19) I’m starting work tomorrow.
(明日から仕事がはじまります)
明日から仕事がはじまるのは、本人が決めたことであり、話し手が予定を変更することもできるという含みがある。
参考: 英語に「未来時制」はあるのか?
学校英語では、willなどを「未来時制」と呼ぶことがあるが、これは正しい名称だろうか? この点について考えるため、まずは「時(とき)」と「時制」を区別していこう。
「時」は「時間」のことを指す。英語においても、過去、現在、未来といった「時」がある事実は、私たちの直感と合致している。
一方、「時制」とは、大辞林によれば「時間の前後関係(現在・過去・未来など)を表す動詞の組織的語形変化」である。簡単に言えば、時制は「時をあらわすための文法形式」と言える。
英語における「時制」は、典型的には屈折によってあらわされる。例えば、talk(話す)の場合、過去形では talked のように、語尾に -ed がつく。動詞によっては、take – took のように、不規則変化することもある。また、現在形の場合、3人称単数の主語では talks のように、語尾に -s(または -es 等)をつける。
それでは、未来をあらわす際、talk に何かしら語形の変化が加わるかと言えば、そのようなことはない。未来を表すためには、この記事でも議論してきたように、will talk や be going to talk など、様々な変化をさせなければならない。
そもそも、will は法助動詞である。will は未来をあらわす用法以外にも、推量・予測などを表現するのに使われる。例えば、Ring his home number. He’ll be at home now.(彼の家に電話しなさい. もう家にいるだろう)では、will は明らかに未来について述べていない。will – would の対比でもわかるように、willは「現在形」に他ならない。
結論として、英語には未来という「時」の考え方は存在し、未来をあらわす様々な「方法」もあるけれど、「未来時制」はないのではないかというのが、本記事での考え方になる。
英語に「未来時制」がないことは、様々な専門書でも指摘されている。例えば、A Comprehensive Grammar of the English Language では「英語に未来時制はない」(p213/訳は引用者)と述べている。また、比較的最近発売された The Oxford Handbook of English Grammar でも、「英語は未来時制は持つのか?」(p408/訳は引用者)の中で議論しているが、やはり結論は「未来 “時制” とは言えない」という点で一致している。
まとめ: 未来の表現を使いこなす
この記事では、英語で未来をあらわす方法について詳細を解説してきた。
内容をまとめると次のようになる:
- 英語で未来をあらわすためには様々な方法を用いる
- 代表的な用法に will と be going to がある
- 他にも単純現在形や現在進行形で未来を表現できる
- 各用法は固有の意味を持つので交換できない場合が多い
- 英語に「未来時制」はない
本記事で紹介した8つの用法は、詳細を別記事でまとめている。より詳しく知りたい方は、それらも参照いただきたい。
- 英語の助動詞willとは?ポイントは「意志未来×習性×単純未来」を区別すること
- 英語の助動詞shallの使い方!ポイントは「不可避」のイメージを理解すること
- 英語の未来進行形とは? will be doing の使い方をわかりやすく解説!
- 英語の未来完了形とは? will have doneの使い方をわかりやすく解説!
- 英語の単純現在形とは?使い方のポイントは「幅のある時間」にあり!
- 英語の現在進行形とは?使い方のポイントは「未完了で一時的」のイメージをつかむこと!
- 英語のbe to+不定詞とは? 取り決められた未来をあらわすbe toをわかりやすく解説!
- willとbe going toの違い!使い方のポイントは予測や意図を理解すること
トイグルでは他にも、英文法に関する記事を執筆している。興味のある方はぜひご覧いただきたい。
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